ここ数年、耳にするSDGsって何? なぜそれが盛り上がっているのかを初心者ながらに調査してみた件

ここ数年、耳にするSDGsって何? なぜそれが盛り上がっているのかを初心者ながらに調査してみた件

ここ数年、耳にするSDGsって何? なぜそれが盛り上がっているのかを初心者ながらに調査してみた件

SDGs

 

みなさんは、SDGsという言葉を知っていますか?
ここ数年、テレビなどのメディアでも多く取り上げられていますので、聞いたことはある。という方も多いのではないでしょうか?

私がSDGsという言葉を知ったのは、2018年の終わり頃でした。経営者団体に所属していることもあって、SDGsの重要性について講義を受けたときでした。

ここ1, 2年は特に採用関係をしている会社さんでは、SDGsの取り組みを全面に打ち出している会社さんも多くなってきています。

そもそもSDGsとは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称です。そもそもどう発音するかというと、SDGs(エス・ディー・ジーズ)です。時々エス・ディー・ジー・エスと読まれる方がいらっしゃるのですが、最後はGoals(ゴールズ)の略だそうです。

SDGsは2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標です。


ここでSDGsの中身を見ていきたいと思います。
SDGsは、17の大きな目標と、それらを達成するための具体的な169のターゲットで構成されています。

目標1
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる

目標2
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する

目標3
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する

目標4
すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する

目標5
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う

目標6
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する

目標7
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する

目標8
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

目標9
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る

目標10
各国内及び各国間の不平等を是正する

目標11
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

目標12
持続可能な生産消費形態を確保する

目標13
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる*

目標14
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する

目標15
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する

目標16
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する

目標17
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

参考出典:SDGs総研HP

17の目標は横の段ごとに大まかなテーマが分かれています。

まず一段目の6つのゴールは、最も初歩的な、基本的人権や生活水準に関連する内容ということができます。

SDGs

これらは主に発展途上地域の課題と考えがちですが、日本にも貧困やジェンダー不平等といった問題があり、先進国も含めてすべての国が当事者として取り組むべき目標であるといえます。

2段目のゴールは、経済的・社会的な豊かさに関する内容です。

SDGs

3段目は、2つの内容について記載されています。

SDGs

最初の3つは地球環境に対するさらに踏み込んだアクションを記しています。
最後の2つは、すべての目標を達成するために欠かせない「平和」と「パートナーシップ」を明文化しています。

SDGsに対して、違和感を感じている人も多い

SDGsに対して、違和感を感じている人も実は、多いようです。
その理由は、いくつか挙げられますが、いろいろ見てみた結果、大きくは3点に集約できそうです。

1つ目は、「お金が絡んでいるから」
2つ目は、「企業が流行りに乗っているように感じるから」
3つ目は、「内容の妥当性(ゴールのスケールが大き過ぎる&数値の妥当性に疑問が残る)」

というような声が多いようです。

素晴らしいことを言っているのに多額のお金が絡んでいるからキレイに聞こえない


SDGsを胡散臭い、信用できないと思ってしまう最大の理由は、大量のお金が動いているということではないでしょうか。テレビ、新聞、雑誌、WebメディアによるSDGsの取り上げや、国や自治体がSDGsを取り上げること、そして企業がSDGsに取り組むことに違和感を覚えてしまうのは、SDGsを理由に多額のお金が使われているからでしょう。

参考出典:のりログさん参照

ゴールのテーマが壮大すぎる&数値指標は本当に妥当か


SDGsには「すべて」「ゼロ」という言葉を使って掲げられた目標があります。 これらの「すべて」「ゼロ」という状況が実現できたら素晴らしいですが、現実的に実現が困難であると考えられます。このように実現不可能な目標を掲げてしまうことで、SDGsの目標は、理想を掲げただけで終わってしまうおそれがあります。

SDGsの各目標の中には、いくつかのターゲットがあります。ターゲットには具体的な数値指標が定められていますが、この数値が指標として妥当かが疑問視されています。 例えば、目標1では、ターゲット1.1に「2030年までに、現在1日$1.25未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」と定められています。ここでは、$1.25未満で暮らす人=極貧状況にある人としていますが、$1.26で暮らす人々は「極貧」に入らず、支援の対象から外れてしまうのではないか懸念されます。

参考出典:SDGsCONNECT 【完全網羅】SDGsの7つの問題点|現状の課題と解決策

私自身、初めて聞いたときは、なんか今までの取り組みと違うのかな?
地球温暖化による影響などの環境問題は日本でも言われてきているけど、なんでこんなに大々的に発信されるようになったのか? 企業でいうと、CSR(社会的責任)を守ることが課題ともされていますので、それと何が違うんだろう?と思ったのも、本音のところです。

SDGsが盛り上がりを見せている理由

ここ数年、なぜSDGsが大切だと声高に言われるようになったのかというと、大きく3つの理由があるとされています。

1つ目の理由は、世界各国でエネルギー不足や水不足、地球温暖化など、地球が抱える深刻な問題に対して危機意識が高まってきたから。
地球全体での危機感が高まってきている一方で、人が生活する社会においては、国際紛争の影響もあり、貧困や差別などの問題がまだまだ解決に至っていません。それにもかかわらず、世界人口は現在の77億人から2050年には97億人へと増えるとも予測されており、もしかすると、貧困層が増え、環境破壊が進み、足りない食料や資源を奪い合って争いが絶えなくなるという事態が起こるかもしれません。

今や、「このままではいけない」という意識が多くの人にはっきりと認識されてきて、声高に叫ばれるようになったとされています。

2つ目の理由が、2000年採択されたSDGsの前身、開発途上地域における目標設定「MDGs(ミレニアム開発目標)」の成功です。
MDGsは医療や教育など、達成できなかった目標もありましたが、感染症対策や極度の貧困・飢餓の減少においては一定の成果を上げました。そこで国連が、次なるアクションとして、先進国と発展途上国が足並みを揃えて、課題解決に取り組む枠組み「SDGs」を策定したそうです。

SDGsの17のゴール設定がわかりやすく、かつ、それを表現するカラーロゴのデザインが印象的で、SDGsの内容とともに効果的に世界に広まったことにより、SDGsの認知はより加速化されたと思われます。

3つ目の理由が、ビジネスチャンスとしての重要性が認知されたということです。
SDGsは、国際社会が合意した共通の目標・目的であると考えることができます。2015年の採択から今日まで、SDGsという名称とその内容が、徐々に広まってきているということは事実として、間違いありません。

企業は今、SDGsが目指す方向性を無視できない状況にあり、企業経営やマーケティングの要素として、SDGsの取り組みと事業の連動を目指すべきと力強く言われるようになってきました。

こうした状況から、SDGsへの取り組みを積極的にアピールする企業が増えていますし、投資家や消費者にもSDGsが認知されることにより相乗効果が生まれ、SDGsの目標達成するためにいっそう市場が拡大していくことが期待されているのです。

SDGsの企業ごとの取り組み事例のご紹介

採択から約6年で、多くの企業や自治体、NPO,NGO団体が取り組んでいるようです。
取り組み一覧は、下記のサイトが参考になります。

参考出典:JAPAN SDGs Action Platform 

ここでは、2団体の取り組みを参考までにご紹介していきます。

みんな電力株式会社(東京都世田谷区)

【取組内容】
●「顔の見える電力™」をコンセプトに 再生可能エネルギーを供給する小売り事業を2016年から実施。選んだ発電事業者に基本料金の一部をお届けすることができ、継続すると>特典が届く。
●ブロックチェーンを活用した 「電力トレーサビリティ」システムの商用化を世界で初めて実現し、「どの発電所からどれだけの電気を買ったのか」を見える化。
●2019年に、神奈川県横浜市の需要家と青森県横浜町の発電事業者を電気で結ぶ「横横プロジェクト」 を開始。エネルギーの大消費地である横浜市と再エネが豊富な横浜町との間で、賛同企業等と連携し つつ、電気を通じた地域循環共生圏を構築し、都市の脱炭素化の推進と地方の経済活性化を目指す。

参考出典:JAPAN SDGs Action Platform


特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス(京都府京都市)

【取組内容】
●アジア・アフリカでの支援と日本国内での啓発の両輪による包括的なアプローチにより、主に地雷、 小型武器、子ども兵等の紛争関連課題の根本解決を目指す。
●海外事業地では 元子ども兵の社会復帰支援や、性的暴力を含む紛争被害者の生計向上支援をひとり一 人の実態に合わせて実施。受益者の自立を目指し、彼らが主体的に取り組める仕組みを整え、また現 地スタッフにもオーナーシップを移譲していくなど、持続可能性を十分に考慮しながら、 現地の特性を活かし中長期的な視点で活動を行っている。
●日本国内でも市民、自治体、企業、国際機関等、 多様なステークホルダーと協働した啓発活動を実施。

参考出典:JAPAN SDGs Action Platform 


SDGsは、個人の取り組みだけでは解決できない世界的な問題を企業や自治体、国を超えて、取り組もうというものです。2030年まで、もう残り9年というところまで来ました。さらに、加速していくためには、どうすれば加速できるか?といった視点で考えてみると、やはり企業の関わり方が重要なのだと思います。

SDGsは利益の一部を寄付や社会貢献活動に使うだけのものではありません。本業の追求がSDGsの貢献につながるようなビジネスモデルの再構築こそが本丸です。そのためには、経営層をはじめ、あらゆる部門の理解と協力が必要です。

SDGsを組織に定着させるために、企業として定めた目標を部門や個人がどういった役割を果たし、目標を持つのか。生産性の目標や報酬への連動など組織のあらゆる目標に連動させてることでSDGsが定着していきます。


参考出典:SDGs総研HP

と、SDGs総研の記事にあるように、従来の事業、ビジネスモデルをいかにSDGsの達成につながるように連動させていく取り組みができるのか?が大切だと言われています。 もちろん、できるか?できないか?はありますし、既存の事業と、SDGsとを絶対的に関連付けしないとダメかというと、そういう訳ではないと思いますが、やれることを一歩ずつ、取り組んでみるということが大切なことではないでしょうか?


今回は、最近、話題のSDGsをご紹介していきました。このSDGsを調べてみて、賛否両論が本当にたくさんあることを知りました。

賛否両論ある中では、失敗すると、否定、批判されやすい世の中になってきてしまっていますが、 「やってみたけど、うまくいきませんでしたー。」、「でも、問題ないよ、次に活かしていこう」という精神で、自分たちができることころを見直してみるキッカケにしてみてはどうでしょうか?

批評家には誰でもなれますが、実践家になるには、一歩踏み出してみるということが大切です。 SDGsについて、考えてみる、調べてみるだけでも、まずは良いと思いますので、ぜひ考えてみてください。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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