聞いてるだけの傍観者を作らない!スタッフが”自分事”になる「経営計画発表会」を準備する3つのポイント

聞いてるだけの傍観者を作らない!スタッフが”自分事”になる「経営計画発表会」を準備する3つのポイント

聞いてるだけの傍観者を作らない!スタッフが”自分事”になる「経営計画発表会」を準備する3つのポイント

もうすぐ12月、師走ですね。
新しい年、新しい年度になるにあたり、経営者の皆さんも、新しい期の経営計画を策定し、従業員の皆さんへ経営計画を直接伝える「経営計画発表会」の準備をされているのではないでしょうか。

経営計画を作るメリット・デメリットや作り方については、以前、コラムに書かせていただきました。
◎コラム:従業員数20名未満の経営者でも『経営計画書』を作る意義は、果たしてあるのか?

経営計画とは・・・

企業が将来にわたって、策定した経営ビジョンや掲げた数値目標を実現するために、現在の自社の経営状況、経営実態を正確に分析し、いつ何をどのようにすべきか、経営資源(従業員、資金、情報、資産)をいかに活用するかを考えた計画のことです。

「時間」と「コスト」が掛かるものの、経営計画発表会を開催している企業さんは、少なからずいらっしゃると思いますが、メリットを感じている企業さんは実は、少ないのではないでしょうか? 「せっかく発表会を行ったのに、すぐに忘れられて、効果はあまり、、、」と感じている社長さんもいらっしゃるようです。

しかし、経営計画は、経営陣だけで共有していても、あまり意味がありません。
企業の方向性やビジョン、設定した目標をどう達成していくのかを会社全体の行事として「発表会」を行うことで、計画を従業員たちへ意識浸透させ、会社の一体感の醸成につながり、経営計画で立てた目標をクリアできるようになっていくのです。

そこで、今回は、経営計画発表会を開催する意義を改めて理解していただき、従業員を傍観者にさせないための3つの準備ポイントについてお伝えしていきたいと思います。

【1】経営計画発表会とは、そもそもどんなイベント?

①経営計画発表会の概要


経営計画発表会は、経営陣が、従業員や取引先に向け、今後の経営計画を発表、共有するため場です。一般的な内容としては、始めに前期の振り返りをし、新期の経営計画を発表し、各部署が具体的にどういった方向で進めていくかを報告するという流れで開催されることが多いです。
発表会は、経営計画書を作成したタイミングに合わせられるので、期初に開催されることになります。また新期の経営の方向性を発表するだけでなく、前期の優秀社員を表彰したり、懇親会を開き、交流を深めたりする企業も多いようです。

②発表会開催の目的


経営計画発表会の開催の目的は主として2つです。

一つ目は、「企業の方向性を知ってもらい、従業員のモチベーションを高めさせるため」。
役員や管理職レベルにない一般層は、業務に注力しているため、企業の計画や方向性をきちんと把握できていないことが多々あります。社長が直接、説明することで、計画を浸透させることができます。そして、向かうべく方向性が明確になれば、従業員たちは、どう頑張っていけばよいかがわかり、モチベーションが高まることにも繋がります。

二つ目は、「外部関係者の理解」を得るため。
企業経営では、株主や取引企業・金融機関など外部関係者の協力を得ることが事業成長への鍵です。こういった点からも、経営計画発表会には、外部関係者を招待し、「当社がどのように成長していくか」を具体的に明示することで理解を得て、協力を仰ぐ目的があるのです。

【2】発表会に向けて考えておきたい3つの準備ポイント


①企画の準備段階


経営計画書が完成したら、経営計画発表会の準備を以下の流れで進めましょう。

1.代表による開催表明
社長自身が全従業員に対して、発表会の開催を表明し、発表会の目的や発表会に全従業員が集うことの意義などについても説明します。
開催の目的や意義をきちんと設定しておかないと、なぁなぁな感じになり、中途半端に終わってしまいかねません。「当社でも経営計画発表会を行うことにしました」という内容だけではなく、「当社の将来のためにも、絶対に発表会が必要である」という強いメッセージを打ち出します。

2.運営チームの招集
発表会の規模や内容によって、どこまで準備するかが変わってきますが、経営陣のみで、準備するでは、従業員に当事者意識を持たせることはできません。 責任者は経営幹部の中から任命すべきですが、傍観者を作らせないためにも、運営メンバーは複数の異なる部門の幹部や若手社員中心に構成し、プロジェクト化させることで、一体感のある発表会につなげます。

役割としては、以下のように選出します。


・運営リーダー
・当日の進行役(司会者)、タイムキーパー
・会場設営責任者
・当日配布物準備責任者
・プロジェクターなどの操作係
・写真/撮影などの記録係
・来賓受付担当者 など

運営チームのメンバーに対しては、社長から発表会の目的や意義、直に伝えたいことなどを説明し、発表会成功への動機付け(モチベーションUP)を行っておくことが必要です。

3.開催日程・場所の決定
開催時期は、期末、もしくは、期初のタイミングで行われます。具体的な日程を選ぶ際は、なるべく従業員全員が出席できるような日を選ぶのがベストです。また、社外から来賓も招待する場合は、招待状の発送作業などもあるため、早めに日程を決めるべきです。

開催場所として、自社で行わずに、会場を借りる場合、年度始めは企業行事などで会場が埋まりやすいため、早めに会場候補をリストアップして、抑えた方がよいでしょう。当日は、多数の人が来るので、アクセスの良さを考慮した会場選びをしたいところです。

4.資料の作成
開催の当日は、各自に経営計画書を資料として配布し、説明をしていくため、出席者の数だけ資料を用意しておく必要があります。
経営計画書は今後、1年間は従業員が手元に置いて毎日のように見返すものですので、 計画書の内容をいかに分かりやすく、かつ共感してもらえるかが大きなポイントとなります。
また経営計画書は、企業の【機密情報】になるので、配布した資料は慎重に扱ってもらわなくてはなりません。そのため、表紙など目の付きやすいところに「社外秘」と記載したり、資料1部ずつに「通し番号」を打って、誰にどの資料を渡したかを管理した方が良いでしょう。

5.備品の準備
当日に会場で使う備品も、事前に準備しておく必要があります。椅子・机・マイクなどの音響機器、プロジェクターなどの映像機器のような基本的な備品は必須と言えます。

②開催する運営プログラム


当日、開催する運営プログラムとしては、以下の内容が一般的です。
(当日のプログラム例)


●経営理念 経営ビジョン 行動指針 唱和(全員)
●開催宣言(司会者)
●来賓紹介(司会者)
●代表メッセージ(社長)
●経営理念 経営方針 行動指針解説(社長)
●前期総括と経営計画発表(社長)
●各部門の前期総括と部門計画発表(部門長)
●各種表彰式(司会者)
・業績功労社員  ・永年勤続社員  ・社長特別賞
●内定者紹介(司会者)
●社員代表による決意表明(社員代表)
●社長による総括(社長)
●閉会宣言(司会者)

経営計画発表会のプログラムでは、経営計画発表時や各部門の発表時には、

具体的には次のような点を明示することがポイントです。


・自部門の業務内容、全社経営計画の中での役割などをきちんと示す
・前期の振り返り、反省点を明確にする
・明確で分かりやすい方針や数値目標を示す
・これだけは絶対にやり抜くという必達事項を表明する
・発表時間を厳守する(他部門の発表時間を奪わない)

発表する際は、各部門は自部門のメンバーに対してだけではなく、出席している全社員に対しての発表を心掛ける必要があります。また自分の発表を他部門のメンバーにも理解してもらうことで、全社的な一体感の醸成や全社的推進につなげることができます。

プラスαのプログラムを企画する

上記の一般的なプログラム以外にも+αのプログラムで有意義な経営計画発表会にしましょう! 経営計画発表会の基本プログラムは、「前年の振り返り」、「本年の経営計画の共有」、「各部署の目標の発表」の流れです。
多くの企業がこれらにプログラムを追加し、“特別なイベント”として盛り上げているようです。
プラスαでいうと、例えば、下記のプログラムが多いようです。

(1)社内表彰式
経営計画発表会を開催するタイミングは、期末や期初が多いことから、前年の優秀社員を表彰する場を同時に設ける企業も多いです。モチベーションの上がる式典で、さらに表彰されるとなると、社員の帰属意識を一層高めることも期待できるでしょう。

(2)著名人の講演会
経営計画の内容と講演内容などがマッチする著名人の方をお呼びして、経営計画の深掘りを行うという企業も少なくないようです。講演会を一部のプログラムに入れることで、従業員のモチベーションアップにつながることが期待できるでしょう。

(3)勉強会・検討会
上記(2)に近しいですが、経営計画の内容をもとに目標設定の重要性やPDCAスキル、経営視点を醸成させるために「ビジネスゲーム」を取り入れられる企業も増えてきました。 ビジネスゲームであれば、楽しく、前のめりに積極的に参加してもらいやすく、さらに経営計画に沿ったフィードバックや理解を促すことができます。経営計画をただ単に「聞いて終わり」ではなく、ゲームを通じ、明日からのアクションにつなげることができます。

◎経営計画発表会でオススメなビジネスゲームは、こちら↓↓

経営センスを磨く「ビズストーム」ご紹介ページへ
財務・会計を学ぶ「財務の虎」ご紹介ページへ

(4)懇親会
発表会終了後は、引き続き、懇親会を開催する企業が多いようです。ホテルで発表会を行う場合は、終了後にそのまま食事を運んでもらったり、近くのレストランや飲食店に移動して行ったりしています。また、発表会の会場にケータリングサービスを呼んでそのまま懇親会を開くケースもあるようです。

③開催後のフォロー


経営計画を発表して、終わりではなく、経営計画を発表することが、始まりです。

経営計画を「絵に書いた餅」で終わらせるのでは、まったく意味がありませんので、実行するための管理体制や定点観測を行う振り返りの機会を設ける必要があります。

管理するポイントは、


・計画の実行状況チェックのための会議の開催
・進捗管理のために行う部門ごとの個人面接の実施
・業績管理資料の整備、そのために必要なデータの収集、反映。
・半期、もしくは四半期ごとに社長からメッセージでリモチベーション

部門ごとに設定した目標をもとに、個々の行動を促すためのアクションプランを設定し、それを人事評価制度に反映している企業もいらっしゃいます。
発表して終わりではなく、行動に移せるようなフォロー体制をきちんと整備するようにしましょう。

経営計画発表会の目的をきちんと設定した上で、計画的に開催することで、
経営計画が従業員にとって、ただの他人事ではなく、「当事者意識」を高めることにつながります。

ぜひ皆さんも、当事者意識が持てるような「経営計画発表会」を企画してみてはいかがでしょうか

【執筆者情報】
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

ビジネスゲーム検索

  • 階層

    選択してください
  • 目的/業界

    選択してください
  • 人数

    選択してください
  • 時間

    選択してください