今回は、アンガーマネジメントの3つ目のテクニックである「行動のコントロール」についてご紹介していきたいと思います。
改めて、アンガーマネジメントの基本的な考え方と基本の3ステップをお伝えします。
アンガーマネジメントとは
アンガーマネジメントとは、怒りの感情をコントロールする方法ですが、決して怒らなくなることを目指しているわけではなく、
怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らないようになること
としています。
怒るべきことか?、怒らなくてもいいことか?を判断していくようなイメージです。
また、アンガーマネジメントの基本的な3ステップは、下記となります。
①「衝動」のコントロール
②「思考」のコントロール
③「行動」のコントロール
の3つです。
以前のコラムで、①の衝動のコントロールと②の思考のコントロールについてご紹介しております。
少し簡単に振り返ると、「衝動」のコントロールは、「怒り」を感じた瞬間に、反射的にそれを爆発させるのではなく、理性が働くまで待つということです。そして、「思考」のコントロールとは、イライラを感じた言葉や行動が、自分自身にとって、許せることか、許せないことなのかを客観的に判断することでした。 許せることは怒る必要のないことですが、許せないことは相手に対して、働きかけ、リクエストをしていく必要があります。その対処が「行動」のコントロールなのです。
3つ目のステップである「行動」のコントロールでは、下記のマトリックス図のように「重要」か「重要ではない」か、「変えられる」か「変えられない」か、の2つの軸で対処の方向性を決めていきます。
●変えられるか?変えられないか?
これは自分自身が働きかけをすることで、怒りを感じた原因である状況を変えられるか変えられないかです。 天気を変えることはできません。雨が降っていて、運動会だから晴れてくれ〜って願っても変えられませんよね? 変えられないものにフォーカス(焦点を当てる)し続けていても何も変えられません。自分自身で変えられるモノだけに焦点を当てていきましょう。
●重要か?重要ではないか?
重要か重要ではないかというのは、自分自身の今の置かれている立場・状況にとって重要かどうかということです。 さほど重要ではないことであれば、関わる必要もないのです。関わって、心が乱されるぐらいであれば、関わらない勇気を持つことも大切です。
重要で変えられる
重要であるが変えられない
重要ではないが変えられる
重要ではないし変えられない
引用出典:一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
重要で変えられるのであれば、すぐに取り組むべきでしょう。
重要ではあるが、変えられないことは、現実的な選択肢を考えるべきです。
アンガーマネジメントでは、怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らない。
そうすることで、後悔しないことを目指しています。
自分にとって重要で変えられることであれば、行動するべきです。
行動せずに後悔しないことが怒りのコントロールには必要なのです。
怒りを感じ、許せないこととだと判断したら、この4つの基準で判断して、
どう行動するべきなのかを検討していきましょう。
今回は、アンガーマネジメントの行動のコントロールについてご紹介してまいりました。
アンガーマネジメントの3つのコントロールは、「衝動→思考→行動」の順番で行っていきます。
イライラを感じたり、怒りを感じたら、この3つのコントロールを意識してみてください。
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会 アンガーマネジメントファシリテーター、アンガーマネジメントコンサルタント
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。