研修時のアイスブレイクで使えるクイズ-ラーニングピラミッド

研修時のアイスブレイクで使えるクイズ-ラーニングピラミッド

研修時のアイスブレイクで使えるクイズ-ラーニングピラミッド

以前のコラムで、研修の開始時や休憩後のちょっとしたアイスブレイクとして使えるクイズを紹介しましたが、少し反響をいただいたいので、今回も、アイスブレイクで使えるクイズネタを紹介していきたいと思います。


今回のクイズネタのラーニングピラミッドとは

今回のクイズで使用するのは、「ラーニングピラミッド」というものになります。
みなさんは、ラーニングピラミッドをご存知でしょうか?

ラーニングピラミッドとは、アメリカ国立訓練研究所の研究による結果のもので、7つの学習方法とそれぞれの平均学習定着率の関係を図で表したものになります。
※定着率のパーセントの数値が正しいかどうかの議論がありますが、そこは今回は省きます。

小学校~大学の学校の授業や企業の研修では、さまざまな方法で、生徒や受講生たちが学習しています。
知識を学ぶ座学中心の講義から体験学習をもとにした実技訓練、学ぶテーマについて話し合うディスカッションなど、方法はさまざまですが、結果の対象となった7つの方法について、まずは、ご紹介したいと思います。


1つ目が、講義で学ぶ
2つ目が、読んで学ぶ
3つ目が、聴いて学ぶ
4つ目が、実演を見る
5つ目が、議論し合う
6つ目が、自ら体験、演習する
7つ目が、他人に教える

みなさんは、これらが実際にどれぐらいの定着率になると思いますか?


ラーニングピラミッドでは、7つの学習方法のそれぞれ学習定着率を以下のように示しています。

ラーニングピラミッド_クイズ

※ラーニングピラミッドの図はこのようになります。


講義で学ぶ・・・5%
読んで学ぶ・・・10%
聴いて学ぶ・・・20%
実演を見る・・・30%
議論し合う・・・50%
自ら体験、演習する・・・75%
他人に教える・・・90%


みなさんも体感として、感じたことはないでしょうか?
学校の授業をただ受けているよりも、友達に教えてあげたときの方が、より理解度が高まったなぁなど。

他人に教えることが、学習定着率が高い理由としては、
授業や研修を受けて、情報をインプットしたものを、他人に伝えることでアウトプットします。情報をアウトプットするときにどうすれば、相手にわかりやすく伝わるかを、情報整理したり、伝え方を工夫したりするので、記憶にも残りやすいのだと思います。

ラーニングピラミッドをクイズにする方法

さて、このラーニングピラミッドを研修時にクイズにすると、受講生同士かなり盛り上がるので、アイスブレイクやウォーミングアップにオススメです。

では、このラーニングピラミッドをどのようにクイズにするのかというと、下の図のように穴埋め式でクイズを作りましょう。
例えば、このようなルールにしても面白いかもしれません。

【ルール】
制限時間内に○で虫食いになっているところを、グループで話し合い、1番早く、全問、正解したグループが優勝です。

ラーニングピラミッド_クイズ

ラーニングピラミッドを解説する際に併せて、伝えるべきポイントがあります。

それは、アクティブラーニングという手法が何かを学ぶ学習には、効果的ということを伝えることです。

アクティブラーニングとは、生徒が受動的となってしまう授業を行うのではなく、能動的に学ぶことができるような授業を行う学習方法です。 具体的には教師による一方的な指導ではなく、生徒による体験学習や教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワークを中心とするような授業のことを指します。

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多くのアクティブラーニングの事例が世界にも存在しています。例えば、ハーバード大学のEric Mazur氏の授業では教師からの講義は行われず、学生たちが与えられたテーマについて3カ月取り組み、教師は学生たちに助言するのみという授業となっています。 その3カ月後に、5~6人で構成されたグループが取り組んできた成果をプレゼンテーションし、質疑応答ののち、教師とその他の受講者が評価をしていくという形になっています。

ただプレゼンテーションをしてそのスキルを身に付けるだけがこの授業の目的なのではなく、自分の中にある知識を問題解決にどのように活かすか、どのようにわかりやすく説明するか、そして他のグループをどのように評価するかという点がこの授業のポイントとなっています。

参照:https://education-career.jp/magazine/data-report/2016/activelearning/
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日本でも学校教育を中心にこのアクティブラーニングを取り組んでき始めています。 アクティブラーニングは、受動的、受け身的で、研修を受けるのではなく、能動的、主体的に受講した方が、効果があるため、能動的になるように考えられたアプローチです。

自ら体験することや他人に教えること。これらは特に能動的に学ぶことができ、人を最も成長させるアプローチですので、クイズに出した後で、意識させると良いでしょう。

ラーニングピラミッドの中の講義を受ける、読んで学ぶということがダメということでは決してありません。 講義を受ける際も、主体的なアンテナを立ててれば、入ってくる情報量も変わってくると思います。受動的な姿勢で受けるよりも、能動的に学び取ろうとすれば、5%以上の学習定着率の効果はあるはずです。
あくまでも参考値として、研修時にはお伝えください。

ラーニングピラミッドをクイズにする効果

ラーニングピラミッドをクイズに活用することで、
こんな効果が期待できます。

①前向きに積極的に受講してくれるようになる

ラーニングピラミッドの解説時にアクティブラーニングの話をすることで、受け身な態度で研修を受講するより、目的意識を持って、能動的に研修を受講した方が参加する意義が持て、研修効果が高まることを理解してくれます。その結果、前向きに1つでも学び取ろうという方が増えてくれます。

②他人に教えることの重要性を再認識してもらえる

クイズを出した後に、よくこんな質問を私はします。

このクイズは、面白かったですか?
このクイズを他の人に伝えたくなりましたか?

だいたいの人が「はい、伝えたくなりました」と答えてくれます。
そこで、私は「ぜひ伝えてみましょう。そうすることで、みなさんもこのラーニングピラミッドを頭の中に定着させることができるはずです。 そして、今から行う研修の内容も、明日、会社の上司でも、部下でも、同僚でも良いので、教えてあげましょう。 研修内容を他人に教えることで、アウトプットし、それがみなさんの理解度の向上につながるはずです。」と、お伝えします。そうすることで、意識して誰かに教えようとしてくれるはずです。

とはいえ、それだけでは誰かに教えることを実践しないのが人の常です。

研修でよく目にする受けて終わりで、何もせずでは、インプットだけで、アウトプットさせなければ、知識が知恵には変わっていきません。 アンケートやレポートを書かせても良いのですが、他人にどう伝えて、どういった感想をもらったのかを報告させる内容を宿題として与えてみると良いかもしれません。


さて、今回は、研修開始時や休憩後のちょっとしたアイスブレイクとして使えるクイズとして、

「ラーニングピラミッド」を使ったクイズをご紹介しました。
ラーニングピラミッドを、意外に知らない人も多いので、ぜひ試しにクイズをやってみてください。盛り上がること間違いなしです。


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【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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