心理的安全性を高めるためのビジネスゲームの設計とは?

心理的安全性を高めるためのビジネスゲームの設計とは?

心理的安全性を高めるためのビジネスゲームの設計とは?

近年、組織やチームにおいて「心理的安全性(Psychological Safety)」をいかに高めるかが大きなテーマとなっています。Googleのプロジェクト研究でも明らかになったように、心理的安全性の高いチームほど生産性やイノベーションの創出力が高いと言われています。しかし「心理的安全性を高めたい」と思っても、具体的にどのように取り組めばよいのか戸惑う方も多いでしょう。

そこで注目される手段が、ビジネスゲームです。ゲームを通じて「楽しみながら学習や体験を得る」という手法は、子どもの教育や研修の現場で数多く実践され、ビジネスパーソンの学びにも適用が進んでいます。さらに、研修やワークショップなどの最初に取り入れられる「アイスブレイク」や、参加者同士の距離を縮める「雑談力」が加わることで、チームが内面から活性化するきっかけをつくります。

本コラムでは、心理的安全性を高めるためのビジネスゲームの特徴や設計のポイントを、雑談力とアイスブレイクの重要性とあわせて解説します。具体的なゲーム例も紹介しますので、ぜひ実践のヒントにしてください。


心理的安全性とゲームの相性


心理的安全性は、チームメンバーが「自分の考えや感情、疑問や失敗を安心して共有できる」状態を指します。たとえば会議の場で、自分のアイデアが否定されるかもしれないと感じて何も発言できない状態では、組織のパフォーマンスは伸び悩みがちです。一方で、あえてチャレンジングなアイデアや失敗談も遠慮なく共有できる環境であれば、結果としてチーム全体が活気づき、革新的な成果が生まれやすくなります。

そんな心理的安全性を高めるうえで、ビジネスゲームを活用することは非常に効果的です。その理由は、大きく以下の3点にまとめられます。

1.体験型で学べる

座学や講義型の研修では受け身になりがちですが、ゲーム形式であれば能動的に取り組む必要が出てきます。実際の職場では言いにくいことも、ゲームの世界観や役割設定があることで自然とコミュニケーションが発生し、「体験を通じて学ぶ」形にシフトしやすいのが特徴です。

2.失敗を肯定的に捉えやすい

ビジネスゲームの多くは仮想のシナリオや、仕事とは少し離れた内容で進行します。したがって、ミスをしたり上手くいかなかったとしても実務に直結するダメージがないため、参加者は失敗を気軽に受け止めることができます。失敗を糾弾せずに学びとして活かす空気づくりが、結果的に心理的安全性を高めるカギとなります。

3.コミュニケーションを自然に促進する

ゲームの中では、情報共有や協力、戦略立案など、さまざまなコミュニケーションが求められます。また、ゲーム特有の緊張感や楽しさが相まって、普通の会議では引き出せないような発言やアイデアも生まれやすいです。「とりあえずやってみる」という行動を通じて、メンバー間の壁を取り払いやすくなるでしょう。

雑談力とアイスブレイクの重要性


心理的安全性を育むためには、いきなり深い内容の議論を始めるのではなく、まずは「話しやすい雰囲気」をつくることが重要です。そのための切り口として、雑談とアイスブレイクがあります。

①雑談力とは何か


雑談力とは、仕事の指示やタスクの相談とは直接関係のない話題を、自然に引き出し合いながら会話を続ける能力です。たとえば、

•「週末はどんな過ごし方をしたのか」
•「子どもの頃に好きだったテレビ番組」
•「最近ハマっている食べ物や運動」

といった些細な話題でも、チームメンバーがお互いをより人間的に理解するきっかけになります。雑談が盛り上がると、業務以外のところでつながりが生まれ、「気軽に話を振り合える相手」という関係が成立しやすくなります。

②アイスブレイクの役割


アイスブレイクは、会議や研修の開始時に、「場を和ませる」「緊張をほぐす」ために行う短いアクティビティです。自己紹介ゲーム、簡単なクイズ、チーム対抗のミニゲームなど、その形式は多種多様です。アイスブレイクを行うことで、以下のような効果が期待できます。

•距離感を縮める: 初対面の人同士であっても、一緒に何か楽しいことを体験すれば、一気に親近感が湧きやすい。
•自発的な発言を促す: くだけた話題であれば、普段口下手な人でも気軽に意見を出せるため、「話していいんだ」という安心感が芽生える。
•ポジティブな空気を醸成する: 会話のトーンが明るくなると、チーム全体のモチベーションも上がり、より活発な議論へと発展しやすい。

雑談力とアイスブレイクは、ゲームを行う前後でも活用できる強力なツールです。これらがあることで、ゲームをただの「お遊び」で終わらせずに、学びや気づきを深める土台を整えることができます。

ビジネスゲーム設計のポイント


心理的安全性を醸成するためのビジネスゲームを企画・設計するうえでは、以下の点をしっかり押さえておくことが大切です。

① 目的とテーマを明確にしよう


「チームビルディング」「コミュニケーション強化」「リーダーシップ育成」「イノベーション思考のトレーニング」など、研修やワークショップにはさまざまな目的が考えられます。ビジネスゲームを導入する際は、まず自社の課題や育成したいスキルを明確にし、それに合わせたテーマやゴール設定を行います。

例えば、アイデア創出が課題になっているなら、ブレーンストーミングを軸にしたゲームや創造的な問題解決を要するゲームを選択すると良いでしょう。

② 難易度やルールをシンプルに保つ


ゲームが複雑になりすぎると、参加者はルールの理解に集中してしまい、肝心の「コミュニケーション」や「主体的な学び」に意識が向きにくくなります。研修時間が限られている場合は特に、短時間で理解でき、スムーズにプレイに移れる設計が望ましいです。

例えば、「紙とテープのみでタワーを作る」など、リソースとルールを最小限にすることで参加者が自由度高く試行錯誤できるはずです。

③ 失敗を許容し、場を盛り上げよう


ファシリテーターの大きな役割は、「失敗に対して前向きなフィードバックを行う」ことです。ゲーム中に起こるアクシデントやミスは、振り返りの際に良い学びの材料になります。「なぜ失敗したのか」「どうすればより良い結果に結びついたのか」を問いかけることで、ポジティブな検討や次へのチャレンジが促されます。

例えば、「失敗してもいいんです。その経験が次のアイデアにつながります!」など、安心して挑戦できる雰囲気づくりを言葉にしてサポートしましょう。


④ 振り返り(リフレクション)を丁寧に行う


ゲーム後の振り返りは、学びを定着させるためには必須のステップです。参加者全員が一歩立ち止まり、「ゲーム中の行動」「そこから得た気づき」「実務に置き換えた場合にどう活かすか」を対話形式で深めます。

いくつかの質問例をあげると・・・

•「どんな成功体験があったか?その要因は何だと思うか?」
•「上手くいかなかったとき、チーム内のコミュニケーションにどんな課題があったか?」
•「自分の日頃の仕事の進め方と照らし合わせてみて、新たに発見したことはあるか?」

心理的安全性を高めるための具体的なゲームのご紹介

他己紹介ゲーム

【概要】


参加者がペアを組み、お互いの趣味や意外なエピソード、最近の関心事などをヒアリングし合い、最後にペア相手を全体へ紹介します。

【効果】

1.傾聴力 相手の話を引き出すために質問したり、頷いたりすることで、普段の会話では鍛えづらい傾聴力を強化できます。

2.自己開示
自分のことを相手に話すことで、適度な自己開示が生まれ、相互理解が深まります。

3.場の盛り上がり
ユーモラスなエピソードや意外な共通点などが発見されると、自然に笑いが起こり、心理的安全性が高まります。

運営のコツとしては、ヒアリングの時間を3〜5分程度に区切り、「全体紹介は短く、ポイントを凝縮して話してもらう」ようにするとテンポが良くなります。ファシリテーターは積極的に参加者の発表を拾い、「面白いですね!他には?」といった形で盛り上げるといいでしょう。

タワーづくりゲーム(ペーパータワーなど)

【概要】

制限時間内に紙とテープ、あるいは紙コップなどの限られた資源を使ってできるだけ高いタワーを作るというゲームです。

【効果】

1.チームワーク
高さを競うだけではなく、どうやってリソースを分配するか、どのように役割分担をするかなど、自然に協力が生まれるでしょう。

2.失敗とリトライ
タワーが崩れたり、思ったよりも高さが出なかったりするときのリカバリー方法を試行錯誤する過程で、失敗に対して寛容な空気が育まれるでしょう。

3.創意工夫
シンプルな素材ゆえに、多様な発想力と実行力が試される。途中で設計変更が必要になるなど、「計画と修正」のリアルなプロセスを体験できます。

このゲームは時間配分と振り返りが重要です。15〜20分程度でタワーを作らせ、その後「どんな工夫をしたか」「うまくいかなかった理由は何か」を共有します。プレゼンタイムを設け、各チームの成果と学びを発表し合うとより効果的です。

ペーパータワー

インプロ(即興演技)ゲーム

【概要】

演劇の即興手法「インプロ」を取り入れたゲームです。シーンや役柄、キーワードが指定され、その場のひらめきでストーリーやセリフを展開していきます。

【効果】

1.肯定の姿勢(Yes, and …)
インプロでは、相手が出したアイデアを否定せずに受け止め(Yes)、さらに発展させる(and)ことが基本ルールとなります。自然に「相手の意見を受け入れる」コミュニケーションが身に付きます。

2.柔軟な思考
予想外の展開が起こるため、慣習や固定観念にとらわれずに即興で対応する力を伸ばせます。

3.お互いをサポートする意識
相手が困っているときに助け舟を出したり、流れをスムーズに繋げたりと、チーム全員がサポート精神を発揮しやすい環境が生まれます。

最初は恥ずかしがる人もいますが、ファシリテーターがモデル演技をしたり、失敗しても笑い合える雰囲気を作ることで乗り越えやすくなります。短時間でのセッションを何度か繰り返して慣れていくのがおすすめです。

ゲーム進行と雑談・アイスブレイクの組み合わせ方

導入前にアイスブレイクや雑談タイムを設ける

ゲームを始める前に「ちょっとした雑談」や「アイスブレイク」を入れることで、まだ硬さの残る場の空気を和らげておきます。たとえば自己紹介を兼ねた質問カードを配り、「好きな旅行先は?」などの問いに答えてもらうだけでも、参加者同士の会話が活発になります。

【ポイント】
アイスブレイクに時間をかけすぎると、メインのゲームに使える時間が減るので、5〜10分程度のコンパクトな内容にまとめるとよいでしょう。

ゲーム終了後にも雑談を促す

ゲームが終わった後は、それまでの体験が共有されているため、一種の「仲間意識」が芽生えやすいタイミングです。振り返りを終えたあとに5分ほどフリータイムを設けておくと、「あの場面はどうだった?」といった雑談が自然に生まれます。これによって、さらなるアイスブレイク効果や、今後の仕事での連携のきっかけが得られます。

ファシリテーターが「聞き役」に回る

進行役となるファシリテーターや講師は、自分が話しすぎるのではなく、参加者の声を引き出すことを意識します。たとえば、ゲーム中に誰かが面白いアイデアを出したときには、「それ、とてもユニークですね!詳しく聞かせてもらえますか?」と問いかけてさらに話を広げていくようにします。

【ポイント】
ファシリテーター自身が楽しそうにしていると、参加者も安心して会話に参加しやすくなります。「聞く→肯定する→もう一度尋ねる」といったやり取りが重要です。

失敗しがちなポイントと対策:心理的安全性を損なわないために


ビジネスゲームを活用して心理的安全性を高めようとしても、運営方法や環境によっては思わぬ失敗や逆効果につながるケースがあります。

ここでは、よく見受けられる4つの失敗事例と、それを防ぐための具体的な対策を詳しく解説します。

①ゲームが複雑すぎて理解できない

失敗例

•ゲームのルールが多数存在し、参加者が最初の説明で混乱してしまう。
•資料やスライドで長々と説明するだけで、実際のプレイイメージがわかず、本番で質問が殺到する。
•「結局何をやればいいの?」という声が場のあちこちから上がり、開始前から士気が下がる。

なぜ心理的安全性を損なうのか?

•ルール理解に苦労するあまり、チーム内で「自分だけ分かっていない」と感じる人が生まれたり、焦りや不安が募ったりするため。
•説明が冗長になると参加者が退屈し、ゲームに対する興味や意欲を失いがちになり、「みんなで楽しみながら学ぶ」というムードを作れない。

対策のポイント

1.ルールはシンプルに
ゲーム要素を絞り込み、なるべく「最小限のルール」で成り立つように設計します。特に初回実施や短時間の研修では、覚えきれないほど多くの手順を盛り込まないことが大切です。

2.説明は段階的に行う
いきなりすべてのルールを一気に伝えるのではなく、「まずは基本的な流れだけ説明 → 簡易版で試しにやってみる → 必要に応じて追加ルールを説明」と段階を踏むと、参加者の理解度が高まりやすくなります。

3.デモプレイや具体例を見せる
テキストだけでなく、ファシリテーターや数名の参加者とデモプレイを行い、実際の進め方を視覚的に提示しましょう。1ラウンドだけお試しプレイする時間を設けるのも効果的です。

②盛り上がりすぎて学びが浅くなる

失敗例

•ゲーム自体は大いに盛り上がるものの、「ただ楽しかっただけ」で終わってしまい、学びや気づきが残らない。
•「勝ち負け」「レクリエーション」だけに注目が集まり、チームワークやコミュニケーションの質に目を向ける機会がない。
•参加者が振り返りを十分に行わないまま解散し、その場限りのイベントになってしまう。

なぜ心理的安全性を損なうのか?

•「単なるお遊び」として認識されると、普段の仕事の中で同じようにチャレンジしようという意欲や、失敗を恐れずに行動しようという姿勢が育ちにくい。
•また、学びが曖昧なままだと、次に同じようなゲームを実施するときに「時間のムダ」と感じる人も増え、ゲームそのものの意義を疑う空気が生まれる。

対策のポイント


1.学習の場であることを意識づける
ファシリテーターが冒頭で「楽しみながらも学びを深める場である」ことを強調し、ゲーム自体が目的ではなく、そこから得られる気づきや行動変容がゴールであると伝えましょう。

2.振り返り(リフレクション)の時間を確保
ゲーム終了後にしっかりと時間を取り、「何がうまくいったか」「何に苦労したか」「実務に活かせるヒントは何か」を参加者同士で話し合います。少人数グループで共有した後、全体にフィードバックするのも効果的です。

3.ファシリテーターによる問いかけ
「楽しかったですね」で終わらせず、「なぜそうなったのか」「他にやり方はなかったか」などの問いを投げかけることで、気づきの深度を高めます。勝ち負けの結果やゲームの展開だけでなく、チームワーク・コミュニケーションに注目を促すよう誘導しましょう。

③特定の人ばかりが発言してしまう

失敗例

•声の大きい人やリーダータイプが主導権を握り、他の参加者は「聞くだけ」「指示に従うだけ」になってしまう。
•ゲーム進行中、ほとんどの意見が一部の人に偏り、他のメンバーはモチベーションを失いがち。
•結果的に「チームビルディング」が目的だったはずが、チーム内格差が広がる形になってしまう。

なぜ心理的安全性を損なうのか?

•一部の人しか発言できない状況では、「自分が意見を言っても意味がない」と感じる人が増え、声を上げにくい雰囲気が定着してしまう。
•「このチームは強い意見をもつ人が仕切る場所」という認識が生まれ、参加者のチャレンジ精神や主体性をそぐ結果になる。

対策のポイント

1.小グループやペアワークを活用
大人数でいきなりディスカッションすると、発言しづらい人が埋もれやすい。まずは2〜4名ほどの小グループで話し合う時間を設け、各グループの意見を共有する形式にすると、多様な声が拾いやすくなります。

2.役割分担やローテーション
進行役、書記、タイムキーパーなど、ゲーム内で役割を明確に設定し、それをメンバー間でローテーションすることで、全員が何らかの形で責任を担い、発言する機会を得られます。

3.順番に意見を出す仕組みづくり
ブレーンストーミングなどの段階で、「1人1アイデアを順番に出す」といったルールを加え、全員が一度は発言する場を保証すると、特定の人に偏るリスクを軽減できます。

④失敗やミスを笑い物にする空気が生まれる

失敗例

•ゲーム中のミスや判断ミスが起きた際に、参加者同士が揶揄し合ったり、非難や嘲笑が起きてしまう。
•「あの人がミスしたせいで負けた」「やっぱり○○さんには任せられない」などの否定的コメントが飛び交い、当事者が萎縮する。
•ゲーム後も、その失敗をからかう風潮が続き、当事者が居心地の悪い思いをし続ける。

なぜ心理的安全性を損なうのか?

•心理的安全性は「安心して発言・挑戦できる環境」が前提。失敗やミスに対して嘲笑や責めの言葉が向かうと、「自分もそうならないように……」と行動を萎縮させ、意見やアイデアを引っ込めてしまう。
•チーム内の信頼関係を大きく損ねる結果となり、学びや気づきどころか、「失敗すると怖い」という消極的な風土が強まる。

対策のポイント

1.「失敗は次へのステップ」と明言する
ファシリテーターがゲームの開始前や進行中に「失敗やミスが出ることこそ意味がある」と繰り返し呼びかけることで、失敗を肯定的に捉える姿勢を促します。特に日本の文化では「失敗=悪いこと」という認識が根強いので、意識して言語化することが重要です。

2.肯定的・建設的なフィードバックを推奨する
ミスや失敗が起きた際、「何が原因だったのか」「次に活かせるアイデアはあるか」を建設的に考える姿勢を徹底します。ゲーム後の振り返りでも、「失敗したシーン」を共有して笑い者にするのではなく、学びに変える雰囲気づくりを心がけます。

3.ファシリテーターが即座に修正する
嘲笑や否定的な言動があった場合、スルーせずに「そこは責めるところではない」「せっかくの学びの場なので、どうすれば次はうまくいくか考えましょう」といった形でさりげなく制止し、建設的な方向へ話題を戻します。これを素早く行うことで、ネガティブな空気の蔓延を防げます。

ビジネスゲームは、チームビルディングや心理的安全性の醸成において大きな効果を発揮する一方、その運営方法を誤ると逆効果をもたらす恐れもあります。ここで紹介した4つの失敗例と対策をまとめると、以下のような視点が重要です。

1.ルールをわかりやすく提示し、段階的に理解を促す
2.ゲームを“楽しむ”だけでなく“学び”につなげるために、振り返りをしっかり行う
3.あらゆる参加者が発言・行動しやすい仕組みをデザインする
4.ミスや失敗に対しては建設的なフィードバックを行い、否定的な空気を早期に修正する

これらのポイントを押さえれば、ビジネスゲームが「ただのレクリエーション」や「逆効果」にならず、心理的安全性を高めるための有効な手段として活用しやすくなります。ファシリテーターや主催者は常に参加者の反応を観察しながら、学びの深度と安全な空気づくりの両輪を意識し、成功に導いていきましょう。


まとめ


心理的安全性が高い組織やチームは、互いを尊重し合い、自由にアイデアを出し合えることから、結果的にイノベーションや生産性の向上につながるとされています。しかし、ただ「遠慮しないで話そう」と呼びかけただけでは、その土台となる信頼関係や雰囲気づくりが不足しがちです。

そこでビジネスゲームと雑談力、アイスブレイクを組み合わせることで、以下のような大きなメリットを得られます。

●楽しみながら学ぶ体験: アクティブに取り組むことで、チームが一体感を持ちやすくなる。
●失敗に対する寛容さ: ゲームならではの失敗やハプニングを受け入れる体験が、現場でも「挑戦しやすい」風土を醸成する。
●自然なコミュニケーションの促進: 雑談やアイスブレイクによって、メンバー同士の壁が低くなり、率直な意見交換が行いやすくなる。

このような仕掛けを意図的に取り入れると、「心理的安全性を高める」組織文化づくりを加速させられます。研修やチームビルディングでの導入を検討している方は、ぜひ本コラムで紹介したポイントを参考にしながら、自分たちの目的に合ったゲームを企画・実践してみてください。きっと、参加者一人ひとりの新たな一面を発見できることでしょう。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間100登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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