ワークハラスメント防止カードゲームをやってみた。おもしろポイントと進行上の注意点をご紹介

ワークハラスメント防止カードゲームをやってみた。おもしろポイントと進行上の注意点をご紹介

ワークハラスメント防止カードゲームをやってみた。おもしろポイントと進行上の注意点をご紹介

ハラスメント関係の研修は近年、増えてきていますが、どうしても座学中心で判例紹介などが多く、少し退屈してしまうこともあるようです。

今回は、ハラスメント研修の中で、使えるワークハラスメント防止カードゲームについてご紹介していきたいと思います。

ワークハラスメント防止カードゲームとは


ワークハラスメント防止カードゲームは、カードに書かれている行為が職場で発生していないか、また発生している原因そして改善策は何か?をグループワークで話し合い、最終的には自社の職場のハラスメント防止策10か条を作成することで、職場全体で職場環境を改善していくことを目指すワークショップになります。

ハラスメント防止 ワークショップ

ワークハラスメント防止カードゲームの進め方


まず、このゲームの準備物は下記になります。

●準備物
・カードキット(各グループに1つ)
・模造紙(各グループに1枚)
・付箋(各グループに1セット)
・ペン(各自)

続いては、ゲームの進め方です。進め方としては、大きく3ステップです。

①カードの分類タイム


カードを使って職場のハラスメントを防止するための対策を検討しますと進行役は進行していきます。

まず、「職場で発生(レッド)」、「起こりうる(イエロー)」、「問題なし(ブルー)」の分類カードを机に並べます。

50枚の現象カードがありますので、そのカードを1枚ずつ進行役が読み上げます。

この現象カードには、50種類の「明らかなハラスメント行為」「ハラスメントになりうる可能性がある行為」「ハラスメントを引き起こす原因となる行為」が記載されています。

そのカードが3枚の分類カード「職場で発生(レッド)」「起こりうる(イエロー)」「問題なし(ブルー)」のどれに該当するのかを話し合い、分類していきます。

なかなか分類が進まないようでしたら、「職場で発生(レッド)」⇒「大きな問題だ」、「起こりうる(イエロー)」⇒「問題だ」、「問題なし(ブルー)」⇒「身近でその例はない」と読み替えるよう伝えても大丈夫です。

ハラスメント防止 ワークショップ

②改善検討タイム


「職場で発生(レッド)」「起こりうる(イエロー)」に分類されたカードを以下の3つに分け、話し合う優先順位を決めましょう。

⑴絶対に話し合うべきテーマ
⑵時間があれば話し合うべきテーマ
⑶後日に話し合うテーマ

ワーク時に話し合うのは、⑴絶対に話し合うべきテーマに選んだ複数枚のカードを並べて、以下のようにすすめます。
あらかじめ用意していた模造紙と付箋を使用します。

選んだカードのテーマについて、原因を考えます。

「原因は何だと思いますか?」

A. 原因について、付箋に書き出します。(個人ワーク:5分~)
(1枚の付箋に1つの意見を書く)

B. 模造紙に付箋を貼ります。(グループワーク:10分~)
(同じような意見を小グループにまとめます。それぞれのグループに小見出しをつける)

C. グループ発表[1グループ3分~5分]

続いて、原因を取り除くための改善策を検討します。

「改善策を考えましょう」

D. 付箋に改善策を書き出します。(個人ワーク:5分~)
⇒1つのフセンに1つの意見を書いてください。

E. 模造紙に付箋を貼ります。(グループワーク:10分~)
(同じような意見を小グループにまとめます。それぞれのグループに小見出しをつける)

F. グループ発表[1グループ3分~5分]

ハラスメント防止 ワークショップ

③職場のハラスメント防止策を検討
グループで話し合いながら、模造紙に直接ハラスメント防止策を書きます。 「~しない」という表現ではなく「~するとよい」「~しよう」と肯定的な表現に変換すると、 具体的な行動指針となります。可能な限り肯定的な表現にすることもチャレンジするとよいでしょう。

やってみた感想とおもしろポイント


ワークハラスメント防止カードを使用して、知り合いの会社さんでゲームをやってみました。 やってみた感想をいただきましたが、感想としては、「ハラスメントとしてありそう!」「もしかしたら起こっているかも。やばいね。」とリアリティが感じられて、面白いという感想でした。

リアリティがある内容なので、実際に考えやすいという点がワークショップとして、盛り上がり、面白くなると思います。

気になった点としては、上司である役員が顔を出した途端、本人たちの顔色が変わったことです笑。
「これは起こってないかもですねぇ」、など、若干口数が少なくなった気がしました。

そこは関係値ができている分、グイグイ突っ込んで、「例えば、これは女性の育休の場合ですが、男性でも同じことがありえますよね?そんなシチュエーションだとどうですか?現場で起こってると考えられそうですか?」と現場に即した形の質問を投げかけていき、上司がいても答えられる雰囲気、答えやすい雰囲気にしていくと、忖度なしの分類をしっかりしてくれるようになったと思います。

カードの内容を拡大解釈させる必要はありませんが、業種、職種によっては、現場で起こりそうな事例に置き換えてあげることも大切だと感じました。

進行上のポイント


①参加する対象者によってグループ編成や進め方を工夫するべし


上司と部下が一緒に参加、あるいはハラスメントの行為者とされる社員が参加する場合「一般論で話し合いましょう」「一般論でいいですよ」と伝えて進めるとよいでしょう。また複数の企業から参加者が集まる集合研修も同様です。

上司に遠慮して発言できなかったり、研修自体が個人攻撃になったりしてしまう可能性もあります。参加者を知った上で研修を実施しましょう。

②カードゲーム後は具体的なエピソードを判例を交え紹介した方が良い


カードゲーム後は、具体的なエピソードを紹介するようにした方が学びが深くなります。 ハラスメントが起こり得る原因を考えた後なので、実際にハラスメントが起こってしまった場合の悪影響を伝え、起こり得るリスクをしっかりと認識させた方が良いでしょう。

③分類に窮しそうであれば、言い換えて伝えるべし


分類でありがちなのが職場に「女性が少ないから」、「男性が少ないから」といった対象者が少ないから発生しないだろうという思い込みです。あくまでもこれは一例ですが、思い込みで起きないだろうと思ってしまうことは多々あります。

そうならないためにも、分類時に簡単にブルーのカードの「問題なし」に入れてしまうことが続くようでしたら、言い換えて、思い込みを取り除いていきましょう。


今回は、ハラスメント研修で活用してもらいたいワークハラスメント防止カードについて、ご紹介していきました。 ハラスメント研修の内容は、判例紹介が多くなってしまうため、難しく感じてしまうこともありますし、気が重くなる内容も多いです。カードを使ったワークショップを取り入れることで、聞いているだけではなく、自分たちで考える時間を増やし、理解度を深めていきましょう


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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