業務改善のフレームワークがタイムマネジメントに繋がる! ECRSのご紹介

業務改善のフレームワークがタイムマネジメントに繋がる! ECRSのご紹介

業務改善のフレームワークがタイムマネジメントに繋がる! ECRSのご紹介

以前、別のコラムで、タイムマネジメントに役立つフレームワークをご紹介しましたが、今回もECRSというフレームワークをご紹介したいと思います。

仕事の効率化が求められる中、業務改善に役立つフレームワークがECRS(イクルスと読まれることも)というもので、タイムマネジメント、つまり時間の効率化にも役に立つと考えられています。

さて、ECRSとはどういったものなのでしょうか?

ECRSとは

ECRSとは、

Eliminate(排除:取り除く)
・Combine(結合:つなげる)
・Rearrange(変換:組み替える)
・Simplify(簡素化:単純にする)

の英単語の頭文字を並べたものです。

元々は、製造業における的確な課題抽出と効果的な業務改善の手法として考えられたものです。それが波及していき、製造業のような業種、職種に限らず、営業やサービス業など、さまざまな業務の改善に用いられるようになりました。

ECRSは、それぞれ以下のような考え方です。

排除(Eliminate)

 
 業務をなくすことができないか?

結合(Combine)


 業務を1つにまとめられないか?

変換(Rearrange)


 業務の順序や場所などを入れ替えることで、効率が向上しないか?

簡素化(Simplify)


 業務をより単純にできないか?

改善の対象によって状況は異なります。Combineは、結合だけでなく分離、Rearrangeは、組み換えるだけでなく代替案を検討することも必要となる場合があります。

一般に、ECRSによって得られる改善の効果は、排除(Eliminate)が最も大きく、次いで結合(Combine)、変換(Rearrange)、簡素化(Simplify)の順に小さくなるといわれています。そのため、E→C→R→Sの順に改善内容を検討・実施することで、適切な優先順位で業務改善を実践することができるとされています。

排除(Eliminate)


排除は、業務をなくすことができないか?の視点ですので、排除しても問題のない業務を検討していくものです。 ムダな業務を排除することで、工数(コスト)そのものを削減することができるため、4つの中で効果が大きく出やすいとされています。

例えば、このようなイメージで、止められるもの、削除できるものを考えていきます。
・そもそも、営業手法を飛び込み訪問というのをやめられないか?
・やめることのできる雑務はないか?
・ミーティングを1週間に1回行うのはやめて、2週間に伸ばせられないのか?

結合(Combine)

結合は、異なる手順や違う作業を同時並行・同時処理できないか?というようなイメージのものです。似たような作業や同様の設備・資源を活用して行うような工程をひとまとめにすることで、必要となる設備や資源、人材などを有効活用することができる可能性があります。 場合によっては、分離したほうが効率の良い業務もあるため、柔軟な考え方で取り組むことが重要です。

例えば、このようなイメージで、組み合わせられるものはないかを考えていきます。
・訪問先をエリアごとにまとめ、移動時間を合わせて効率化できないか?
・訪問ではなく、合わせて営業する『説明会』に、やり方を変えられないか?
・アポ取り電話を、移動中(と合わせて) に携帯電話でおこなえないか?

変換(Rearrange)


排除や結合や分割が完了した業務や作業に関して、「見直しできることはないか?」「作り変えることができることはないか?」といったような考え方です。業務の処理順序を変更したり、人員の最適配置を考えたり、全体を俯瞰してより効果的な仕組みを考え出すことが必要になります。

例えば、このようなイメージで、変換、変更できないかを考えていきます。
・訪問ではなく、電話説明や資料送付に変えられないか?
・訪問ではなく、合わせて営業する『説明会』に、やり方を変えられないか?
・営業資料を毎回新規作成していたが、過去のものを活用する方法にやり方を変えて、時間を減らせないか?

簡素化(Simplify)


「複雑な工程や業務をもっとシンプルにできないか?」という考え方で、改善活動の最後に理想の業務や行程の形を検討する方法です。一見排除の概念と少し似ていますが、「簡素化・単純化」の行程は、「排除」の改善行程では廃止されなかった業務や行程を最適な状態にする「仕上げ」のような改善活動であると言えます。

例えば、このようなイメージで、簡素化できるものはないかを考えていきます。
・1件あたりの訪問時間を、1時間から30分に減らせないか?
・そもそもの訪問目標を、40件に減らせないか?
・提案サービス数を減らせないか?
・営業資料を毎回新規作成していたが、過去のものを活用する方法にやり方を変えて、時間を減らせないか?

タイムマネジメントの観点で、ECRSはどんなときに活用するべきか?


ECRSは、ぜひタイムマネジメントの精度を高めるための改善(PDCA)時に活用することをオススメします。

タイムマネジメントがなかなか上達しない原因の1つが「振り返りをしていないから」という点です。

なかなか仕事が捗らないなぁと思ったときや予定通りに事が進まないなぁというときはもちろんのことですが、定期的に自分のタイムマネジメントがうまくいったのか、うまくいかなかったのかを内省していく必要があります。

うまくいったところは、そのまま継続するのか、さらにECRSの視点で変えられるものやなくせるものはないか?などを考えていきましょう。

うまくいかなかったところは、何が原因でうまくいなかったのかを考え、ECRSの視点で変えられるものやなくせるものはないか?などを考えていきましょう。

振り返ってみることで、この業務はやらなくても良いんじゃないか?この手順はなくせるんじゃないか?と、取り除いても問題がない業務や組み合わせても問題ない業務が見えてくると思います。

定期的に自分のタスクの進捗度合を確認し、うまくいっていない原因を分析した上で、改善につなげていきましょう。


今回は、タイムマネジメントに役立つ「ECRS」についてご紹介してまいりました。 振り返ってみることで、無くせるものや減らせることが、いくつか出てくると思います。 時間を有効活用するためにも、このECRSをぜひ意識してみてください。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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