事務的作業を効率化するためにはRPAが効果的!?
RPAの3つのポイントをご紹介

事務的作業を効率化するためにはRPAが効果的!?<br>RPAの3つのポイントをご紹介

事務的作業を効率化するためにはRPAが効果的!?
RPAの3つのポイントをご紹介

RPA_ロボット

仕事をしていて、一番面倒くさかったり、時間がかかったりする作業が事務作業だと思います。

単純な入力作業や領収書ペタペタ貼る系作業など、
定期的にやらなければいけない作業も多いですよね。

この定期的にやらなければいけない作業のうち、
「誰かやってくれればなぁ」と思うことはありませんか?

そこで今回は、事務作業を効率化できるRPAについてご紹介したいと思います。

そもそもRPAとは


RPA(Robotic Process Automation)とは、パソコンのソフトウェア上で、「人の代わりに業務をこなしてくれる自動化ツール」のことです。別名「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」と呼ばれています。

自動化というと、AIをイメージされそうですが、RPAツールはAIのような自立した判断は行いません。その分、入力や転記など、「定期的に発生する」「反復性のある(処理パターンが決まっている)」「大量の業務」の自動処理に強みがあります。

RPAは、NTTグループのWinActorやFCEプロセス&テクノロジーのロボパットなど種類は豊富です。

RPAのツールの形態は、「サーバー型」と「デスクトップ型」の2つに分類されています。
「サーバー型」はサーバーに、RPAツールをインストールする方法です。 業務を横断的に管理して、作業を自動化することに長けており、大規模な組織の大量のデータを素早く処理することに適しています。その分、導入費用や初期設定にコストや時間がかかるのが難点と言えるでしょう。

「デスクトップ型」は、PCにソフトをインストールして、開発や実行をするため、担当者でシンプルに管理ができ、個別のパソコンで複数のシステムを連携させることが可能です。 導入コストも「1IDごとにいくら」などと、手頃な価格帯であることが多いため、小規模向きと言えるでしょう。デメリットとしては、導入や開発が簡単ですが、ロボットの管理が属人化してしまう分、管理者不在の「野良ロボット」と呼ばれる問題が起きやすいことが挙げられます。

RPAの歴史と活用シーン

RPAは、いつから存在しているのか?

私自身、このRPAを耳にし始めたのが、まだ社会保険労務士法人で勤めていた2018年ごろです。 ただそれよりも前の2015年ごろからRPAという言葉自体は、使われ始めているようです。

ただ、「RPA」という名前自体は使われていなくても、RPAの発想に近い機能や役割のツールは10年以上前から存在していたようです。例えばBizRobo!は2008年で、その歴史は意外に長いようです。

本格的に認知され始めたのがここ数年ということを考えると、まだまだ新しいRPAツールが今後も開発される分野と言え、発展途上、伸びしろが大きい分野でしょう。

活用シーン


RPAに記憶させた工程は、現場で簡易に変更・修正することが可能です。また、RPAを導入した後に作業内容が変更になったとしても、変更になった一部を修正することですぐに対応できます。

具体的なシーンとしては、毎日行っている定型業務などで利用されている事例があります。自動化したい業務の動作をRPAにレコーディングし、夜間に動作させておくことも可能です。

翌朝、社員が出社すると夜間にいつもの定型業務が完了しているため、社員は残業する必要がなくなります。

一方、RPAの処理にエラーはつきものです。画面上でおこなわれる操作を単に記録しているだけに過ぎず、想定外の画面が出てくるだけでロボットは処理できなくなります。

そのためRPAを使う際には、例えばこれまで5人がかりでおこなっていた業務であれば、ロボットだけに仕事を全て任せるのではなく、ロボット1体と人間1人で処理する体制へと移行する必要があります。

●決まった手順の定型業務
●繰り返しおこなうルーティン作業

などの自動化が得意で、主にPC上でおこなう事務作業の分野で導入が進んでいます。

RPAの活用例


・交通費精算、請求書データの入力、問い合わせ内容の転記
・ターゲットリスト作成、SFA入力、広告レポート作成
・顧客データ収集、在庫状況の確認、商品情報の更新
・新入社員・新規職者のアカウント登録
・伝票入力、支払対応の実行 など

RPA_ロボット

RPAのメリット/デメリット

RPAのメリットとは

単純な作業を自動化できるRPAですが、どのようなメリットがあるのでしょうか? RPAのメリットを挙げるとすると、以下のようなものが挙げられます。

①人件費を削減できる

RPAの最大のメリットは、人が行っていた作業を自動化することで人件費を削減できる点です。例えば複数人で行っていた作業は、1人に減らしても、対応ができるようになります。その分の人件費がかからなくなる訳です。 人件費と比較しても、RPAの導入や運用・保守にかかるコストの方が安く済むといわれています。

②ミスの防止につながる

RPAのロボットは、設定して決めた手順に従って、正確に作業を実行するため、人為的なミスを防止することができます。人が何かしらの業務をPCで行う場合は、打ち間違いや打ち漏れのミスが発生する可能性は、決して0ではない訳です。人間ですから仕方がありませんよね。 RPAを導入することで人為的なミスを防ぎ、業務品質の向上が期待できるのです。

③24時間稼働させられる

人間は24時間365日、働くことは物理的にできませんが、ロボットは24時間365日稼働することができます。よって、業務のスピードアップだけでなく、スケジュールの大幅な短縮が期待できるのです。

RPAによる業務が増えれば増えるほど、人が行う業務を削減し、残業時間の削減にもつながることが期待されます。

④単純作業が減少し、人がやるべき付加価値の高い業務に集中できる

業務の中には誰にでもできる単純作業と、頭を捻って付加価値を生み出す必要のある業務があります。単純作業をRPAに任せることで、人間にしかできない業務に集中して取り組めるようになります。   

RPAのデメリット

①業務が停止するリスクがある

RPAはITシステムであるため、システム障害やバグが発生すれば作業が止まる危険性があります。またサーバの能力を超えるような動作を実行した場合にサーバがダウンしてしまい、作業のデータを失う可能性もあるかもしれません。

②情報漏えいの可能性がある

ネットワークに繋がったサーバにインストールしたRPAであれば、不正アクセスされる可能性はゼロではありません。不正アクセスされることで情報漏えいが起きたり、サイバー攻撃によるロボットの乗っ取りが起こったりとリスクがあるため、情報セキュリティの対策を万全にする必要があります。

③業務がブラックボックス化してしまう

RPAは指示をしなくても自動で業務を行ってくれるため、担当者の移動や退職に際してもそのまま継続して稼働させてしまうケースが見受けられます。この場合適切な引継ぎを怠ると、作業内容や手順などがブラックボックス化する恐れがあります。

④間違った作業であっても続けてしまう

RPAのロボットは出された指示の内容を、そのまま正確に行います。もし仮に指示の内容が間違っていても、途中で止まることなく作業を続けてしまいます。

指示が不明確であれば、間違った処理を続けてしまうため、作業を指示する前にテストを行い問題ないか確認したり、定期的なメンテナンスで業務フローと処理内容に差異ができていないか確認したりすることが重要です。

RPAを使用した個人的な感想

「RPA、RPA、って言ってますけど、使ったことあるんですか?」と聞かれそうなので、お伝えすると、使ったことが実は、、、あるんです。

以前、務めていた会社は、社会保険労務士法人だったのですが、社会保険労務士なので、雇用保険や社会保険(健康保険、厚生年金)の手続きなどの事務作業は多いわけです。

お客様には人材派遣をされている会社もあり、そういった会社さんは月に100人、200人と大人数が入退職をしますので、かなり時間がかかるのです。

毎月のルーティンである手続き業務が多いのが社会保険労務士などの士業です。

入退職数が毎月の一定であれば、忙しさも読めますが、 いきなり件数が多くなる可能性もあるのです。

そんなときに大急ぎで、手続きを理解してくれているスタッフを採用できるかといったら、急にはやっぱり難しいのです。そんな人手不足な状況でも、役に立ってくれたのがRPAのロボットだったのです。

ロボパットと呼ばれるRPAを活用していましたが、プログラミングなどの高度な技術がなくても、画像をスクリーンショットで撮影しながら、手順を決めて動かすだけだったので、かなり初心者向けで簡単につくれるシステムでした。

RPAのツールは、種類によって使い勝手は変わってきますが、玄人向け、素人向け、それぞれの利便性がありますが、総じて言えることは、業務効率が上がる事実です。

スタッフが足りないときでも、早急にロボットを作ることで、業務が止まってしまうこともありませんし、夜間動きっぱなしで働いてくれるので、スタッフの残業が大幅に減ったのも事実です。

社内にどれだけのルーティン作業が存在しているのか、費用対効果は見合うのかによっても、導入までのハードルは違ってきますが、PC作業であれば、高確率でロボットを生成することは可能で、業務効率につながると思います。

RPA

RPAを社内に導入するための必要な3つのポイントをご紹介

①社員のRPAへの理解度を深める

まずはRPAに対する社内啓発活動を丁寧に行うことがとても大切だと言われています。そもそもRPAは世の中的に認知されていません。RPAとは何か?、そういったところからまずは認知させていく必要があります。

●「ロボットで業務を自動化し、業務の効率化ができる」

この言葉を聞いて、皆さんだったらどんなイメージをしますか?

・効率化できるなんてすごそう!
・ロボットって最新技術を使ってそう!使ってみたい

それとも、

・ロボットって、AIみたいなこと?
・ロボットって、自分じゃ作れない技術じゃない?
・プログラミングみたいに難しそう

ワクワク半分、ドキドキ半分ではないですが、
ロボット、RPAといった言葉に慣れていない方だと難しそうという言葉が先行してしまい、扱いづらいイメージが湧いてしまうのでしょう。

私たちも、前述のRPAを導入しようとした際に現場からは懸念や難色を示すメンバーはやはり多かったのです。

プログラミング不要の画像処理系のRPAであれば、 基本的なパソコン操作ができる人であれば、そこまで難しくなく、ロボットを作成することができます。

導入する上で、RPAのメリット、デメリット、そしてもたらされるベネフィット、使いやすさを知ってもらい、効果があるということを知ってもらうことが重要なのです。

②社員たちと活用シーンのアイデア出しを行う

RPAをいざ導入してみて、進まない。なんてことは、実はよくあることです。進まない理由は、いくつか考えられますが、進まない1つの理由として挙げられるのが、活用シーンのアイデアが意外と出てこないからです。

例えば、営業の方がロボットを作ろうとしたら、こんなことが思いつくと思います。 ダイレクトメッセージを行うためにExcelに営業リストを作成しておき、入手したメールアドレスへ自動的にメールを送信するロボットを作る。

こういったものはパッと思いつくのですが、それ以外がなかなか思いつかなったり、思いついても、やっぱり難しそうかなと、できない理由を挙げると無限に出てきそうなのがRPAです。

一人で活用シーンを考えても、出てくるアイデア数には限りが出てきます。

RPAを活用していく上で大切なのは、活用できるシーンやケースをたくさん思い浮かべられるかが肝になってきます。

RPAを導入される際は、導入研修を行い、活用シーンをブレーンストーミングで、たくさん出し合うことをオススメします。

そうすることで、個人で考えていたときはできないと思ったけれど、他人から助言してもらったことで、できる方法が見つけられようになるかもしれません。

できなさそうと思っていたことがグループワークを通じて、解消されていけば、一人ずつ、やれる意識が生まれ、行動につながっていくでしょう。

RPA

③1個目は強制的に作らせる

前述の2つを行っても、重い腰が上がらないのが人間です。

そこで1個目は強制的に作ってもらうと良いでしょう。
1個目なので、本当に簡単なもので良いと思います。

私たちがロボットを作ったときは、「デスクトップ上にあるごみ箱を空にしてみるロボットを作ってみよう」でした。

初めのロボットは、手順が3つ、4つなど簡単なものが良いでしょう。

例)
画像処理系のロボットであれば、
デスクトップ上のアプリのアイコンを探す→ダブルクリックして開く→ごみ箱を空にするを探し→ダブルクリック

のように単純なものが良いです。作ってみて、うまく進まなかった場合、どこがうまくいかなったのかをすぐに探すことができ、改善もしやすいです。

慣れてきたら、少しずつ手順を増やしていけば、複雑な作業もできるようになっていきますので、ちょっとずつ行動してみましょう。


今回は、RPAについてご紹介していきました。RPAは、人為的ミスを回避するためのダブルチェックやフォローなども減らすことができ、業務効率につなげることもできるのです。 さらにRPAを効率よく活用するために現在の作業内容やフローの見直しをすることで、業務における無駄や改善ポイントなどを引き出すきっかけになるかもしれません。

まだまだ伸びしろが多いRPAですが、働き方改革の時流で考えると、ドンドン新しいものが開発されてくると思います。 生産性を向上していきたいと考えている企業の方は、RPAというツールを1つの手段として、考えてみてはいかがでしょうか。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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