ゴールデンウィークも明け、新入社員がそろそろ現場配属になり始め、 「新入社員に教え始めたよ」という方も多くいらっしゃる頃だと思います。
私は、新入社員を見かけると、パッと見でわかる挨拶や姿勢、身だしなみ、声の大きさ、そんなところが気になったりします。 みなさんも、新入社員を見かけると気になる点があるのではないでしょうか?
逆に、新入社員の頃は、身だしなみについても、何をどこまで気をつけるべきか?がわからなかったり、指摘されても納得できなかったり、私自身、そう感じることもありました。
私が受けた指摘で例を挙げると、新人の頃にワイシャツで先輩社員から指摘を受けました。淡色の水色系のストライプが入ったワイシャツを着ていたと思います。 そのときに「新卒から3年目は、白のストライプなしのワイシャツを着た方が良いよ」ということでした。
なんでだろう?と思っていたら、新人がおしゃれ感を出すのはあまり好まれないからだそうです。
私の場合は、業界が業界ですし、対法人営業をしていたので、そういう視点もあるのだなと思い、納得しました。
よくあるマナーの本や記事を見ると、こんなことが書かれています。
一部抜粋
もちろん、企業や会社によっては、最初からYシャツのストライプはOKなところもあるようです。会社の雰囲気を見て新入社員でもストライプが問題なさそうなら、ストライプのYシャツは良いでしょう。
補足がされていますが、新人のワイシャツでは、ストライプは好まれないから無難!といった、どこまで守るべきか、そこまで必要なのかが曖昧な部分があると思います。
今回は、身だしなみにおける疑問点と線引きラインについて考えたいと思います。
身だしなみのチェックリストをまずはご紹介
男性編
上記が男性のスーツスタイルの身だしなみのチェックリストになります。
女性編
上記が女性のスーツスタイルの身だしなみのチェックリストになります。
さて、上記のイラストで、男性、女性の身だしなみの一般的なチェックリストを見てきました。
男性の身だしなみの補足ポイント
スーツは、できれば冬と夏でそれぞれ3着ぐらいあると、着回しが利きますし、くたびれません。
スーツの着こなしポイント
①ジャケットの1番下のボタンは外す
→ 1番下のボタンを外すのは、座ったとき、シワにならないようにするためです。それ以外のジャケットのボタンしっかり止めましょう
②ネクタイはしっかり閉める
→娘は、ワイシャツの第一ボタンの上に来るようにします結び目が緩んでいたり、曲がっていたりすると、だらしなく見えます。往復だけ
③姿勢よく着こなす
→せっかく服装に気を配っても、姿勢が悪いと暗い印象になります。背筋を伸ばした姿勢を意識してスーツを着こなしましょう。
④体型に合ったスーツを選ぶ
→ジャケットがダブダブ、ズボンの丈が短い間とは長いと、だらしない印象を与えますスーツは、体のサイズに合ったものを選びましょう。
⑤白無地の下着を着用
→ワイシャツの下に色や柄が透けて見えるTシャツやランニングシャツを着るのはNG。下着が透けにくい白無地を着用しましょう。
⑥靴の手入れは欠かさずに
→靴が汚れている、表面に色がはげているとマイナスイメージになります。靴は毎日、もしくは週2回はブラシで汚れを落としておきましょう。靴は3足ぐらいを使いまわすと良いでしょう。
ひげ・眉などの身だしなみポイント
①ひげがOKな職場でも整える
ひげがOKな職種や職場でも、不精ひげや不潔感のあるひげはNGです。ハサミで整えるなど、ひげのケアはしっかり行いましょう。
②眉も生やしたままではなく、整える
眉毛も、ボウボウと生えていると、不格好です。専用のはさみや毛抜きで整えましょう。
女性の身だしなみの補足ポイント
スーツの着こなしポイント
①ジャストサイズのスーツを選ぶ
→小さすぎるサイズは動きにくくなるので、ビジネスは不向きです。ジャストサイズのスーツを身に付けるべきです。
②襟付のジャケットでフォーマルな印象に
→取引先の人と会うときは、ノーカラーよりも襟付きのジャケットの方がフォーマルできちんとした印象を与えます。
③ジャケットのボタンは全て留める
→女性のスーツのジャケットボタンは、すべて留めるのがマナーで、シルエットも美しく見えます。
ボタンが開いていると、だらしない印象を相手に与えかねません。
④姿勢よく着こなす
→男性の場合でも、一緒ですが、ビジネススーツを着こなしても、猫背など姿勢が悪いと暗い印象になりますので、
背筋を伸ばして、明るい印象になります。
ヘアスタイル・メイクなどの身だしなみポイント
①ヘアスタイルの注意点
髪が長い場合、下を向いて作業する時や挨拶する時、髪が顔にかからないよう、ヘアゴムやピンでまとめて、顔が見えるように意識しましょう。
②メイク
まつ毛エクステやカラーコンタクトはしない方が無難です。OKな場合でも、極力、自然なデザイン、カラーがオススメです。
男女限らず、ここ最近は、オフィスカジュアルでOKにしているような企業も増えてきました。
自由な服装の職場でも、周囲のメンバーやお客様を不快にさせない、清潔感のある服装を心掛けた方が良いでしょう。
身だしなみのチェック項目の疑問点を挙げてみた
マナー本やマナーの記事を読みながら、感じた疑問点はこのような内容です。
※男性、女性に共通した疑問点です。
● スーツスタイルの場合、キャラクター柄のネクタイは避ける
● スーツスタイルの場合の靴下:スニーカーソックス(くるぶし)やスポーツソックスなどはカジュアルなどの避ける
● 男性の長髪はNG
● ひげのそり残しがないようにきれいに剃る
● 指先がささくれ立っているときは、ハンドクリームでケアする
● 女性のアクセサリーとして、大ぶりのピアスはNG
● ラインストーンなどのキラキラがついたジェルネイルなどは控える
各項目の線引きラインはどこだろうか?
①スーツスタイルの場合のワイシャツで、ボタンダウンは、カジュアルシャツなど避ける
→スーツスタイルの場合のワイシャツは、レギュラーカラーが一般的とされており、ボタンダウンはカジュアルシャツなど避けた方が良いとされていますが、今はどうなのでしょうか?
今では、スーツスタイルの場合でもボタンダウンを来ている方が増えてきているので、不快に感じる人は少なくなってきているかと思います。 (※ボタンダウンシャツはもともとスポーツ(ポロ競技)の最中に、襟がはためいて邪魔にならないよう、襟をボタン付けするようになったことから生まれたもので、起源としてはスポーツウエアになります。)
クールビズで、ネクタイをしない場合は、レギュラーカラーでびよーんとなっている感覚よりもボタンダウンの方がキリッという印象を与えます。 スーツスタイルの場合とクールビズの場合で、ワイシャツの襟のタイプは変えた方が良いということですね。
②スーツスタイルの場合、キャラクター柄のネクタイは避ける
→私もやりたいけど、挑戦できていないものの1つですが(笑)、キャラモン柄のネクタイなどです。 仕事で付けない方が無難ですが、キャラクター柄はそこまでNGなのでしょうか?仮にアニメやゲームキャラなどで、取引先との利権が関係する場合などは、考慮した方が良いでしょう。
仕事に関係するキャラクターのネクタイを使用することや、営業職として、自己アピールとして、好きなマンガやキャラクターをアピールしているときは、着用していても問題視されないかもしれません。実際にあった話として、私の昔のお客様にワンピースが大好きな40代後半ぐらいの企業の部長様がいらっしゃいました。その方は、ワンピースにどハマりしていて、ワンピース博士でした。ワンピースのような仲間を増やしていきたいとおっしゃっていて、社内でも社外でも有名でした。 そういった方の場合は、そういったネクタイを付けていることでブランディングにも役立つのです。
基本的にビジネスマナーなどは、TPOが大切ですが、こういった視点であれば、着用しても良いのではないかと思います。
③スーツスタイルの場合の靴下:スニーカーソックス(くるぶし)やスポーツソックスなどはカジュアルなどの避ける
→オフィスカジュアルの場合であれば、スニーカーソックス(くるぶし)でも、問題視されません。ですが、スーツスタイルのときですと、スニーカーソックスはカジュアルなどで避けた方が良いとされています。
JCASTニュース出典:職場で男性の「くるぶし出し」はアリ? ビジネスマナー講師に聞くと…
ビジネスマナー講師の篠原氏がおっしゃっているように「年代による意識の差、業界による違い」が大きく、今後は、スーツスタイルでも、くるぶしソックスでも問題なしと認知されていくかもしれませんね。
④男性の長髪はNG
→男性の髪型は、基本的に短髪がベストで、長髪はNGとされています。 ここでの疑問点としては、男性の長髪は何がいけないのでしょうか?女性は長髪なのに? この点は、結局は、男性の髪型は「短髪が望ましい」という価値観だからでしょう。 また、髪型としては、前髪を上げて、額が見えた方が良いと言われています。額が出ていると、心を開いているのと同様の心理的効果があるとも言われているからです。 最近、感じるところとしては、IT業界のエンジニアや社風として、長髪がOKな会社も増えてきます。束ねれば問題はないのでは?と感じますが、こういった価値観も少しずつ変わっていくのではないかと思います。
⑤ひげのそり残しがないようにきれいに剃る
→これに関しては、疑問というより、そり残しがあるのと、きれいに剃ろうとして、髭剃りで、切ってしまい、血が出てしまっている状態だと、どちらが悪い印象なのでしょうか?という疑問です。
ちゃんと剃ろうと思って、出血した状態よりもそり残しの方が気にならない気がしますが。 私は、ひげが濃いのですが、髭剃りで剃ろうとすると、切ってしまう可能性が高いので、ひげそりは電動シェーバーを使っています。 結論は、そり残ししないように出血しないように身だしなみを整えるという点ですね。
⑥指先がささくれ立っているときは、ハンドクリームでケアする
→みなさんは、相手の指先を気にしたことはありますか?実は、私はあまり意識することはありませんでした。しかし、ネイルサロン様などの美容サロンのお客様に研修を行うようになってから目を向けて、意識する機会が増えたのです。 とくに男性は爪や指に気を遣うことはないかもしれませんが、女性の方ですと、相手の指や爪を気にする人はいらっしゃるようです。仕事をしていて、指や爪を見るタイミングは、名刺交換のとき、資料を手渡しするとき、等です。自分が気にならないからといって、放置すべきではないのです。
⑦女性のアクセサリーとして、大ぶりのピアスはNG
→女性は、ピアスやイヤリングをされている方が多いかもしれませんが、大ぶりの装飾は避けた方が良いとされています。私は前述の指や爪と同様にあまり意識したことがなかったのですが、どうなのでしょうか? なぜ大ぶりの装飾は避けた方が良いのでしょうか?それは、電話を取るときなどに邪魔になるからです。
⑧ラインストーンなどのキラキラがついたジェルネイルなどは控える
→上記も、私はネイルなどをしたことがないので、感じたことはありませんが、女性の方で、なぜこれがダメなのか疑問に感じる人も中にはいらっしゃるのではないでしょうか? 長いつけ爪などは、パソコンのキーボードを打つときに邪魔になるので、仕事に支障をきたすものは避けた方が良い訳です。ジェルネイルなども、一度付けたら、終わりというわけではなく、3週間程度ではがれてきます。はがれると爪が不格好に見えますので、注意をした方がよさそうです。
今回は、身だしなみはどこまで必要なのか?を考察してみました。
あくまでも主観が入っていますが、線引きラインとして、どう捉えるべきかを考えるキッカケにしてみてください。
「私の場合はこう思う」や「実際はこういうところまでOKなんじゃ・・・??」と思われる場合もあるかもしれません。基本的にビジネスマナーの考え方としては、相手が不快に感じるかどうかです。
相手の年齢や業種に合わせて、身だしなみも整えていけば、問題にはならないのではないでしょうか。今一度、身だしなみを見直してみてくださいね。
まとめ記事一覧(ビジネスマナー 関連)
ビジネスマナー研修って、今どき必要?ネットで調べればいいのでは?
ビジネスマナー研修で教えておくべき『クッション言葉』
ビジネスマナー研修で抑えておきたい敬語-改まり語編
ビジネスマナー研修を社内で行うにあたり、気を付けるべき3つのポイント
メールのマナー!メールを送る際に気をつけるべき8つのポイント
飲み会で気を付けるべきマナーと飲み会の会話術-新人編
名刺交換するときにコレさえ知っておけば、安心!11個の名刺交換マナーを抑えましょう
ビジネスマナー研修で抑えておきたい電話応対編 ロールプレイング演習の作り方
ビジネスマナーに関係するゲームはこちら
「マナーの達人」
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。