研修時に使えるアイスブレイクのクイズネタ!
~語源から探る日本の言葉~

研修時に使えるアイスブレイクのクイズネタ!<br>~語源から探る日本の言葉~

研修時に使えるアイスブレイクのクイズネタ!
~語源から探る日本の言葉~

以前のコラムで、研修の開始時や休憩後のちょっとしたアイスブレイクとして使えるクイズをいくつかご紹介してきました。

今回も、アイスブレイクで使えるクイズネタを紹介していきたいと思います。

今回のクイズネタでは、日本の言葉の語源を探るクイズです。

例えば、何かにチャレンジしているときに「頑張って」と言いますが、そもそも『頑張る』の語源とは何でしょうか?

A:頑張ったあとに顔が晴れやかになる様から、「顔晴る」が「頑張る」になった。
B:「目をつける」や「見張る」の意味から、「一定の場所から動かない」という眼張るの意味から、さらに転じて、努力してやり通す意味になった。

さぁ、2つのうち、どれでしょうか?

答えは、Bです。

ちなみに頑張るの語源は、2つの説があるようです。

がんばるとは、江戸時代から見られる語で、漢字の「頑張る」は当て字だそうです。

1つ目は「眼張る(がんはる)」が転じて「がんばる」になったとする説です。
これは、「目をつける」や「見張る」の意味から、「一定の場所から動かない」という意味に転じ、さらに転じて、努力してやり通す意味になったというものです。

2つ目は、自分の考えを押し通す意味の「我を張る(がをはる)」が転じ、「がんばる」になったとする説です。

このように知ってるようで、知らない言葉の語源をクイズネタにして、研修時のアイスブレイクやウォーミングアップに活かしていくのです。

アイスブレイク

それでは、いくつか参考になる語源からクイズを作ってみましょう。

①あくび(欠伸)の語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

あくびとは、眠くなったりしたときに自然に行われる深い呼吸です。そのあくびの語源です。

A:脳内酸素が少なくなる(欠ける)ときの深呼吸をする様から
B:口を開ける動きと、体を伸ばす様子を組み合わせたもの

さぁ、2つのうち、どれでしょうか?

【正解】
口を開ける動きを示す「欠」と、体を伸ばす意味の「伸」を組み合わせたものです。

昼食後はとくに眠くなって、あくびをする人も増えてきますよね笑?クイズを出して、午後からも頑張りましょうと、研修への参加意欲を高めていきましょう、

②油を売るの語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

A:油を売る油は貴重なものだったので、何もしなくても飛ぶように売れた様子から
B:油を売る商人が婦女を相手に長々と世間話をしながら油を売っていた様子から

さぁ、2つのうち、どれでしょうか?

【正解】
正解はBです。江戸時代、髪の油を売る商人が、婦女を相手に長々と世間話をしながら、油を売っていたそうです。

そこから転じて、無駄話をするなどして、仕事を怠けることを「油を売る」と言うようになりました。

ただし、江戸時代の油を売る商人が世間話をしていたのは、油は粘性が高く、柄杓を使って桶から客の器に移すにも雫が途切れず、 時間がかかるためで、仕事をサボるために話をしていたわけではなかったようです。

③一か八かの語源は2つのうち、正解はどれでしょうか?

A:もともとは一か罰か
B:丁半から来ている

さぁ、正解はどれでしょうか?

 

【正解】
こちらは、実は、両方とも正解です!

1つ目が、一か八かは、もともと博打用語で、丁半賭博などの勝負を意味していたそうです。 これは「丁」と「半」、それぞれの漢字の上の部分をとると「一」と「八」になり、「丁か半か」は、「一か八か」になることからだそうです。

一か八かの語源の2つ目には、「一か罰か」の意味で、サイコロの目が一が出て成功するか、外れて失敗するかといったサイコロ博打説が有力な説だそうです。

④おやつの語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

A:幕末の頃に京の八つ橋を食べるのが公家たちの主流だったから
B:軽食を「八つ時」に食べていたことから

さぁ、2つのうち、どれでしょうか?

 

【正解】
正解は、Bです。

江戸時代の中期、今の午後2時から4時にあたる「八刻(やつどき)」に食べていた軽食が、「おやつ」の語源だそうです。

もともとおやつは働く大人の世界のもので、団子やいも、入り米などが食べられていましたが、8代将軍の徳川吉宗が砂糖の国内生産を奨励したことにより、砂糖が手に入りやすくなり、お菓子を食べる習慣が広がったそうです。

⑤まずいの語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

A:間が悪いという意味と接頭語のずい(そのまますぐに)という言葉から来ている
B:まずいは、「味が足りない」「充足感が得られない」ところから、「貧しい」が語源

さぁ、2つのうち、どれでしょうか?

【正解】
正解は、Bです。

まずいの語源は、「不十分な、乏(とぼ)しい」を意味する「貧し(まづし)」が語源だと言われています。

⑥八百長の語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

そもそも「八百長」とは、スポーツ競技やその他試合で、前もって勝敗を打ち合わせておき、表面だけ真剣に勝負を争うように見せかけること。 また、そこから転じて、一般に、前もってしめし合わせておきながら、さりげなくよそおうこと。を意味しています

A:八百屋長兵衛が行っていた行為から由来が来ている
B:八百長八百万神の神を騙す行為だと揶揄されたところから由来が来ている

さぁ、2つのうち、どれでしょうか?

【正解】
正解は、Aです!

八百長は、明治時代の八百屋の店主 長兵衛(ちょうべえ)の通称の「八百長」に由来するそうです。

長兵衛は、相撲の年寄 伊勢海五太夫の碁仲間であったそうです。その碁の実力は長兵衛が勝っていましたが、 商売上の打算から、わざと負けたりして勝敗をうまく調整し、伊勢海五太夫のご機嫌をとっていたそうです。

のちに勝敗を調整していたことが発覚し、わざと負けることを相撲界では「八百長」と言うようになったそうです。

⑦ごまかすの語源は2つのうち、正解はどれでしょうか?

A:祈祷の際に焚く「護摩」と「紛らかす」が由来 B:胡麻菓子というお菓子が由来

さぁ、正解はどれでしょうか?

【正解】
正解は、これはA・Bの両方ともが正解と言われています。

祈祷の際に焚く「護摩(ごま)」に、「紛らかす(まぎらかす)」などと同じ接尾語「かす」が付き、ごまかすになったとする説と、

「胡麻菓子」が由来と言われています。 胡麻菓子とは、江戸時代の「胡麻胴乱(ごまどうらん)」という菓子のことで、
中が空洞になっているため、見掛け倒しのたとえに用いられたことから、「ごまかす」となったそうです。

ごまかす

⑧宴の語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

A:手をたたく「うちあげ(打ち上げ)」や歌い上げるに関連付けた言葉から由来する
B:男女が踊り、楽しい姿から由来する

さぁ、正解はどれでしょうか?

【正解】
正解は、Aです。

宴の語源には、手をたたく意味の「うちあげ(打ち上げ)」が変化した説と、「歌酒」の意味や「歌い上げ」の略など「歌」に関連付けた説があるそうです。

古来、酒を飲み、手を叩いて楽しむところから、宴会をすることを「打ち上げる」と言い、『竹取物語』などでも「酒宴」の意味で「うちあげ」が使われていることから、「うちあげ」の音変化で「うたげ」になった説が有力です。

⑨とんずらの語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

A:豚が逃げ惑う様子から
B:とんは、遁走の意味で、ずらはずらかる

さぁ、正解はどれでしょうか?

【正解】
正解は、Bです。

とんずらの「とん」は「遁」、「ずら」は「ずらかる」の略だそうです。
※「遁」の漢字は、「遁走」「遁世」「遁辞」などと使われる字で、逃げることを意味します。

⑩市松模様の語源は2つのうち、どちらが正解でしょうか?

A:歌舞伎役者の初代 佐野市松から由来する
B:着せ替え人形の一種である市松人形に着せていた着物に由来する

さぁ、正解はどれでしょうか?

【正解】
正解は、Aです。

もともと市松模様は、中世までは「霰(あられ)」と呼ばれ、石畳を模した模様であることから、近世以降は「石畳」と呼ばれていました。

江戸中期、歌舞伎役者の初代佐野市松が、舞台で白と紫の石畳模様の裃(かみしも)を着用したところ、彼の人気とともに江戸の女性たちの間で流行したことから、「市松模様」と呼ばれるようになったそうです。

ちなみに市松人形の名前の由来としては、顔立ちがその佐野川市松に似ていたため市松人形と名付けられたと言う説や、当時「市松」と言う子供が多かったので、子供の人形と言う意味合いで市松人形と呼ばれたと言う説、市松模様の衣装を着せて売られていたため、市松人形と名付けられたと言う説があるそうです。


今回は、研修時のアイスブレイクネタとして使えそうな語源から探るクイズをご紹介していきました。

例えば、ビジネスマナーの挨拶、お辞儀の仕方を伝えるときに、挨拶の語源を教えても良いかもしれません。

挨拶は、禅宗で問答を交わして相手の悟りの深浅を試みることを「一挨一拶(いちあいいつさつ)」と言いました。
ここから一般に問答や返答のことば、手紙の往復などを挨拶と言うようになったそうです。

他にも名刺交換するときに、なんで「名刺」というのか?を伝えても良いかもしれません。

名刺の歴史は古く、中国では唐の時代から見られます。
当時のものは紙ではなく、竹木を削って姓名を刻んだもので「刺」と言ったそうです。 そこから、名札のようなものを「名刺」と呼ぶようになり、日本でもこの語を用いるようになったそうです。

意外に言葉や名称の語源や由来を知ると記憶に残りやすかったりします。 語源を伝えることで、その言葉の由来を知り、受講生の記憶に定着してくれるかもしれません。

ぜひ研修時のアイスブレイクやウォーミングアップネタとして使ってみてください。


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【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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