営業やプレゼンで使えるストーリーテリングのご紹介

営業やプレゼンで使えるストーリーテリングのご紹介

営業やプレゼンで使えるストーリーテリングのご紹介

営業時やプレゼン時に使えるフレームワークで有名なものとして、PREP法やIREP法、SDS法といったものがありますが、今回は相手の心に届き、記憶されやすいストーリーテリングという手法をご紹介していきたいと思います。

ストーリーテリングとは


ストーリーテリングとは、物語やストーリーを通じて情報やメッセージを伝える方法です。 人々は昔から物語に魅了され、情報を受け取るだけでなく、共感し、感情を共有するということをしています。

例えば、古代ギリシアの神々の物語であるギリシア神話しかり、シェイクスピアのロミオとジュリエットしかり、物語で紡いで来られたものが人を魅力しています。

営業においても、ストーリーテリングは重要な手法として活用されています。

ストーリーテリングは、商品やサービスを販売する際に顧客の興味を引きつけ、関心を喚起し、購買意欲を高めるために使用されます。ストーリーは人々にとって親しみやすく、記憶に残りやすい形式で情報を伝えることができます。

ストーリーテリングにはさまざまなフレームワークや手法が存在しますが、以下に代表的なストーリーテリングのフレームワークを紹介します。

ヒーローズ・ジャーニー(Hero’s Journey)


ヒーローズ・ジャーニーは、ジョセフ・キャンベルの著書「千の顔を持つ英雄」から派生したフレームワークです。このフレームワークでは、主人公(ヒーロー)が物語の中で困難に立ち向かい、成長し、最終的な目標を達成する過程を描きます。このフレームワークは、主人公の変化や挑戦、勝利などの要素を含んでおり、営業ストーリーテリングにおいては商品やサービスを主人公とし、顧客の問題解決や目標達成の道のりを物語に組み込むことができます。

問題-解決-結果(Problem-Solution-Result)


このフレームワークは、営業ストーリーテリングに特に適した手法です。まず、顧客の問題や課題を明確に提示し、次に提案や商品、サービスを使った解決策を示し、最後にその解決策がもたらす具体的な結果やメリットを強調します。このフレームワークはシンプルでわかりやすく、顧客の関心を引きつけるのに効果的です。

今回はストーリテリングの中でも面白いヒーローズジャーニーに関する代表的なストーリー構成の流れについて、ご紹介します。

呼びかけ(Call to Adventure)


主人公が普通の生活を送っているとき、何かが彼らの関心を引きます。例えば、魔法使いが現れて主人公に特別な使命を託す、または突然の事件が発生して主人公を巻き込みます。

拒絶(Refusal of the Call)


主人公は最初は使命や冒険に応じることに抵抗します。彼らは不安や恐れを感じ、自分に自信が持てないかもしれません。主人公は自分の力や価値に疑問を抱くことがあります。

導師の出現(Meeting the Mentor)


主人公は導師や教え手と出会います。導師は主人公に知識や力を与え、彼らを支援します。導師は主人公の成長と冒険への準備を手助けします。

初めての試練(First Trial)


主人公は最初の試練に直面します。彼らは困難な状況や敵と対峙し、自身の能力や意志を試されます。この試練を通じて主人公は成長し、新たな力や洞察を得ることがあります。

味方の獲得(Gathering Allies)


主人公は仲間や助け手と出会い、協力関係を築きます。これらの味方は主人公を支え、共に冒険に臨みます。彼らは主人公の弱点を補い、共通の目標に向かって行動します。

黒幕との対決(Confrontation with the Villain)


主人公は最終的な敵や困難と直面します。これは物語のクライマックスであり、主人公の成長や力の最終的な試練です。主人公は困難を乗り越え、敵との戦いに挑みます。

帰還(Return)


主人公は冒険から戻り、自分の世界に戻ってきます。彼らは冒険を通じて得た経験や洞察を持ち帰り、自身や周囲の人々に影響を与えます。主人公は変わり、成長

代表的なヒーローズジャーニーの実例をいくつかご紹介します。

ヒーローズジャーニーの実例

映画『スター・ウォーズ』(Star Wars)

呼びかけ:農夫のルーク・スカイウォーカーが、伝説のジェダイ騎士の存在を知ります。
拒絶:ルークは、初めは自分に自信が持てず、騎士の使命に応じることに抵抗します。
導師の出現:ジェダイのオビ=ワン・ケノービやヨーダから騎士の道を学びます。
初めての試練:ルークは帝国の悪名高いダース・ヴェイダーとの戦いに直面し、自身の能力を試されます。
味方の獲得:ルークはハン・ソロやレイア姫などの仲間と共に戦い、協力関係を築きます。
黒幕との対決:ルークは最終的にダース・ヴェイダーとの対決に臨みます。
帰還:ルークは戦いから帰還し、ジェダイの勇者となり、自身の運命を変えます。

映画『ハリー・ポッター』シリーズ(Harry Potter)

呼びかけ:孤独な少年ハリー・ポッターが、魔法の学校ホグワーツへの招待状を受け取ります。
拒絶:ハリーは、最初は自分が魔法使いであることを受け入れず、拒絶します。
導師の出現:ハリーは校長のダンブルドアや教師のハグリッドから魔法の世界の秘密を教えられます。
初めての試練:ハリーは魔法の授業やクィディッチの試合などの試練を経験し、自身の能力を発揮します。
味方の獲得:ハリーはロンやハーマイオニーなどの仲間と共に冒険し、絆を深めます。
黒幕との対決:ハリーは闇の魔法使いヴォルデモートとの対決に臨みます。
帰還:ハリーは戦いから生き残り、自身の運命を受け入れ、魔法界を守る使命を果たします。

ハリウッドの映画のアベンジャーズシリーズやスターウォーズシリーズなど、大ヒット映画はこのヒーローズジャーニーの展開で構成が考えられていることが多いと言われているほどです。

営業やプレゼンだけでなく、他にも新卒採用といった場面でも、ヒーローズジャーニーは使えると思います。

呼びかけ:


新卒の皆さんへ、私たちの会社への参加に興味を持っていただき、ありがとうございます。私たちは一緒に未知の世界に飛び込み、成長し、夢を実現する冒険を始める仲間を求めています。

拒絶:


新たな環境や職場での経験に不安を感じることは自然です。しかし、私たちはあなたの可能性と才能を信じています。自分の成長を追求し、新たなチャレンジに立ち向かう勇気を持ってください。

導師の出現:


私たちは経験豊富なメンターたちがあなたをサポートします。専門知識やリーダーシップのノウハウを共有し、あなたのキャリアの成長を手助けします。私たちはあなたの成功に全力で取り組みます。

初めての試練:


入社後、新しい業務やプロジェクトに挑戦することになるでしょう。困難な状況や課題に直面しながらも、私たちのチームは常に支え合い、協力して解決策を見つけ出します。成長の機会として、新たなスキルや洞察を獲得しましょう。

味方の獲得:


私たちの会社では、多様なバックグラウンドや専門知識を持つ仲間たちと共に働くことができます。協力し、助け合いながら、チームの一員として共に成長していきましょう。絆を築き、お互いに刺激しながら最高のパフォーマンスを発揮しましょう。

黒幕との対決:


私たちは変化の時代に立ち向かう勇気を持っています。競争の激しいビジネス環境で、一緒に挑戦し、私たちのビジョンを実現しましょう。困難な局面や逆境に直面しながらも、私たちは常に前進し、目標に向かって努力し続けます。

帰還:


私たちの会社は成長を応援し、キャリアの発展の機会を提供します。あなたが成し遂げた成果を誇りに思い、将来のリーダーとして活躍することを期待しています。一緒に未来を築きましょう。

このような感じでしょうか?
ヒーローズジャーニーの要素を取り入れた新卒採用の文章を意識すると興味付けしやすくなると思います。

またストーリーテリングを使った時の効果は下記のようなものと言われています。

ストーリーテリングの効果

注意を引きつけられる


ストーリーテリングは、人々の注意を引きつける力が非常に強いです。物語は情報をパッケージ化し、興味を引く要素を組み込むことができます。人々は物語に引き込まれ、聞く/読むことに集中しやすくなります。

記憶に残りやすい


ストーリーテリングは、情報を記憶に残りやすくする効果があります。脳は物語を処理するための特別な回路を持っており、情報をより深く理解し、長期的な記憶に結びつけることができます。

感情に訴えられる


ストーリーテリングは感情に訴える力があります。人々は論理的な情報よりも感情的な要素に強く反応します。ストーリーテリングは共感を生み出し、感情的なつながりを築くことができます。

複雑なアイデアを伝える力


ストーリーテリングは、複雑なアイデアやコンセプトをわかりやすく伝える力があります。抽象的な概念を具体的なイメージやエピソードに結び付けることで、理解しやすくなります。

信頼や共感を築く力


ストーリーテリングは、共感や信頼を築くための効果的な手段です。物語は人々の背景や経験に響く要素を含めることができ、顧客とのつながりを深めることができます。

ストーリテリングはこういった効果が得られるのです。
ストーリーテリングは、営業やプレゼンテーションにおいて非常に有効なツールとなるでしょう。

ぜひストーリテリングを意識して相手に伝わる、興味を持ってもらえる構成を考えてみてください。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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