バカにはできないPDCAサイクル! PDCAを回すときに意識すべきこと

バカにはできないPDCAサイクル! PDCAを回すときに意識すべきこと

バカにはできないPDCAサイクル! PDCAを回すときに意識すべきこと

PDCAサイクル_トップ

研修をしていると、よくこんなことを受講生から言われたり、聞かれたりします。


「PDCAを回そうと思っても、難しい」
「PDCAが成果につながったこと見たことないんですが・・・」
「PDCAって、意味ないですよね?」

PDCAサイクルを回そうと思っても、 なかなか改善につながらなかったり、なかなか成果に繋がらなかったり、
何のためにPDCAって、存在しているんだっけ?という状態になっている人を 見かけたこともあります。

今回は、難しい、意味がない、と思われているPDCAサイクルについて考察していきたいと思います。



PDCAサイクルとは

ここからは、改めて、PDCAサイクルとは何ぞや?という概論をご紹介したいと思います。

PDCAサイクルのPDCAとは、アルファベットの頭文字を取ったもので、

Plan:計画
Do:実行
Check:振り返り
Act:改善

といいます。

PDCAの進め方としては、多少、人によって進め方は様々ですが、 一般的に下記のような流れで進めていきます。

Plan:計画の策定


①目標の定量化(達成したい目標は何か?具体的な数字にするKGI化)
②目的の確認
③理想(目標)と現状(今)と、どれくらいのGAP(差)があるか
④その差を埋めるための課題解決方法(仮説)を考える (タスク化)
⑤期限の設定

Do:実行


①それぞれの課題解決方法をKPI化(達成度がわかるように)
②Todoに落とし込む
③優先順位をつける
④解決方法の実行

Check:振り返り


①Plan目標に対しての達成率を確認する
②実行したタスクの達成率を調べる
③できた点とできなかった点をピックアップする
④できた点は継続するか、完了してOKかを確認する
⑤できなかった点は、できなかった原因を突き止める

Act:改善


①振り返り結果を踏まえ、改善案(仮説でOK)を考える
②改善案に優先順位をつけて、再度、実行する

サイクル


そのPDCAを繰り返す

上記のような流れでPDCAを回していきます。

PDCAサイクルは意味がない?欠点だらけ?

ここ数年、PDCAサイクルは意味がないもの、欠点が多いという評価を受けるようになってきました。

私自身、PDCAサイクルを意識し始めて、使い始めた頃は、 これやって意味あるのか?や、途中とん挫してしまうこともありました。

PDCAサイクルが意味ないもの、欠点が多いと思われる理由は、 うまくいかない人が多いからでしょう。

うまくいかない理由は、こういった理由が挙げられます。

理由①何のために行っているのかの目的を忘れてしまう


計画を立てるときにもっとも忘れてしまいがちなのが、達成したい目標と何のためにその目標を達成したいのか?という目的です。

そんなことあるの?と思われがちですが、実は、これは結構あり得るのです。
例えば、「新規営業を現状より月10件増やす。」という目標を設定し、その目的を「中長期的な売上の基盤をつくるため。」としていたのに、時間が経つにつれて、「新規営業は難しいから、既存営業に力を入れた方がいいのでは?」と、その目的が曖昧になってしまったり、PDCAを回すことだけに意識をしてしまい、時間の経過化共に「何のために行っているのか?」を失念していってしまったり、してしまうのです。

PDCA

理由② 計画に具体性がない


計画を立てるときに、曖昧さや抽象的な事柄になってしまうと、どこまで行けば達成なのか?という具体的な成果物のイメージまで沸かせることができません。

× 売上を上げるために新規テレアポを行う
↓↓
○ 売上を上げるために毎日100件、新規テレアポを行う

の方が具体的な成果物(達成度)のイメージが沸きます。

× 新規問い合わせを増やすためにGoogle広告を出す
↓↓
○ 新規問い合わせを増やすためにGoogle広告を毎月50万円掛ける

の方が具体的な成果物(達成度)のイメージが沸くのではないでしょうか?

具体的な行動目標まで落とし込みをしなければ、チームで動いていく上で、誰が何をいつ、いつまでに行えばよいかがわかりません。計画を立てるときは、誰がどう見てもわかる具体的な行動目標にしていく必要があります。

理由③ 振り返り(C)と改善(A)が適切に行えていない


計画が思った通りに進んでいかないということは、よくあることです。そこで、うまくいかないから意味がいないといって、あきらめてしまったら、それこそ意味がないものになります。

大切なのは、なぜ計画がうまくいかなかったのかを考え、改善することです。しかし、振り返りや改善の取り組みがうまく作れていない場合、達成度と現実の差を埋めるための軌道修正が難しくなってしまいます。とくに振り返り(Check)の際に、評価基準が曖昧だと何となくOKで進んでいってしまいます。曖昧な例を挙げると、「全体的に良い」、「全体的にうまくいっている」、「私的には合格」、「なんかうまくいっていない」などです。このような評価基準では、改善案(Act)も立てづらくなり、振り返りが意味のないもので、やりっぱなしで終わってしまうという現象が起こってしまうのです。

また、他にもPDCAサイクルの問題点等を解説しているアイ・カンパニー社さまの記事がありますので、ご紹介しておきます。

出典:アイ・カンパニー社「PDCAサイクル:問題点と致命的欠点

記事の抜粋
日本人の思考法の限界
致命的に遅いスピード
手順の重視
仕事に対する熱意の消失
過剰分析の前例主義 など

※ぜひご参考にしてください。

ただ、この記事の冒頭にもありますが、PDCAサイクル自体が問題ではありません。 PDCAサイクルの使い方で問題が発生してしまっているのです。

PDCAサイクルを上手く回して、成果を出しているチームもありますし、 上手く回せずに、成果が出ないであきらめてしまったチームも知っています。

ツール(フレームワーク)がダメではなく、そのツールをきちんと使いこなすまで、 意識・行動ができず、あきらめてしまった、という人が多いので、 PDCAサイクルは意味がない、欠点だらけ、と思われてしまっているのだと思います。

PDCAサイクルを回すときに意識すべき3つのポイント

①PDCAは具体的な数値を意識する


前述のPDCAのうまくいかない点に挙げたように、曖昧な行動計画ではうまくいきません。 達成したい成果物を定量的に測れるように数値化していく必要があります。

その際、KGIと呼ばれる、「重要目標達成指標」を意識した方が良いです。 KGIとは、Key Goal Indicatorの略で、売上高、成約率、利益率など、最終的な事業の目標を定量的に評価するための指標を指します。

定性的に売上を上げるという目標では、達成したのかどうかわかりませんので、
定量的に現状から売上を20%UPさせるというように、ゴール状態をイメージしやすくなります。

PDCA_KGI

またKGIが設定できたら、そのゴールを達成するために設定したいのがKPIです。KPIとは、Key Performance Indicatorの略で、「重要業績評価指標」です。

達成目標(売上など)に対して、目標達成度合いを評価する評価指標で、目標達成に向けたプロセスにおける達成度を把握し、評価するための「中間目標」として設定するときに効果的です。

PDCA_KPI

KGI=今期(2021年12月までに)、研修事業で、売上1億円を達成する
↓↓
KGI(1)=新卒研修で6,000万円
 KPI(1-A)=新卒研修の契約数50社×契約単価120万円
 KPI(1-B)=新卒研修の契約数50社獲得のための案件化数120社
 KPI(1-C)=案件化数120社獲得のためのアポ獲得数200社
 ・・・

KGI(2)=管理職研修で、4,000万円
 KPI(2-A)=管理職研修の契約数20社×契約単価200万円
 KPI(2-B)=新卒研修の契約数20社獲得のための案件化数60社
 KPI(2-C)=案件化数60社獲得のためのアポ獲得数100社
 ・・・

KGIは「目標、ゴール」であり、達成までの「プロセス」にKPIがあります。KPIは思いつきではなく、データをもとに組み立てるようにしましょう。

また行動計画に落とし込むときは、6W3Hの視点で、具体的な行動に落とし込みましょう。

6W3H

  1. when:いつ (時期)、いつまでに(期限)
  2. where:どこで (場所)
  3. who:だれが
  4. whom:だれに
  5. what:なにを
  6. why:なぜ(理由)
  7. how:どのように(手段)
  8. how many:どのくらい(量)
  9. how much:いくらで(金額)

②C・Aを確実に実行する


計画を単に実行しただけでは、確実に目標達成ができることや、課題点が改善されることはありません。PDCAで重要なのは、計画を実行した後に、うまくいっても、うまくいかなかったとしても、必ず振り返りを行い、改善につなげていくことです。

PDCAが効果を発揮するのは、むしろ、うまくいかなったときです。行動目標がうまく達成できなかった場合、新たな施策を考える必要がありますが、場当たり的にやってもうまくいくとは限りません。 なぜうまくいかなかったのか?という原因分析をしながら、改善行動を考えることで、最適解を導き出せるようになっていくのです。

③PDCAサイクルは継続性が大事


目標達成のためには、一回のPDCAサイクルでは終わらずに、達成まで何度もPDCAサイクルを回すことが大切です。PDCAサイクルを回し続けることでより効果的に回すことが可能となるのです。その際に、こだわりすぎないというのも1つだと思います。

PDCAを回すことだけに意識がいってしまい、時間がかかってしまうケースもあります。ときには、Check(振り返り)をする際に、うまくいかない原因の改善策が思いつかない場合は、うまくいっている点に目を向け、できることだけにフォーカスしてみることも1つだと思います。

例えば、原因の改善策が自分一人では解決できない、会社へ相談することが必要で、時間がかかりそうな場合、立ち止まっている時間はもったいないので、うまくいっている点にさらに時間をかけて、行動する時間を増やしてみるのも選択肢の1つです。こだわりすぎて、動けなくなるよりも、自分ができる点に一点集中してやってみることも時には大切になるのです。


今回は、難しい、意味がない、と思われている「PDCAサイクル」について考察してきました。

1人で業務の効率化を図りたいときも、チームで目標達成したいときも、PDCAサイクルはまだまだ有効ですし、PDCAサイクルのフレームワークだけに限らず、何事もCheck(振り返り)、Act(改善)の意識が仕事においては大切ですので、ぜひ活用してみてください。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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