内定者研修や入社直後の新人の方から受ける相談の1つとして、
「社会人になったら、どうやって仕事を進めていけばいいのか不安です。」というお声を頂戴したりします。
今回は、仕事の基本となる指示の受け方の型(テクニック)をご紹介したいと思います。
【指示の受け方の型】
①名前を呼ばれたら、すぐに「はい!」と返事をする
上司や先輩から名前を呼ばれたら、作業していても、一旦、手を止め、
相手に顔を向け、明るい声で「はい」と返事をしましょう。
返事したら、すぐに椅子から立ち上がり、
椅子は机の下に入れ、メモや手帳を持って上司のもとへ向かいます。
大きく気持ちの良い返事とキビキビとした動作をしていれば、
仕事に対する意欲や前向きさが感じられ、上司からの印象も良るでしょう。
呼ばれたときのNG例
×相手の顔を見ずに返事をする
×「は~~~い!」と長い返事
×「はい・・・」とボソッとした小さい声で返事して聞き取れない
もし、仮に作業中で、手が止めれない場合でも、
一旦、手を止めて、上司のところに行き、「申し訳ございません。今、○○の仕事をしていて、
あと30分ほどお時間いただきたいのですが、お急ぎでしょうか?」のように確認しましょう。
②指示内容を6W3Hの視点でメモをする
指示内容をよく聞きながら、メモを取ります。
その際に「6W3H」の視点で、指示者の指示を受け取りましょう。
6W3H(Why、Who、What、When、Where、Whom、How、How much、How many)を
意識して確認することで、指示の抜け漏れがなくなりやすいです。
【6W3H】
Why:なぜ、なんのためにWho:誰が
What:何を
When:いつ、いつまでに
Where:どこで、
Whom:誰に
How:どうやって
How much:いくら
How many:いくつ、どのくらい
きっちりとわかりやすく指示をする人もいれば、あいまいな指示が多い人の場合もあります。
あいまいな指示を受けた場合でも、指示者が何を求めているか、 指示者が求める成果物はどういったものか?と、相手目線で考える癖を付けましょう。
とくに意識した方が良いのは、指示者は誰のために、その仕事の依頼をしてきたのかという点です。 指示者の先にいる相手のリクエストも頭に入れて、仕事を進めていきましょう。
指示を受ける最中のNG例
×指示の途中で質問を入れる
×いい加減なあいづちを打つ
指示の途中で、分からない点や疑問点が出てきたときは、質問をした方が良いのでしょうか?
上司や先輩によりけりですが、基本的には、指示が終わった後にまとめて質問をしましょう。
指示の話を遮って、言葉を挟むと、相手の指示の全体像がつかめなくなりますし、
相手の話の流れやテンポを崩してしまう可能性があります。
③指示を受け取った後の確認行動
指示内容に間違いがないように、指示内容を復唱して、
受け取り手(自分)と指示者(相手)の認識にズレがないかを確認しましょう。
復唱して、確認すべき点は、特に次の3点は重要です。
・数字に関すること(期限、金額、数量など)
・具体的な名称(商品名、人名、社名など)
・指示の具体的な成果物
指示を聞いていて、分からなかった点や疑問点があれば、
指示を受け取った後にまとめて確認をしましょう。
④指示の実行中の動き
上司から指示を受けた業務を実行していて、わからないものが出てきたら、質問を必ずしましょう。
自分で調べてもわからないときは教えてもらえるまで『待つ』のではなく、自分から質問をしに行きましょう。
その際、教えてもらう相手への気持ちを配慮しなければなりません。
指示者は忙しい中、時間を割いて指導をしてくれています。
同じ質問を何度もしなくて済むよう、 質問のタイミングや質問の内容はあらかじめ整理して確認しましょう。
⑤指示が完了したとき
指示された業務が完了したときは、必ず指示者に完了した旨を報告しましょう。
指示を受ける際の注意点
(1)指示が重なった場合
同じ上司から複数の指示を同時に受けた場合、既に取り組んでいるものがあるときに、 新たな指示を受けた場合は、自己判断せず、上司にあらためて優先順位を確認しましょう。
また、緊急案件が発生し、上司に確認する時間がないときなどは、対応すべきことはすぐに行い、 その後、必ず上司に報告して、あらためて指示をあおぎましょう。
(2)メールで指示を受ける場合
指示は対面(口頭)だけでなく、メールで指示を受けることも多くあります。
メールは、送った相手に受信した人がメールをちゃんと読んでくれたかどうかはわかりません。 メールで指示を受けた場合は、指示が自分に伝わったことを必ず返信する必要があります。
今回は、仕事の基本となる指示の受け方の型をご紹介しました。
これからドンドン仕事の指示が飛んでくると思いますので、指示の受け方を覚えて、スムーズに業務ができるようにしていきましょう。
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。