オンライン研修はリアル研修(対面式研修)より効果的なのかどうか?

オンライン研修はリアル研修(対面式研修)より効果的なのかどうか?

オンライン研修はリアル研修(対面式研修)より効果的なのかどうか?

来週からの新卒研修をオンライン化して!
20卒の新卒研修はオンラインでやろう!

と、突然上司から伝えられ、半年以上かけて作成した新卒の研修計画が見直しになり、今までリアルで行っていた研修をたった数日で「オンライン化してほしい」という無茶苦茶なリクエストを乗り越えた教育担当の人事の方は多いのではないでしょうか?

このコラムでは改めて20卒の新卒研修のオンライン化やその他の階層へ向けたオンライン研修を踏まえて、オンライン研修はリアル研修より効果的なのかどうかという部分に触れていきたいと思います。

そもそもオンライン研修を実施するときにリアル研修のときよりも気を付けなければいけない点が2点あります。

それは、
①集中力の問題
②インタラクティブ(双方向)なコミュニケーションが取れるかどうかの問題

これら2点がリアル研修と違い、大きく変わってくると思います。

集中力の問題



まず“集中力に関する問題”です。
これに関しては研修を受ける年齢層によって変わってくるというのが結論です。

オンライン研修実施前に多くの人事の方が“集中力が続くか”という不安に悩まされていましたが、新卒に限っては研修実施後に人事の方の話を聞くと思っていた以上に集中していたと答える方が多かったです。集中力が続いた理由としては教育担当の人事の方が飽きないようなコンテンツ作りをしたのを前提に20卒を含めた2~3年目の社員に関しては学生時代にオンライン教育を既に受けていた、YouTubeやnetflixなどの動画配信コンテンツの普及などで長時間画面と向き合うことに慣れていたことなどが挙げられます。一方で、他の階層にオンライン研修を実施したところ、新卒や2~3年目の社員に比べて、集中力が続いていなかったという声も挙がっていて、やはり長時間画面と向き合うことに慣れているか?そうでないか?で、集中力が続くかどうかは変わってくると思います。

一旦、年齢の話は置いておいて
実際にオンライン研修実施時、集中力を保つ為にどういった工夫をしたのか実例を挙げてみます。 もっとも大切なことは休憩時間をリアルの研修に比べ、こまめに取るということだと思います。
リアルな研修の場合90~120分に1度休憩取っていたものを60分に1度と短いスパンで研修を進めるということです。更に時間が経つにつれてリアルと同じく集中力が下がってくる傾向にある為、決まった通りに休憩を取るのではなく受講生の様子を見ながら進める必要があります。

インタラクティブ(双方向)なコミュニケーションが取れるかどうかの問題



次に講師が一方的に話す研修ではなく受講生への問いかけや考えさせることができる研修設計をする必要があります。
最低でも講師と受講生が考える割合として5:5、欲を言えば3:7くらいでちょうど良いと思います。
その他ZOOMを使用したオンライン研修の場合は個人で考える時間を用いた後にブレイクアウトルーム機能を活用しグループワークで意見のシェア、そこからの解説といったフローを踏むことで一方的な研修ではなくより受講生に考えさせてインタラクティブさを研修で演出することができます。

ここまで集中力とインタラクティブなコミュニケーションの取り方に関して、お伝えしましたが、これらを考慮に入れればオンラインでも十分に研修が実施可能です。

オンライン研修でも実施できる内容はどういったもの?


では最後にどのような研修がオンラインで出来るのか、出来ないのか、向き不向きを述べていきたいと思います。

結論、9割方の研修をオンラインで実施ができると考えています。2020年4月頃は研修のオンライン化になかなか対応できなかった企業もありましたが現在では徐々に対応し始めています。その中でも会社のルールの説明や会社の歴史、創業への想いについての説明はオンラインでも全く問題がないことを分かりました。
その他、ビジネスマナー、学生から社会人への意識の切り替え、活躍する社会人になる為のマインドセット研修などについては講師の力量も必要だがオンラインで実施が可能となっています。

では、道具を用いたビジネスゲームのオンライン化や模造紙を使用する研修はどうやって実施すれば良いのでしょうか?
その疑問について解説したいと思います。まずビジネスゲームに関しては既にオンライン化が進んでおり手元に道具を準備してできる物から準備をせずともURLやQRコードを読み取るだけで実施が可能になるなどオンライン化がとても進んでいます。実際に私も体験しましたが、同期の絆醸成や会社とはどういったものなのか経営者の立場に立ってお金をやりくりするゲーム、PDCAの体感ワークなどといった様々なビジネスゲームがオンライン化をしています。
新卒ではなく、画面をずっと見ることが苦手な年齢が上の層に対しては、座学ではなく、実際に考えさせるビジネスゲームが最近では流行となっています。

次に模造紙を使用する研修はどうするべきか?これも手元に模造紙を用意するのではなくオンラインツールを代用し模造紙を準備できなくとも模造紙が手元にあるレベル感で研修を実施しています。

こういった形で9割方の研修をオンラインで実施することが可能だということが分かった一方で、実施出来ない研修も存在します。
例を挙げるとすれば、合宿型の身体を使った研修などが挙げられます。例えば、大縄跳びを使用したチームビルディングなどですね。
こちらに関してはコロナウイルスが終息するまでは実施が難しいと考えられます。

その他にもさまざま要素がありますが、以上の点から見ても、オンライン研修に関しては、研修内容・受講者によって、効果的な場合とそうでない場合が存在するのです。

それらを踏まえて、21卒以降の新卒研修は計画を立ててみると整理しやすくなるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

【執筆者情報】
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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