目次
ゲーム概要紹介：『財務ファクトリー』とは
なぜ『財務ファクトリー』を導入するのか
『財務ファクトリー』導入のポイント
財務ファクトリー導入時の注意点
研修効果の測定方法
Q&A形式：よくあるご質問
ゲーム概要紹介：『財務ファクトリー』とは
なぜ『財務ファクトリー』を導入するのか
『財務ファクトリー』導入のポイント
財務ファクトリー導入時の注意点
研修効果の測定方法
Q&A形式：よくあるご質問
ゲーム概要紹介：『財務ファクトリー』とは
「財務ファクトリー」は、企業経営のプロセスを模擬し、売上や利益、資金繰りの重要性を体験的に学べるボードゲームです。具体的には、参加者は「製造業の経営者」となり、原材料を調達し、製品を製造・販売して利益を出す流れをシミュレーションします。
ゲームの基本情報
•目的：財務の基礎を体験型で学び、意思決定スキルを向上させる
•内容：製造・販売を通して、売上・コスト管理や財務諸表作成の重要性を理解する
•所要時間：3〜4時間程度
•対象：新入社員、若手社員、中堅社員、管理職
シンプルなルールと競争要素により、ゲーム未経験者でも楽しく参加できる点が特徴です。
財務会計を楽しく学べるゲーム：財務ファクトリーのご紹介
(https://business-games.jp/financegame_zaimufactory/)
(https://business-games.jp/financegame_zaimufactory/)
なぜ『財務ファクトリー』を導入するのか
財務知識を学ぶ方法には座学形式の研修やeラーニングなどがありますが、これらは「聞いて終わり」になりがちです。多くの参加者は「情報をインプットしただけで、実際の業務でどう使えばいいかわからない」と感じてしまいます。
しかし、「財務ファクトリー」は参加者自身が意思決定を行い、その結果を見える形で受け取ることで、財務知識を体験的に身につけられます。
具体的な効果
1. 財務概念を“体験”として理解
財務の基本知識である「利益を出すための仕入れ・販売戦略」や「資金繰りの重要性」を実際の業務フローに沿ったシナリオで体験しながら学ぶことができます。例えば、ゲーム内で「原材料費が急騰したため、利益確保のために価格を見直すべきか」「在庫を持つことで需要増加時に対応できるが、資金繰りが悪化するリスクはどうするか」といった経営判断を求められる場面があります。これにより、抽象的な知識ではなく、具体的な意思決定プロセスとして理解が深まります。 2. 主体的な行動を促進
「財務ファクトリー」は個人対抗形式を採用しているため、各参加者が自らの意思決定に責任を持つことで、自律的に行動する姿勢を育むことができます。ゲーム内での選択や結果に対する責任感が、実務での主体性にもつながります。 また参加者一人ひとりの財務知識や意思決定力がゲーム結果に反映されるため、各人のスキルレベルや課題を具体的に把握することが可能です。この情報を基に個別の成長プランを策定することができます。個人ごとの成績が明確に可視化されるため、自分の強みや改善すべき点を把握しやすくなります。これにより、次回以降の研修や業務での行動に具体的な目標を設定しやすくなります。 3. 財務知識が業務改善につながる
ゲームで学んだ「数値管理に基づく意思決定の重要性」は、実際の業務改善に応用できます。ある営業部門では、「財務ファクトリー」を受講した後、営業担当者が契約の条件交渉時に「売上」だけでなく「利益率」や「在庫回転率」などの指標を重視し、契約後の収益性が改善された例があります。このように、ゲーム中で得た気づきが現実の業務に生かされることで、業務効率化や収益性の向上に寄与します。
『財務ファクトリー』導入のポイント
① 導入目的を明確にする
「財務の基礎知識を定着させたい」「意思決定力を強化したい」「数値管理能力を向上させたい」など、導入時には研修の目的を明確に設定することが重要です。目的が定まることで、プログラムの進行方法やフィードバックの内容を最適化でき、参加者の学びを業務に直結させる形で活かすことができます。 例えば、新入社員向け研修では「基本的な財務諸表の理解」を重視し、よりシンプルな流れで進めます。一方で、管理職研修では「複雑な投資判断」や「資金調達方法」など応用的なテーマを追加することで、目的に応じた学びが得られます。
② 受講者のレベルに合わせた運用
受講者の業務経験や財務知識レベルに応じた柔軟な運用が求められます。例えば、新入社員の場合は「貸借対照表（B/S）や損益計算書（P/L）」の基本的な項目の意味を説明した上でゲームを進めることで、スムーズに理解を深められます。 中堅社員や管理職を対象とする場合は、「キャッシュフロー計算書の分析」や「投資判断におけるリスク評価」などの要素を追加し、より高度な意思決定を求めることで、実務に近いシミュレーションを行うことができます。また、必要に応じて補足資料や事例を提供し、ゲーム中の理解をサポートすると効果的です。
③ ゲーム後の振り返りを重視する
ゲーム終了後には振り返りを行う時間を設けることで、財務知識の定着を図りましょう。例えば、次のような質問を使って振り返りを行うと効果的です： ー「どの意思決定が利益最大化に寄与したのか？」
ー「なぜ特定の意思決定が失敗につながったのか？」
ー「現実の業務で同様の状況に直面した場合、どう対応するか？」 ディスカッションを通じて「学びを業務にどう生かすか」を考える機会を提供することで、より実践的な知識の定着が期待できます。また、講師が補足説明を行い、現場での応用例を示すことで、さらなる理解が深まります。
財務ファクトリー導入時の注意点
① 運営準備
進行役がルールを正確に理解し、スムーズに進められるように事前準備を行うことが大切です。特に初めて導入する場合は、ゲーム進行のリハーサルを行い、想定外の質問やトラブルにも対応できるようにしておきましょう。また、参加者からよく出る質問をまとめたFAQを用意することで、スムーズな進行が期待できます。 ② 適切な時間配分
ゲームが長時間になると、集中力が切れてしまうことがあります。そのため、全体の流れを見ながら適切なタイミングで休憩を挟むなど、メリハリのある時間配分を心がけましょう。短時間のセッションを複数回行う形式や、「ミニゲーム形式」を採用することで、飽きずに取り組める工夫も有効です。 ③ 参加意識の向上
参加者全員が積極的に参加できるよう、アイスブレイクや役割の割り振りを工夫しましょう。例えば、ゲーム開始前に「財務用語クイズ」を出し、参加者同士のコミュニケーションを促すことで、スムーズなチームプレイが期待できます。また参加者の意識を変革し、自発的な行動や意思決定力を高めることが最終的な目標ですし、特に個人戦形式では、個々の競争心や主体性を引き出す設計が重要です。 1. 明確な個人目標の設定
研修開始時に、参加者それぞれが具体的な目標を設定します。
目標設定例
「利益率を30％以上達成する」
「在庫を最小化しながら売上を最大化する」
「貸借対照表の完成を正確かつ迅速に行う」 個人目標を設定することで、参加者は自己の課題に集中しながら研修に臨むことができます。また、ゲーム終了後に目標達成の振り返りを行うことで、自己評価が可能になります。 2. 個人成績の可視化
参加者全員の成績を一覧化して共有することで、競争意識を刺激します。 ●ランキング形式
総利益や利益率のランキングを発表し、上位者を称賛する。
●成績要因の分析
各自の意思決定や戦略がどのように結果に結びついたのかを分析・発表。
「この選択が成功の鍵だった」といったフィードバックを行い、次のステップへの学びを促します。
個人ごとに具体的なフィードバックを行い、改善点や成功点を示します。
– 「あなたの意思決定は売上を拡大するには適切だったが、在庫管理でコストが膨らんだ点が改善の余地です。」
– 「原材料の調達コストをもう少し抑える戦略が取れれば、利益率がさらに向上しましたね。」
フィードバックは、個人が自分の行動を振り返り、具体的な改善策を考えるきっかけになります。
これらのポイントを押さえることで、「財務ファクトリー」をより効果的に活用し、参加者の財務知識向上と組織全体の業務改善を目指しましょう。必要に応じて、導入時の目的や参加者の特徴に合わせたアレンジを加えることで、研修の成果がさらに高まります。
研修効果の測定方法
「財務ファクトリー」を導入した後に、研修の成果を測定することは重要です。参加者が研修を通じてどれほどの知識を得たのか、業務にどのように活用できているのかを可視化することで、効果を実感しやすくなり、次回以降の研修内容の改善にも役立ちます。以下では、研修効果を測定する具体的な方法をご紹介します。
1. 研修前後のテスト実施
研修前後で財務用語や数値管理の理解度を測定するテストを実施することで、参加者の理解度の変化を数値化できます。 具体例
– 研修前のテスト：基本的な財務用語（「損益分岐点」「キャッシュフロー」「在庫回転率」など）の理解度を確認するための簡単な選択問題や用語説明問題を実施。
– 研修後のテスト：同じ形式で理解度を測定し、正答率や改善点を比較することで、どの程度知識が定着したかを可視化します。
例：研修前は「損益分岐点」の意味を理解していた参加者が50％だったが、研修後は90％に向上した。
2. 業務成果に関連するKPI設定
受講後の業務改善効果を確認するために、具体的なKPI（重要業績評価指標）を設定し、業務パフォーマンスをモニタリングします。 設定例
＜営業部門の場合＞
- 利益率の変化：研修受講後、各案件の利益率が向上しているかを測定。
- 在庫回転率の改善：受注に対する在庫管理の精度向上を確認。 ＜管理部門の場合＞
- キャッシュフロー管理精度：資金繰り表の作成精度や更新頻度が向上しているかを確認。
- 予算遵守率：予算内で運用できているかをチェック。
3. アンケート調査の実施
参加者から直接フィードバックを得ることで、研修内容の改善点や実務活用における課題を把握できます。 質問例
- 「ゲーム中で特に印象に残った学びは何ですか？」
- 「業務に活かせると感じたポイントはどこですか？」
- 「ゲーム形式の研修はどの部分が理解に役立ちましたか？」 具体例
アンケート結果から、「在庫管理の重要性を理解した」「損益分岐点の考え方を実務で活用して契約の利益率が向上した」といったポジティブな声があれば、研修が業務改善につながっている証拠となります。
Q&A形式：よくあるご質問
「財務ファクトリー」の導入にあたり、多くの企業が抱える疑問をQ&A形式でまとめてみました。こちらの質問を確認していただき、実施前の不安を解消していきましょう。
Q1：どの部署で導入するのが効果的ですか？
A1：営業部門、企画部門、管理職層など、意思決定に数値管理が関わる部署で特に効果的です。例えば、営業部門では「受注前に利益率を確認する」という考え方を浸透させることができます。企画部門では、新規プロジェクト立案時のコスト試算や収支見込み作成スキルを育成できます。管理職層では、部門全体の予算管理や意思決定を改善する効果が期待できます。
Q2：参加人数が多い場合はどうすれば良いですか？
A2：複数のグループ(卓)を編成し、同時進行でゲームを進める方法があります。例えば、40人の参加者であれば、5〜6人の卓を8グループに分け、複数名のファシリテーターを配置して進行を円滑にするのが効果的です。
具体的な工夫例
・ファシリテーターの役割分担：
– 1人はゲームルール説明担当
– 1人は進捗確認と質問対応担当
・プロジェクターを活用した進行：各チームの状況を投影し、ゲームの進行状況を全体で共有することで、参加者の集中力を維持。
Q3：事前にどの程度の準備が必要ですか？
A3：ルール理解のためのリハーサルは推奨されますが、特別なツールや難しい操作は不要です。事前準備として以下の点に注意しましょう。
準備内容例
– ルール説明資料の配布：参加者が事前に目を通せるように簡単な説明資料を準備します。
– シミュレーション練習：研修担当者がリハーサルを行い、進行中に想定される質問やトラブルへの対応を確認します。
– 会場準備：ホワイトボードやタイマー、必要な資料をあらかじめ設置し、スムーズな運営を目指します。
具体例「初回導入時には、進行役が練習を行ったことで当日の質問対応がスムーズになり、参加者全員が集中して研修を受けられました」という声が寄せられています。
まとめ
財務知識は、すべての社員が身につけるべきビジネススキルのひとつです。しかし、従来の研修方法では理解が浅くなることもあります。「財務ファクトリー」は“体験”を通じて財務の重要性を学べる効果的なツールです。社員が財務知識を習得し、自らの業務に活かせるようになれば、会社全体の成長を後押しすることは間違いありません。まずはトライアルで体験してみて、その効果を実感してみてはいかがでしょうか？
【執筆者情報】
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間100登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。