ビジネスパーソンに必要な交渉力とは何か? 交渉時のポイントと交渉力を身に付けるために必要な取り組みをご紹介

ビジネスパーソンに必要な交渉力とは何か? 交渉時のポイントと交渉力を身に付けるために必要な取り組みをご紹介

ビジネスパーソンに必要な交渉力とは何か? 交渉時のポイントと交渉力を身に付けるために必要な取り組みをご紹介

交渉力は、ビジネスシーンにおいてとても必要なスキルです。交渉というと、営業しか使わないイメージでしょうが、実はそうではないのです。営業の仕事だけではなく、例えば取引業者やサプライヤーとの交渉、折衝、社内的な交渉ごとなど、実は仕事は交渉のオンパレードなのです。

そこで今回は交渉力とは何か?交渉時のポイントと交渉力を身に付けるために必要なことをご紹介していきたいと思います。

交渉力とは


交渉力とは、異なる利害や目的を持つ個人同士(または組織間)で、共通の合意点を見出し、互いに受け入れ可能な解決策を導き出す能力です。交渉力を要素分解すると下記のような内容になるでしょう。

1. コミュニケーション能力
明確で効果的なコミュニケーションは、交渉の基盤です。相手の立場を理解し、自身の要点を適切に伝える能力が必要です。

2. 聞き手としての技術
相手の言っていることを正確に理解し、その背景にあるニーズや関心を把握することが重要です。

3. 問題解決能力
異なる立場や要求を調整し、双方に受け入れられる解決策を提案する能力です。

4. 柔軟性
状況や相手の要求に応じて対応を変えることができる柔軟性も、交渉において重要です。

5. 準備と戦略の立案
交渉の成功は、しっかりとした準備と戦略に依存します。可能なシナリオを想定し、それぞれに対する対応策を準備することが求められます。

6. 倫理と信頼
公正かつ誠実な交渉を行うことで、長期的な関係を築き、信頼を獲得します。

交渉力は、ビジネスのみならず日常生活においても役立つ重要なスキルです。

交渉力を高めることのメリットは何?


交渉力を高めるとどんなメリットが存在するのでしょうか?交渉力を高めることで得られるメリットについていくつかご紹介したいと思います。

交渉力を高めることのメリット


1. 良好な合意の達成
– 効果的な交渉により、双方にとって満足のいく結果を導き出せるようになります。

2. 関係の強化
– 誠実で公平な交渉は、長期的なビジネス関係や信頼関係の構築に役立ちます。

3. 利益の最大化
– 交渉により、より良い条件や利益を獲得することが可能になります。

4. 衝突の解決
– 交渉力を用いて、潜在的な対立や誤解を解消し、平和的な解決を図ることができます。

5. 自信の向上
– 交渉の成功は、自信を高め、将来の交渉においてもポジティブな影響をもたらす。
交渉力はビジネスや日常生活で重要なスキルですが、その使用にはバランスと状況への適応が必要です。

交渉ごとにおいて重要なポイントのご紹介


交渉において特に重要なことは以下のポイントです。

1. 準備を行うこと
-市場調査を行う:競合他社の動向や業界の標準を理解するように努めましょう。
-自社のメリットと制約条件を把握する:自社の強み、弱点、交渉できる範囲を明確にしていきましょう。
-相手の背景をリサーチする:相手企業の歴史、文化、過去の交渉例を研究し、相手方の情報を収集しましょう。
-目標設定を行う:最適な結果と許容可能な下限を定めましょう。

情報は交渉における力の根源です。市場の状況、自社の強みと弱み、相手の背景を事前に把握することで、交渉中に優位に立つための戦略を立てることができます。

2. 明確な目標設定を行うこと
– SMARTの法則などのフレームワークを使用して目標を設定する:
具体的(Specific)、測定可能(Measurable)、達成可能(Achievable)、関連性(Relevant)、時間的枠組み(Time-bound)の原則に基づき目標設定を行いましょう。

目標が明確でないと、交渉で何を達成したいのか、どこで妥協すべきかがわからなくなってしまいます。目標設定を行うことで交渉の方向性を定めることができ、交渉で得たい成果基準を理解することができます。

3. 相手の理解と共感
– 相手のニーズの特定:相手の基本的なニーズやリクエストを理解しましょう。
– 共感の表現:相手の立場に立って考え、相手への共感をしっかり示しましょう。

交渉は双方向のプロセスです。相手のニーズや立場を理解し、共感を示すことで、信頼を築き、相手が受け入れ可能な提案を作成することができるのです。

4. 効果的なコミュニケーション
– アクティブリスニングを心掛ける:相手の言うことに耳を傾け、理解を示しましょう。
– 非言語的コミュニケーションにも気を付ける:身振り手振り、表情、目の接触などを意識しましょう。

明瞭、かつ、説得力のあるコミュニケーションは、自分の意図を正確に伝え、相手の反応を適切に解釈するためには必要です。アクティブリスニングは相手の言うことを理解し、適切にリアクションすることで相手からの信頼を得るのにつながります。

5. 柔軟性と創造性
– 代替案の検討:1つだけの案では交渉が決裂したときに困ってしまいます。複数の解決策を提案し、柔軟に対応しましょう。
– 創造的な問題解決:従来の枠を超えたアイデアを考えましょう。

固定観念にとらわれない柔軟な思考や発想が予期せぬ問題や難しい要求に対処する際にとても重要になってきます。創造的な問題解決は、双方にとって有益な新しい解決策を導くことができるのです。

6. 倫理と誠実さ
– 透明性:情報を隠さず、正直に交渉することを心掛けましょう。
– 倫理的行動:社会的な規範や法律を遵守しましょう。

透明性と倫理的な行動は、長期的なビジネス関係を築くために重要です。信頼を損なう行動は、短期的な利益よりも大きな損失をもたらすことがあるのです。

7. 感情のコントロール
– ストレスコントロール:交渉中の緊張をコントロールする方法を学びましょう。
– 冷静さをキープする:感情的にならず、理性的に行動しましょう。

感情が高ぶると、判断が曇り、非合理的な決定を下すリスクが高まってしまいます。 冷静さを保つことで、効果的な決定を下せるようになり、周りからの威厳を保つためにも必要です。

8. Win-Winの解決策を目指す
– 相互利益の追求を意識する:双方にとって有益な解決策を模索しましょう。
– 長期的な視点を持つこと:一時的な利益よりも持続可能な関係構築を優先しましょう。

Win-Winの解決策は、双方にとっての利益を最大化し、長期的な関係を維持するために重要です。一方的な利益追求は、将来のビジネス機会を損なう可能性があります。

9. 戦略的思考
– 計画的アプローチ:交渉の各段階において戦略的に行動しましょう。
– 予測と調整:予期せぬ状況にも対応できるよう、計画を柔軟に調整する。これらの要素を適切に実行することで、交渉はより効果的に、かつ円滑に進行しましょう。

計画的なアプローチと予測に基づいた計画の調整は、交渉の不確実性を上手にマネジメントし、理想的な成果に導くために必要不可欠です。戦略的思考は短期的な成功だけでなく、長期的な目標達成にも役に立ちます。

交渉力を身に付けるためのトレーニングとは?


交渉力を身に付けるために有効なトレーニング方法は以下のようなものがあります。

交渉の基本概念をまずは知ること


まず行わなければならないのは、交渉時の普遍的な原理原則を理解し、基本的な概念を身につけるということです。現実の複雑な交渉を深く理解できるようになり、目的達成のためのベストな答えを見つけることができるはずです。

ロジカルシンキング(論理的思考)を鍛える


交渉を円滑に進めるためには、複雑かつ不確実な内容を頭の中で情報整理し、シンプルにする論理的思考の活用が非常に大切です。交渉ごとだけではありませんが、他者(相手)が考えていることも情報整理しながら話をしていく必要があるため、ロジカルシンキングは身に付けておくべきでしょう。論理的思考は身に付けるのが難しい印象を持たれる方も多いですが、だれでも練習によって身につけられるスキルです。

交渉の具体的な手順を学ぶ


交渉を成功に導くには、事前に交渉の手順について入念に学んでおくことも大切です。研修やロールプレイング等を用いて、交渉の方法ややり方を習得し、実際の交渉の場でも落ち着いた状態で相手と接せられるようにしていくことが大切です。

交渉に必要なコミュケーションスキルを学ぶ


交渉シーンでは、交渉の場における信頼構築や、相手との駆け引き、心理戦、相手の考えや譲歩を引き出すなど、コミュニケーションの引き出しが重要です。交渉を効果的に進めるためにもコミュニケーションスキルは必要不可欠です。

ビジネスゲームを取り入れた交渉トレーニングを行う


もし、社内で交渉力向上の研修を行う際は、ビジネスゲームを取り入れた内容の研修がおすすめです。ビジネスゲームは、楽しみながら研修に取り組めるだけでなく、社員同士のコミュニケーションが活性化できます。ビジネスゲームで商談や交渉を通じた練習は記憶に残りやすく、研修の効果をさらに高められます。

これらのトレーニング方法を組み合わせることで、実践的な交渉力を効果的に身に付けることができます。


今回は、交渉力とは何か?交渉時のポイントと交渉力を身に付けるために必要なことをご紹介してまいりました。交渉がうまくいかない場合、社内の関係性だけでなく、取引先との無意味な対立を引き起こすことになりかねないですし、企業全体に大きな損失を与えるリスクもあるのです。

交渉は「自分には関係ないや」と思われる方も多いかもしれませんが、交渉力があるかないかで損失が出てしまう可能性があるのです。交渉力を鍛え、あらゆる場面で活用できるようにしてみてはいかがでしょうか。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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