上司が仕事の振り方、任せ方で気を付けるべき7つのポイント

上司が仕事の振り方、任せ方で気を付けるべき7つのポイント

上司が仕事の振り方、任せ方で気を付けるべき7つのポイント

仕事の振り方、任せ方


部下のときの立場と上司になってからの立場で大きく変わるのが、仕事を振られる、任せられる立場から仕事を振る、任せる立場に変わるということです。

しかし、いざ上司の立場になってみると、仕事の振り方や任せ方を教わる機会が少なく、どうやって仕事を振っていけばいいのか、と迷われる方も多いのではないでしょうか?

私自身、入社4年が経ち、マネージャーとして、事業をマネジメントする立場になったときは、 どうやって部下指導すれば良いのかな?どうやって指示出しをしていこうか?と悩んだこともあります。

そこで、今回は1人でも部下ができた方やこれから役付けし、上司になっていく方々向けに 仕事の振り方、任せ方のポイントをご紹介していきたいと思います。

仕事の振り方、任せ方の7つのポイント

①専門用語や社内用語はあらかじめ教えてから伝える


業界、業種によって、専門的な言葉や社内でしか使われていない言葉は意外に存在するものです。私も、入社したての頃、上司から「プロパー」という言葉を聞いて、「プロパー?、プロパンガスみたいなものかな・・・?」と勘違いしたことがあります。
※プロパー=プロパーとは、主にその企業が直接採用した社員や、新卒でその企業に入社した社員、生え抜きの社員などのことを指す。(企業によって様々な定義があります)

IT業やコンサルティング業界でいうと、英語やカタカナ用語がたくさん出てきて、分からない人もいらっしゃると思いますが、新人の場合は特に専門用語や社内用語がまだまだ勉強不足なところもあります。

「そんなの自分で調べろよ。」

と思われる方も多いかもしれません。5年ぐらい前に「ググれカス」というワードも流行りましたが、検索や調査しようにも、その言葉の存在自体を知らない人だと答えにたどり着かない可能性があります。新人には、その用語の意味を伝えてから、指示出しや任せた方が効率は良いと思います。 ただし、自分で調べる癖や習慣がないのも成長スピードを妨げてしまいますので、時間に余裕があるときは、自分で調べさせる癖付けをさせてみてください。

②仕事を振るときは、ゴールを具体的に伝える


仕事を振るときは、相手にゴールを具体的に伝えるようにしましょう。 仕事が完了した後のゴール(目標や成果物)を伝えないと、部下がイメージしきれず、上司の考えとは違った方向性で仕事を進めてしまう可能性があります。

部下に誤った方向で仕事を進められて、手戻りがあるから、結局、「仕事を振るよりも自分がやった方が早いやん・・・」という気持ちになってしまうのです。

仕事を振るときは、部下がゴールをイメージできるように伝えましょう。

仕事を振るときはゴールイメージが沸くようにしましょう
 例:「お客様が資料を見て、○○を判断できるように」
 例:「会議で参加者に伝えたいメッセージである○○が伝わるように」
 例:「この資料を見た人に不明点が出ないように」

③部下には、その指示の目的や意義を伝える


部下に指示を出して、実行してもらうときは、その作業の目的や意義をきちんと伝えましょう。

一般的に仕事を進める上では、5W3H(What=何を、When=いつまでに、Who=誰が、Where=どこで、Why=なぜ、How=どのように、How much=いくら(値段)、How many=数量)で、具体的に指示を出すことが重要ですが、このとき「Why=なぜ」の目的をしっかりと伝えてあげることが大切なのです。

例えば、「今週末までに社内会議の資料のデータを確認しておいて」と指示を出すとして、業務経験が豊富な人であれば、何をするべきか、何のために行うのかがすぐにわかり、即行できるかもしれませんが、新人であれば、「社内会議の資料の確認だから数字だけ合っているかどうか確認しておけば良いか・・・」とだけ思ってしまうかもしれません。

そこで、「資料のデータを確認してもらう目的として、●●さんには、売上構成や新規取引数など営業に関する数字の見方をいち早く覚えてもらって、活躍してもらいたいんだよね。」

目的意識を持たせて、何のためにその仕事をやるのかを理解させられれば、率先してこなしてくれるように動機付けができるはずです。

④仕事を振る作業を細かくタスクに分解して、どこを任せるのかを伝える


上司の仕事の一部をお願いしたいときは、タスク全体のうちの任せたい作業を細かく分解してあげて、どこを任せたいのかを伝えましょう。

みなさんが上司だとして、仮に部下にお客様向けの資料の一部を作成してほしいと思ったとしましょう。みなさんだったら、どんな風にお願いしますか?

例)A社様向けの提案書の作成の一部をお願いしたいと考えているとしましょう。

タスク全体像
 ・目次のページ
 ・課題の整理(原因と打ち手)のページ
 ・解決策の提示のページ
 ・解決策が効果的な理由のページ
 ・客観的なエビデンス(証拠)<公的情報や他社の実績>のページ ←ここをお願いしたい
 ・費用のページ

上記のうち、客観的なエビデンスの資料のページについて、作成をお願いしたいときに資料作成のタスク全体像を見せた上で、どこの部分の資料なのか、前後のつながりは何を意識してほしいのか?そういった点を明示して、お願いした方が部下も仕事を進めやすいでしょう。

⑤仕事を振るときは、手段や方法、そしてボリュームを明確に伝える


仕事を振るときは、明確に手段や方法、そしてボリュームを明確に伝えるようにしましょう。 私自身、新人の頃にアンケートのフォーマットの作成依頼の業務を振られたときに「アンケートは、Wordでも良いのか?Excelでも良いのか?、PowerPointで良いのか?」と、何で作るべきなのかなど迷った経験があります。使うソフトが明確に決まっているのであれば、その方法を指示しましょう。

手段や方法
例:「Word / Excel / PowerPointで!/特に指定はないよ」
例:「メールで伝えて」
例:「電話で伝えて」

ボリューム
例:「A4用紙5枚前後で」
例:「10分以内で読んでもらえるよう文量に」
例:「5分前後のプレゼンテーションで」

⑥仕事を振るときは、工数目安と締め切りを具体的に伝える


仕事を振るときは、その作業にどれぐらい時間がかかるのかという工数の目安といつまでにやってほしいのかの締め切りを必ず伝えましょう。

どれぐらいの時間がかかるのかの工数を伝えることで、相手からのリアクション(反応)を窺うことができます。それによって、現在の仕事の業務量の負担を確認することもできます。

●工数目安
全体にかける時間
 例:「2時間くらいで」
 例:「10時間くらいで」

スケジュール
 例:「1時間で資料を集めて、30分で考えて、5時間で作って、チェックの後、修正1時間くらいのイメージで」

人数
 例:「○○さんと2人で」

●締め切り
トラブルなどがあっても挽回できるくらいの余裕をもって
 例:「来週の木曜の15時までに」
中間締め切り(=中間チェック)なども設けておく
 例:「来週の月曜の16時に一旦進捗チェックの打ち合わせしようか」

⑦同じ仕事でも、相手によって振り方を変える


同じ仕事でも相手によって仕事の振り方を変えた方が良いでしょう。その理由は単純で、 人は、十人十色で様々です。人それぞれ性格や価値観(感じ方・受け取り方)が違うので、 その人にあった振り方をするべきなのです。また経験の有無や能力の差によって、同じような性格の人でも変えるべきでしょう。

●相手のステージ(役職、社歴)や性格(人柄)を考慮する
相手によって情報量や伝え方を変える
情報量
 例:最低限の情報だけ伝えて後は本人に任せれば良いタイプ
 例:細かく指示を出す(確認をする)

伝達方法
 例:口頭のみで言えばOK
 例:口頭+その場で、手書きで図式化してあげる
 例:メールで共有

●相手の反応を確認する
相手の反応によって振る側からも確認をする
 例:「何かわからないこととか無い?」「クリアじゃないことは無い?」
 例:タスクの実行スケジュールを尋ねてみる
 例:ポイント等を復唱してもらっていい?
 例:注意する点は、○○だけど、大丈夫?


今回は、上司が仕事の振り方、任せ方で気を付けるべき7つのポイントをご紹介していきました。
「なんとなく、仕事を振ってみて、試してみよう」や「わからないけど、全任せしてみるか」で、 仕事を振っては、部下もかわいそうですし、上司も結局、成果が出ないので、振るのが嫌になってくるはずです。

今回、ご紹介した7つのポイントは、当たり前のことかもしれませんが、改めて、仕事の振り方、任せ方のポイントを振り返り、みなさんなりのルールを決めて、マネジメントしていきましょう。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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