1人でも部下を持つようになったら知っておきたいダメな叱り方、良い叱り方

1人でも部下を持つようになったら知っておきたいダメな叱り方、良い叱り方

1人でも部下を持つようになったら知っておきたいダメな叱り方、良い叱り方

今までは部下を持っていなかった人も、新卒社員たち新人さんが配属されてきて、部下が初めてできたという人も多いのではないでしょうか?

部下を持つと、

どうフィードバックすれば良いのか
どう叱ったら良いのか
どうコミュニケーションを取ったら良いのか

というように部下のマネジメントに関係する悩みが出始めるのではないかと思います。

そこで今回は、部下指導の中でもよく相談が来る「部下の叱り方」について考察していきたいと思います。

目次
・そもそも叱ることは必要なのか?
・叱ることのメリットとデメリット
・叱らないことのメリットとデメリット
・上司としてのダメな叱り方
・上司として知っておきたい良い叱り方(叱るときの心構え)

そもそも叱ることは必要なのか?


部下を持つと叱ることも業務のうちだと思われるかもしれませんが、叱るということは決して、絶対条件ではないと思います。 叱る必要がないのであれば、叱らなくても問題はないのです。

上司として叱る目的は何なのでしょうか。
上司が部下を叱る目的は、間違った言動を部下自身に「間違いだ」と気付かせ、部下自身が自主的に改善してもらうように行動変容させることです。叱ることは部下を育てるための1つの方法なのです。

2000年に入ってから学校教育でも、叱るよりも褒めることを大切にしてきたとされています。褒めて伸ばす文化が強くなったと言われています。褒めることも叱ることもあくまでもアプローチの方法であって、いろいろな視点があるのです。 叱る必要がある時にさえ叱れないのではなく、必要な時には適切に叱ることができることが、上司にとっては必要な力だと言えるでしょう。

叱ることのメリット/デメリット


前述した通り、叱ることは決してダメということではありません。

叱ることにもメリットデメリットが存在するのです。 その点を理解した上でマネジメントに活かしてみましょう。

叱ることのメリット


・相手に改善を促すことができる
・相手にダメだった点を気付かせることができる
・小さな過誤のうちに叱っておけば、その後の重大な過誤を防げる
・叱ることで、部下を気に掛けているということが伝わる
・自分自身では気づかないことを、気づかせることができる

叱ることのデメリット


・相手を萎縮させてしまう可能性あり
・相手のやる気を削いでしまう可能性あり
・人で判断するようになる
・叱られた人が周りにあたる可能性が出てくる
・職場の雰囲気が暗くなる

また叱らないことにもメリット/デメリットが存在します。

𠮟らないことのメリット/デメリット

𠮟らないことのメリット


・叱らないことで職場の雰囲気は保たれる
・叱らないことでやる気が保たれる

𠮟らないことのデメリット


・叱らないことで、相手に改善を促せない
・相手がどれだけの重要度なのか理解しづらい
・ミスが重なり、お客様に重大な迷惑を掛ける可能性も
・同じミスを繰り返してしまい、お客様との信頼関係が崩れてしまう
・本人が事の重大さに気付けない

叱ることのデメリットがあるように叱らないことのデメリットも存在します。
叱らないことで、発生し得る会社の損失や部下の成長を止めてしまう可能性があるので、 安易に「叱ると、嫌われるからやめよう」というのは注意が必要です。

ダメな叱り方の特徴7選


ダメな叱り方とはどういったものでしょうか?

責める言葉を使う


「なんでできなかったの?」「なぜやらなかったの?」といった過去に起こったことに対する質問は、 尋問されているような威圧感を感じ取られて、叱られる側が委縮してしまいます。

怒り

過去を遡る言葉を使う


よく叱っているときに、「何度も言わせないで」と言ってしまうときもありますが、過去に遡る言葉は相手にとって、何を今さらという気持ちにさせてしまいます。

過去を引っ張り出すことで、「今まで、心の中ではそう思っていたんだね」と反感を買いやすくもなるので、要注意です。

例を挙げると、このような言葉です。

例)
「前から言おうと思っていたけど」
「何度も言っているけど」
「繰り返し言っているけど」
「これで何度目だと思っているの?」
「またやったの?」
「あのときもそうだったよね?」など・・・

程度言葉を使う


「しっかりやれよ!」「ちゃんとしろよ!」とつい言ってしまいがちですが、こういった言葉は程度言葉と言って、 相手が理解しづらい言葉です。

「しっかりやれ」の「しっかり」とは何?と思われ、自分はしっかりやっているのに何がいけないんだと思われてしまいます。 相手が理解しづらい言葉は、相手に伝わりづらいので、極力控えましょう。

例)
「しっかりと」
「きちんと」
「ちゃんと」
「普通」
「当たり前」
「常識的に」など・・・

人格攻撃


叱る目的は相手の成長であり、好ましくない言動の修正を目的とするものです。叱るときには、あくまでも「行為」に焦点を当てることが大切です。相手の人格や価値観を否定するような叱り方は、相手の自己肯定感や尊厳を傷つけてしまいます。

人前で叱る


たくさんの人がいる前で叱るというのは、職場だけでなく学校などでも行なわれていることがあります。人前で叱ることは、相手の心を傷つけるだけでなく、「人前で吊し上げられた」などの恥ずかしい想いから反発心や恨みを生むことにもつながります。 もちろん反発心や恨みが生じれば、本来の目的である「修正すべき言動の矯正」は達成されません。

機嫌でコロコロ変わる


機嫌でコロコロ変わるというのは、下記のようなイメージです。

・1週間前は叱られなかったのに、同じようなことでも、今日は上司の機嫌が悪くて、叱られた。

同じようなミスをしても、怒られるときと怒られないときがあると、混乱してしまいますよね。 機嫌でコロコロ言うことが変わると、結局、上司の機嫌のよいときにしか報告しないでおこうになりやすいので、注意が必要です。

上司として知っておきたい良い叱り方(叱るときの心構え)


次に上司として知っておきたい叱るときの心構えについてご紹介したいと思います。 叱り方としては、前述したダメな叱り方を避けるというところですが、
叱る際は、タイミングや場所などを考慮することも必要です。

区別なく、公平に叱る


Aさんは叱られなかったけど、私は叱られた・・・というのは良く耳にしますが、 これは意外にネチネチと恨めしく思われたり、裏で周囲に愚痴を言われたりします。

相手が誰でも、叱る必要があるときは叱り、偏りのない対応をする必要があります。
過ちは過ちとして毅然とした態度で誰に対しても公平に叱ることが大切です。

叱るタイミングと強弱を見極める


叱るときにはタイミングや強弱は重要です。誰しもが、頭ごなしに叱られたのでは良い気分はしないものです。その場ですぐに叱った方が良いものなのか、それとも、後で場所や時間を改めて、教え諭すような叱り方の方が適切なのか、を見極め、強弱をつけるべきなのかを考えましょう。

あるとき、部下にかなり強めに叱ったことがあります。
お客様にとって、部下の取った対応が最適なのか?喜んでももらえるような内容なのか?を真剣に考えているのかが伝わってこなかったためです。

その部下に後日、言われた言葉があります。
「あの時、米澤さんが叱ってくれなかったら、クオリティを追求し切れなかったかもしれません。今までは、強く叱られるのは嫌だったのですが、気付けない自分もいたので、叱ってくれて本当にありがたかったです。」

叱るべきときに叱れないで、部下が重要なミスをしてしまい、とんでもない悪影響をお客様に与えてしまう可能性があるのです。気付かせるための手段なので、強弱は意識しましょう。

1対1で叱ることを意識


他の社員が大勢いるオフィス内などで叱ると、部下は人前で叱られたと思い、傷ついたり、恥ずかしめられたと思うかもしません。 叱る際は他の人に話を聞かれることのない個室などで、上司と部下が1対1で向き合える環境が望ましいです。また時間も1時間など長時間にわたることはせず、時間は10分~15分程度が適切です。

言い分も聴く姿勢を持つ


部下を叱るときに注意が必要なのは、言い分も聴く姿勢を持つということです。
すべてを把握して叱れるときもあれば、一部分を見聞きしただけで叱るときもあるでしょう。

部下からすると、「そうではないのに、、、」と感じる瞬間も少なからずあると思います。 部下の言い分にもしっかりと耳を傾ける意識を持ちましょう。


今回は、1人でも部下を持つようになったら知っておきたいダメな叱り方、良い叱り方を考察してきました。ぜひ参考にしてみてください。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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