ビジネスマナー研修で抑えておきたい名刺交換編
ロールプレイング演習の作り方

ビジネスマナー研修で抑えておきたい名刺交換編<br>ロールプレイング演習の作り方

ビジネスマナー研修で抑えておきたい名刺交換編
ロールプレイング演習の作り方

今回は、ビジネスマナーの研修で抑えておきたい名刺交換編ということで、名刺交換の流れとロールプレイング演習の作り方をご紹介していきたいと思います。

目次
名刺交換の意味と意義
名刺交換の一般的な流れ
名刺交換のQ & A10選
名刺交換のロールプレイング演習の作り方

名刺交換の意味と意義

基本的なところではありますが、改めて名刺交換の意味と意義について整理しておきたいと思います。

意味


名刺交換とは、個人の情報が記載されたカード(会社名、氏名、役職、連絡先など)をお互いに交換し合い、自己紹介しあう行為です。

意義


名刺交換を行うことで、お互いのことがわかり、コミュニケーションを取るきっかけになるのです。そうすることで、交渉や商談を円滑に進めることができます。

名刺交換の一般的な流れ

名刺交換の一般的な流れは、大きく4つの流れで行われます。

フロー①:名刺の準備


名刺交換を円滑に行うためには、事前準備が重要です。挨拶する相手を前にもたついてしまうと、心証も良くありません。 鞄から出しやすい場所や上着の内ポケットに名刺入れを入れておくなど、事前に用意をしておき、相手の姿が見えたタイミングですぐに名刺を取り出せるようにしておきましょう。

フロー②:名刺を渡すとき


名刺を渡すときは、相手が読みやすいように相手の方に向きを変え、名刺を名刺入れの上に乗せ、両手で持ちながら差し出します(片手で同時に交換し合う場合もあります)。相手に差し出すタイミングで、社名や部署、氏名を名乗りましょう。

相手が差し出した名刺よりも低い位置から自分の名刺を差し出すことで、より丁寧な印象を与えることができると言われています。 名刺を渡すときは、名刺交換は座って行うものではありません。会議室などで着席した状態であっても、名刺交換を行う際は必ず立つように行います。

フロー③:名刺を受け取るとき


名刺を受け取るときの基本は、両手で名刺の両端をつかみ受け取ります。名刺交換のタイミングによっては、渡すことと受け取ることを同時に行わなければならない場合もあります。

同時交換の場合は、右手で自分の名刺を差し出し、左手で相手の名刺を受け取るようにします。なお、受け取った相手の名刺は、すぐに右手を添え、両手で持ちましょう。名刺を受け取ったら、「頂戴いたします」と感謝の意を伝えましょう。

フロー④:名刺を交換した後


交換後の名刺の扱いにも気をつけましょう。基本的には、名刺入れにすぐにしまわず、商談や打ち合わせ中も、名刺入れの上に乗せる形で、机の上などに自分から見て左側に置くのが基本です。

名刺交換をした人が複数人で、手元に複数枚の名刺がある場合は、相手の座った席順に合わせて並べるようにしておきましょう。相手の氏名を覚えやすくなります。

名刺交換の基本的な型はこの4つになります。ぜひとも覚えておきましょう。

名刺交換のQ&A10選

よくビジネスマナー研修で名刺交換について、お伝えをすると、受講生から聞かれる質問があります。ここからは、そんな質問と解答例をQ&A方式で10個ご紹介したいと思います。

Q1. 名刺交換をする直前になって、自分の名刺が切れている(残ってない)ことに気付いた時はどうすればいいでしょうか?

A1. 先方へは正直に名刺を切らしているお詫びと会社名、部署名、自分の名前を口頭で伝えます。帰社後に名刺を郵送したり、名刺アプリを活用したりと、あらゆる手段を使って自分の情報を相手に伝えましょう。名刺を郵送する場合は、後日送付してもよいか確認し、了承が得られたらできるだけ早く送付状付きで先方へ名刺を送るようにしましょう。

Q2. 名刺交換をする相手先が複数人いた場合はどのタイミングで名刺を用意しておくべきでしょうか?

A2. 名刺交換するタイミングで、人数分の名刺を出しておき、名刺入れの間に挟んでおくと良いです。1枚ずつ名刺入れから抜いて渡そうとすると時間がかかりますので、1人目の方と交換するタイミングで、人数分の名刺を出しておけば、名刺を素早くスムーズに取り出すことができます。

Q3. 名刺交換時に渡す順番にはどういった決まりがあるのでしょうか?

A3. 基本的には、役職順に名刺を交換するのがマナーです。先方も当方も複数人いる場合、順番として、①まずはお客様と自社の最も職位の高い人同士が名刺交換します。②次にお客様の最も職位の高い人に対して、自社全員が職位順に名刺交換をします。③順番に行っていきます。④最後はお客様・自社の最も職位の低い人同士が名刺交換して終了です。 また、「訪問する側よりもされる側の方が上」「受注側よりも発注側が上」であることを覚えておくと良いでしょう。

Q4. 複数人で名刺交換した際に、前の人から受け取った名刺はどこに置いておくべきですか?

A4. すぐにしまう訳にはいきませんので、相手からいただいた名刺は一時的に名刺入れの間に挟みましょう。名刺入れの上で、先方の名刺を重ねないようにしましょう。

Q5. 名刺を持つときの注意点はどういったものがあるのでしょうか?

A5. 名刺を持つときの注意点としては、渡すときも受け取るときも名刺に書かれた名前や会社名、ロゴなどの上に指を置いて隠してしまわないようにすることが大切です。

Q6. 名刺交換するときの場所が狭く、立ち上がって移動できない場合などは、どうすれば良いのでしょうか?

A6. 会議室が狭く名刺交換する場所がない場合などは、そのような場合は、無理矢理、机の横に移動するのではなく、「机の上から申し訳ございません。」と一言、断ってから名刺交換すれば問題はありません。

Q7. 名刺入れを購入するときに気を付けるべき点はどんなものがありますか?

A7. 名刺入れは基本的に落ち着いたデザインが良いでしょう。ビジネスで使用するものなので、派手さや奇抜さは控えた方が良いです。色は、ブラック、ブラウン、ネイビーなどのダーク系カラーがオススメです。女性の場合は、ベージュ、パステルカラーなど、優しい淡い色の名刺入れを使っている人も多いので、先輩が使っているものを参考にしてみましょう。

Q8. 名刺をもらったときに注意すべき点はどんなことがありますか?

A8. 名刺をいただいた相手の目の前で、情報を書き込みすることなどは止めましょう。いつ、どこで、どういった話をしたのかを覚えておきたいという理由からやってしまいそうな人もいるのですが、名刺は日本では分身のようなものと捉えられています。失礼のないようにしましょう。

Q9. いただいた名刺を失くしてしまって、メールなどができない場合などはどうすれば良いでしょうか?

A9. 失くさないようにしましょう。というのが1つですが、もし仮になくてしまって、連絡ができない場合は、業務に支障をきたしてしまいますので、まずは電話でお詫びを伝え、メールアドレスを教えてもらうようにしましょう。丁寧にお詫びをし、再発防止の旨を伝え、誠心誠意に伝えましょう。

Q10. 名刺をしまう際は、どのタイミングで何か伝えるべきですか?

A10. 名刺は商談や打ち合わせが終了し、会議室を出る前にしまいましょう。その際、「頂戴します」などと一言、伝えてからしまうと丁寧な印象を与えられます。

名刺交換のロールプレイング演習の作り方

名刺交換も日々行う営業職であれば、慣れてきますが、なかなか名刺交換する機会が少ない職種であれば、少し不安になることも多いと思います。名刺交換も慣れれば、怖くはありませんので、新人の場合はロールプレイング演習で練習をしっかりとしてもらいましょう。

ロールプレイ演習の作り方


名刺交換のロールプレイング演習では、実際の会議室を使用して行うと良いでしょう。 名刺交換の演習では、「訪問する側」と「来客対応する側」に分かれます。

【基本の型】


(1)訪問1人 対来客 1人のパターン
前述でご紹介した名刺交換の一般的な4つの流れをもとに、まずは1対1で練習してもらいましょう。
名刺交換の方法は、両手交換、片手交換(同時交換)の順番で行っていきます。

(2)訪問 1人対来客複数 2人のパターン
(3)訪問複数 2人 対 来客 1人のパターン

1対1の名刺交換が終わったら、次は訪問1人対来客複数2人のパターンで練習してみましょう。
名刺交換は大抵、多くとも3対3ぐらいです。担当者レベルでの1対1で名刺交換をし、商談が終わったら、次は決裁者が商談の場に来てくれる場合です。そうなると、1対2の構造で名刺交換するのですが、法人営業をしているとこういった1対2のパターンも多く経験します。

(4)訪問複数 3人対来客 3人のパターン
最後が3対3でのパターンでの練習です。
複数パターンの説明でいうと、下記の順番で名刺交換をしていきます。

1.一番始めは、お客様と自社の最も職位の高い人同士が名刺交換をする
2.次にお客様の最も職位の高い人に対して、自社全員が職位順に名刺交換をする
3.これを順番に行っていき、
4.最後はお客様と自社の最も職位の低い人同士が名刺交換して、終了

一通り、上記の(1)~(4)の4パターンを練習したら、グループワークを行い、名刺交換の深掘りをしてみましょう。
テーマ別にディスカッションをしても良いですし、実際に4パターンを練習してみて、疑問に感じたこと、質問したいと思ったことをグループで出しあっていただき、講師が回答していくという方法をとても、深掘りができて良いと思います。

起こり得る問題が発生した場合を入れる

名刺交換を深掘りしていくためにも、名刺交換で起こりそうな「あるある問題」について、ケーススタディとして出題してみましょう。

(1)名刺を切らしてしまったことに気付いたとき


訪問役が名刺を切らしてしまったと想定して、そうなった場合の訪問役の対応の仕方(お詫びの言葉)と、逆に来客側だった場合(相手が名刺を切らした場合)に、どういった言葉をかけるとスムーズに進むのかをシミュレーションしていきましょう。

例:名刺を受け取ったあとに
「大変、申し訳ございません。今、名刺を切らしてしまっておりまして、最新のものができましたら、お送りいたします。」

(2)発注の兼ね合いで、古い情報の名刺しかまだ持っていないとき


会社情報、例えば、住所や電話番号、アドレスが変わって、名刺を新たに作るという状況も多々あると思います。私自身、名刺が変わったのは5回以上ありました。そういうときに名刺発注の兼ね合いで、古い情報の名刺しか持ち合わせておらず、それを渡すしかないときもあったのです。 そういった場合に、どういって渡すべきなのかをシミュレーションしてみましょう。

例:名刺を渡し終えたあとに
「大変、申し訳ございません。今、新しい名刺の発注をお願いしている最中でして、古い名刺になってしまいます。メールアドレスは同じものになりますので、最新のものができましたら、お送りいたします。」

(3)持っていた名刺がすべて少し汚れてしまっていたとき


印刷の原因か何かで、線が入ってしまっているときもたまにあります。名刺を取り出すまで気づかず、残り枚数が少ない!?ということもあり得ます。 そういうときはどう対応するべきでしょうか?

もし仮に、持っている残りの全ての名刺に汚れがある場合、まずはお詫びし、その旨を伝え、新しいものを郵送させてもらっても問題ないか確認しましょう。丁寧に対応することが大切です。

常にきれいな名刺を常備してください。名刺入れの中に予備を入れておき、さらに財布などのきれいなところに名刺を入れておくのも友好です。

(4)いただいた相手の名刺の読み方がわからず、聞き取れなかったとき


名刺をいただいた際に相手の名刺の氏名の漢字の読み方がわからないときやお名前が聞き取れないときもあります。そんなときにどう確認するかをシミュレーションしていきましょう。

例:名刺を受け取った際に
「大変申し訳ございません。念のため、確認させていただきたいのですが、お名前は●●とお読みすればよろしいのでしょうか?」

(5)間違えて、違う名刺を出してしまったとき


業種によっては、複数の名刺を持つ場合もあるかもしれません。特にコンサルティング系の業務で、お客様先に名刺を作ってもらい、使用する場合があるかもしれません。そういったときは注意しましょう。

(6)打ち合わせで話している最中に、相手方が1名、追加で来た場合


打ち合わせ中に相手方が1名追加になった場合は、どのタイミングで名刺交換を行うべきでしょうか? 大抵は、来たタイミングで、相手方から紹介があると思いますので、そのタイミングで名刺交換をしましょう。もしくは、商談の途中で、話の内容が途切れたタイミングで、こちらから、名刺入れから名刺を取り出して、「お世話になります。改めて名刺交換をさせてください。・・・」といって名刺交換をしていきましょう。


今回は、ビジネスマナー研修で押さえておきたい名刺交換のロールプレイング演習の作り方を考えていきました。現場に出る前に、配属になる前にしっかりと練習をさせて、本番でもできるように意識とスキルを身につけさせてあげましょう。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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