そもそも冠婚葬祭とは
冠婚葬祭は、生涯における大切なイベントを指し、それぞれに適したマナーが存在します。ここでは、基本的なマナーについて簡単に説明します。
冠婚葬祭のマナー
冠(かん) – 成人式や出産、勲章を受けるなど人生の節目となるもの
– 成人式の招待を受けた場合、正装(男性はスーツ、女性はドレスや着物)で参加します。
– お祝いの品を持参する場合、相手の趣味や生活環境を考えた品物を選ぶことが大切です。
婚(こん) – 結婚式
– 招待状が届いたら、できるだけ早く出欠の返事を送ります。
– 服装は、結婚式場の雰囲気や指定がある場合にはそれに従います。一般的には、男性はダークスーツ、女性はフォーマルドレスが基本です。
– 結婚式のご祝儀は新札を用い、のし袋に名前を書いて持参します。金額は地域や関係性によって異なりますが、一般的な目安もあります。
葬(そう) – 葬儀、告別式
– 喪服(男性は黒のスーツ、女性は黒のドレスや着物)で参列します。
– 香典は黒白の水引がついた封筒に入れ、非対面式の場合も含めて準備します。
– 式場に着いたら、まずは香典を香典受付に渡し、故人と遺族に対するお悔やみの言葉を述べます。
祭(さい) – 四季折々の行事(家族や親族の集まり、記念日など)
– イベントや地域によって様々な形がありますが、基本的には主催者や地域の慣習に従います。
– 贈り物や挨拶の際は、その場の雰囲気や文化を尊重し、相手に不快感を与えないように注意します。
冠婚葬祭それぞれには、さらに細かなエチケットがありますが、基本的には相手を思いやる心と、その場にふさわしい礼儀を示すことが大切です。地域や家庭によって異なる習慣があるため、不明な点は事前に調べるか、尋ねることが重要です。
成人式と新社会人としての心構え
新入社員として迎える成人式は、社会人としての第一歩を意識させられる重要な節目です。成人式においては、華やかな衣装を選ぶことも大切ですが、何よりも「社会人としての自覚」を持つことが重要です。振る舞い一つ一つが、周囲に与える印象を大きく左右します。社会人としての礼節を身につけ、成人の一員としての誇りを持ちましょう。
結婚式の招待状が届いたら
結婚式への招待は、社会人としての人間関係を築く大切な機会です。まず大切なのは、招待状に対する返事を迅速に行うこと。参加する場合も辞退する場合も、丁寧な言葉を用いて速やかに返信しましょう。次に、結婚式では「ご祝儀」が必要になります。一般的には、新札の紙幣を用意し、相場は関係の深さによりますが、友人であれば3万円からが一般的です。また、服装にも気を使い、フォーマルな場ではダークスーツを基本とし、派手すぎない装いを心がけましょう。 結婚式や葬儀などに参列する際のお金の包み方は、それぞれの行事に応じた形式やマナーがあります。ここでは、結婚式のご祝儀と葬儀の香典の包み方に焦点を当てて、重要なポイントを説明します。
結婚式のご祝儀の包み方
1.新札を用意する
ご祝儀は、新しい人生のスタートを象徴するものとされているため、新札を使用します。可能であれば、銀行などで新札を用意しましょう。 2. 奇数額を選ぶ
ご祝儀の金額は、割り切れない奇数額を選びます。これは、結び切れないという意味を持ち、縁を切れないようにという願いが込められています。一般的な金額は3万円、5万円などです。 3. 専用のご祝儀袋を使用する
ご祝儀用の専用袋(祝儀袋)を使用します。表には「御祝儀」と印字されているものが一般的です。 4. 袋に名前を書く
ご祝儀袋には、自分の名前をフルネームで記入します。表書きは筆ペンなどで丁寧に書くのがマナーです。 5. 金額を記入する
一部のご祝儀袋には金額を記入するスペースがありますが、記入するかどうかは地域や慣習によって異なります。不明な場合は、記入しない方が無難です。 友人として包む場合の相場は3万円といわれていますが、会社の職場の関係であれば、同僚は3万円、部下、上司は3~5万円といわれています。一般的に料理・飲物代は平均2万700円、引出物・引菓子などのギフト代は平均 6200円(いずれもゼクシィ結婚トレンド調査2023より)と、ゲスト1人をもてなす費用は約2万7000円!もちろん、損得だけで計れるものでないのがご祝儀ですが、「実費相当分にお祝いの気持ちを包んだ金額」=相場の3万円と考えると、何となく納得できますよね。
結婚式のご祝儀袋の選び方
1.表書きの内容
ご祝儀袋には「御祝儀」「寿」「御結婚御祝」など、結婚のお祝いを示す言葉が印字されたものを選びます。これらの言葉は、お祝いの気持ちを表します。
2.デザインと色
伝統的なデザインのものや、白地に金銀の装飾が施されたものが一般的です。華やかさを意味する金色や銀色の装飾は喜びの場にふさわしいとされています。
3.水引の種類
水引(結び紐)が「結び切り」タイプのものを選びます。これは一度結んだら解けないという意味があり、夫婦の絆が永遠に続くことを願う意味が込められています。
4.サイズ
金額に応じて適切なサイズの袋を選びます。
通常、3万円から5万円程度なら標準サイズの袋で十分です。金額が大きくなる場合は、それに合ったサイズを選ぶと良いでしょう。
葬儀に参列する際のエチケット
葬儀に参列する際は、故人への敬意を表すためにも、マナーを守ることが重要です。喪服を着用し、男性は黒のスーツに白いシャツ、女性は黒いドレスや喪服を選びます。香典は新札を用意し、相場は故人との関係により異なりますが、一般的には5千円から1万円程度です。葬儀では、静かに故人を偲び、遺族の気持ちを尊重する態度が求められます。
葬儀の香典の包み方
1.弔事では新札は包まない
お葬式などお悔やみ事に包むお札は、新札は使わないとされています。これは、事前に用意していたような印象を避けるためですが、最近では新札でも問題ないとされています。
2.偶数額を避ける
香典の金額は、割り切れる偶数額を避け、奇数額を選びます。偶数額は「割り切れる」ことから縁を切れることを意味し、不吉とされるためです。
一般的に会社の同僚や友人・知人の場合は目安として20代は三千円〜五千円程度、30代以上は一万円〜五万円程度とされています。両親や親族(親戚)の場合の目安としては20代は五万円程度、30代以上は五万円〜十万円程度が相場です。
3.専用の香典袋を使用する香典用の専用袋を使用し、外側に「御香典」「御仏前」などと記されたものを選びます。 4.名前を書く
香典袋には自分の名前をフルネームで記入します。名前の記入には、毛筆または筆ペンを使って「薄墨」で書くことが一般的です。薄墨とは、その名の通り薄い墨を用いたもので、薄墨は故人に対して悲しみを表すと言われています。
画像引用:よりそうお葬式:香典の金額相場、香典袋の書き方・渡し方やマナーまで徹底解説
5.無地の封筒に入れる香典袋を一度無地の封筒に入れてから、葬儀場に持参します。これは、直接香典袋を見せることが避けられるため、故人や遺族への配慮とされています。
葬儀の香典袋の選び方
1.表書きの内容: 香典袋には「御香典」「御仏前」「御霊前」など、葬儀に適した言葉が印字されたものを選びます。これらは故人への尊敬と哀悼の気持ちを表しています。
2.デザインと色: 一般的には、黒や白、またはそれらの組み合わせでシンプルなデザインのものが選ばれます。派手な色や装飾は避けるべきです。
3.水引の種類: 水引は「切り結び」タイプのものを選びます。これは繰り返し結びなおすことができ、再び会うことを願う意味があります。
4.サイズ: 金額や香典袋を入れる封筒のサイズにも注意しましょう。通常は標準サイズで問題ありませんが、大きめの金額を包む場合は少し大きめの袋を選ぶと良いでしょう。
職場での祝い事・弔い事
職場での祝い事や弔い事に対する対応も、新入社員として知っておくべきマナーです。結婚や出産などのお祝い事では、同僚や上司と相談の上、適切なお祝いを準備しましょう。一方、弔事に際しては、会社や部署単位で香典を準備することもあります。どのように対応すればよいかわからない場合は、上司や先輩に相談することが大切です。
まとめ
冠婚葬祭は、人生の大切な節目を共有する機会です。新入社員としてこれらのイベントに参加する際は、適切なマナーを身につけ、敬意と感謝の気持ちを忘れずに行動しましょう。そして、これらの経験を通じて、社会人としての人間関係を深め、成長していくことが大切です。社会人生活の初めの一歩として、冠婚葬祭のマナーをしっかりと学び、心に刻んでおくことが、これからのビジネスライフを豊かにする鍵となるでしょう。
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。