ハラスメントが急増中!? ハラスメント25種類を紹介-そこから読み解くハラスメントが増加した背景とは?

ハラスメントが急増中!? ハラスメント25種類を紹介-そこから読み解くハラスメントが増加した背景とは?

ハラスメントが急増中!? ハラスメント25種類を紹介-そこから読み解くハラスメントが増加した背景とは?

パワハラ防止法が昨年、施行され、ハラスメント対策が急務になっています。ここ10年でたくさんのハラスメントが派生してきました。

セクハラ、パワハラを代表とする「ハラスメント」ですが、最近ではオワハラ(就活終われハラスメント)やスメハラ(香水の匂いがきついことによるハラスメント)など、ハラスメントの種類は年々増えています。

ハラスメントとは、日本語の意味として、「嫌がらせ」という意味で、相手に不快な感情を抱かせることを指します。 セクハラ、パワハラなどはテレビやネットでもよく目にすることが増えてきましたが、それ以外にもさまざまな「○○ハラスメント」の言葉がたくさん生まれ、仕事においても、仕事に関係ないプライベートのことにおいても、なんでもかんでも、ハラスメントという言葉で片付けてしまう風潮を問題視する声も増えてきています。

ここ10年で、日本でもハラスメントに対する法律面での対応は進められています。

例えば、セクハラに対しては、男女雇用機会均等法。
マタニティハラスメントに対して、育児・介護休業法。
そして、パワハラに対しては、パワハラ防止法(大企業は2020年6月1日、中小企業は2022年4月1日より施行)。

このように、国としても、法律による環境整備をし、企業に対するハラスメント対策を促進するようにしているのです。

しかし、どんなときにハラスメントになるのか?どんなものがハラスメントと言われるのか?というハラスメントになるのか?どこからがハラスメントになるのか、その線引きが難しいことや、ハラスメントの種類がここ数年で増えていることから、すべてを網羅できる対応はまだまだ整ってはいない状況なのです。

ハラスメントの定義

ハラスメントの定義としては、行為者がどう思っているのかどうかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントになり得ること。
※ただし、客観的に正当性が認められる場合はハラスメントにはなりません。

また厚生労働省が定める職場の各ハラスメントの定義では、下記のようになっております。

職場のパワーハラスメントとは


職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすものをいいます。 なお、客観的にみて、業務上必要かつ相当な範囲で行われる適正な業務指示や指導については、職場におけるパワーハラスメントには該当しません。

職場のセクシュアルハラスメントとは


「職場」において行われる「労働者」の意に反する「性的な言動」により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。

職場の妊娠・出産・育児休業等ハラスメントとは


「職場」において行われる上司・同僚からの言動(妊娠・出産したこと、育児休業、介護休業等の利用に関する言動)により、妊娠・出産した「女性労働者」や育児休業・介護休業等を申出・取得した「男女労働者」の就業環境が害されることをいいます。 これらは、マタニティハラスメント(マタハラ)、パタニティハラスメント(パタハラ)、ケアハラスメント(ケアハラ)と言われることもあります。

厚生労働省:あかるい職場応援団 サイト参照

最新版では、83個のハラスメントが存在!?とりあえず、25個のハラスメントをご紹介

ハラスメントは、パワハラやセクハラなど20年近く前から言われていて、耳馴染みのものあれば、オワハラ、スメハラ、カラハラなど、増えすぎて、ついていけない!と思われている人も多いのではないでしょうか?最新2021年では、83個のハラスメントが確認されているそうです。
参考:https://flyfsa.com/post_10271

ここからハラスメントの種類と内容について、簡単に紹介します。正しい知識を身につけて、ハラスメント対策の一手にしてみてください。

①パワーハラスメント(パワハラ)

職務上の地位や役職などの優位性を利用して嫌がらせをするハラスメントです。 部下への必要以上の命令や、理不尽な怒りをぶつける、殴る・蹴るといった暴力行為がこれに当てはまります。上司から部下だけでなく、人間関係上優位性を持った部下から上司に行われる場合もあるようです。

②モラルハラスメント(モラハラ)

モラハラとは、「お前は役立たずだ」など、倫理や道徳に反した嫌がらせ、という意味です。 暴力行為ではなく、言葉や態度で相手に嫌な思いをさせることがモラハラに該当します。 モラハラ例としては、「相手を無視する」、「暴言をはく」、「嫌みを言う」、「ののしる」といったものです。

③セクシャルハラスメント(セクハラ)

セクハラとは、性的な嫌がらせのこと。一般的に男性から女性に対してのイメージが強いですが、女性から男性、同性同士でも行われている場合もあります。 セクハラには大きく分けて2つのタイプがあるとされています。 1つ目が「対価型セクハラ」です。 これは「俺と付き合えば、、、性的な要求を受け入れれば、、、良い評価を与えてやろう」といって、性的な言動を強要するものです。 2つ目が「環境型セクハラ」です。ヌード写真をデスクトップに設定したり、お酌を女性に強要したり、明確な不利益を伴わなくても職場環境を悪化させるものを指します。

セクハラ

④時短ハラスメント(ジタハラ)

時短ハラスメントは、業務時間を短くしようと行き過ぎた場合に起こり得るものです。働き方改革で、残業を減らそう!という時勢になっていますが、行き過ぎてしまうと、それもハラスメントになってしまうのです。仕事量は変わらないのに「残業してないで、早く帰れ」と言われ、勤務終了後に自宅や自宅近くのカフェで、目に見えない残業を結局してしまうことになれかねません。

⑤カスタマーハラスメント(カスハラ)

カスタマーハラスメントは、顧客による悪質行為のことを言います。保証期間が過ぎているのに「無料で修理しろ!」と言ったり、些細なことにイチャモンをつけ「土下座しろ!」と言ったり、適正なクレームではなく、悪質な行為が最近、増えてきたようです。

⑥リストラハラスメント(リスハラ)

リストラハラスメントとは、社員を自主退職に追い込むハラスメントです。 いきなり、違う部署に異動させて、「合わないなら辞めてもらって結構」と、自主退職を強制させる行為を指します。

⑦テクノロジーハラスメント(テクハラ)

パソコンやスマホ、インターネット、アプリなど、IT技術に詳しい人が、それらを苦手とする人に対するハラスメントです。

パスコンのタイピングで、「おいおい、『右クリックで文章のコピー』をするんじゃなくて、『Ctrl+C』すれば、一発で文章コピーなんてできるだろ!?こんな初歩的なこともわからんのか!」と、「こんな簡単なことも分からないの?」とパソコンの知識不足などを馬鹿にし、嫌がらせをすることです。

⑧就活終われハラスメント(オワハラ)

就職活動中の人に対して、内定と引き換えに就活を終わるように迫ることです。 「うちで内定をあげるから、もう他の会社は受けるな」「うち以外は、君なんて採用しないよ」と「内定をもらえなかったらどうしよう」と不安な就活生の心に漬け込んだハラスメントです。

⑨マリッジハラスメント(マリハラ)

マリッジ(結婚)に関するハラスメントです。独身者、未婚者に対して「もう歳なんだから、そろそろ結婚しないの?」などと聞いたり、「そんなだから結婚できないんだよ」と、嫌味をいう事を指します。

⑩マタニティハラスメント(マタハラ)

妊娠している人、また出産した人に対するハラスメントです。 「この忙しい時期に出産で休むなんて、、、」「産休でいなかった間、私たち大変だったんだから、これぐらいやってよね」と、精神的・肉体的に嫌がらせを行うことを指します。妊娠をきっかけに降格されるといったケースもあるようです。

⑪パタニティハラスメント(パタハラ)

母親に対してのマタニティハラスメントに対して、父親に対して行われるのがパタニティハラスメント。育児休暇に対して文句を言ったり、育児休暇の利用を妨害したりする行為がこれに当たります。

⑫子なしハラスメント

子どもがいない夫婦に対して「子どもはまだ?」と執拗に聞いたり、「ご両親も孫の顔が見たいはず」などと無駄にプレッシャーをかけてきたりすることを、子なしハラスメントと言います。

⑬エイジハラスメント(エイハラ)

ハラスメントは、若者に対して行われるものでもありません。例えば、中高年の社員に対して、「もう●歳なのに平社員なんだ」「歳なんだから無理しないでください」などと言って、嫌がらせすることを指します。

⑭ケアハラスメント(ケアハラ)

家族の介護をする社員に対して、会社側が介護休暇の取得を邪魔したり、介護を理由に降格したりするハラスメントです。高齢化社会において避けられない問題になってくるかもしれません。

⑮ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)

心理的・社会的な性別を指すのがジェンダーです。ジェンダーハラスメントとは、つまり、男性に対して、「男らしさ」、女性に対して、「女らしさ」を強要するハラスメントです。これは「男なのに可愛いものが好きなんておかしい」「女なら謙虚に」と根強く残る偏った性別に関する見方が引き起こすのです。

⑯ソジハラスメント(ソジハラ)

SOGI(ソジ)ハラとは、性的指向や性自認を理由にハラスメントを行うこと。SOGIとは、Sexual Orientation(性的指向) とGender Identity(性自認)の略で、性的指向や性自認に関連して、差別やいじめ、暴力などの精神的・肉体的な嫌がらせを受けること、あるいは、望まない性別での学校生活・職場での強制異動、採用拒否や解雇など、差別を受けて社会生活上の不利益を被ることを指します。

⑲レイシャルハラスメント(レイハラ)

レイシャルハラスメントは、人種差別的なハラスメントです。 外国人やハーフの人に対して行われ、アメリカではセクハラと並ぶ一般的な問題とされています。 「〇〇人だから大雑把」「英語喋ってみてよ」など個人を無視し、国のイメージで相手を差別する行為がレイハラです。

⑳アルコールハラスメント(アルハラ)

お酒が飲めない人や、お酒が弱い体質の人に上下関係や罰ゲームなどを利用して飲酒を強要するのがアルコールハラスメントです。宴会に酒類以外に飲み物を用意しないのもアルハラに該当します。急性アルコール中毒につながることもあり、直接命に危険が及ぶ可能性のあるハラスメントです。

㉑スモークハラスメント(スモハラ)

スモークハラスメントは、タバコを吸わない人に対して無理に喫煙させたり、隣でタバコを吸って受動喫煙(喫煙者が吐いた煙などを吸ってしまうこと)させたりすることです。 タバコの煙は、健康に悪影響を及ぼしますし、服や髪に臭いがついてしまったり、非喫煙者にとってはとても迷惑なもの。それを考慮せず、喫煙してしまうとハラスメントとされてしまう可能性があります。

㉒カラオケハラスメント(カラハラ)

カラオケハラスメントとは職場の立場を利用して、歌いたくないと言っている人に対し無理やり歌わせる嫌がらせのこと。

㉓ソーシャルハラスメント(ソーハラ)

ソーシャルハラスメントとは、SNS(ソーシャルネットワークサービス)に関する嫌がらせです。 主にTwitterやFacebook、InstagramなどのSNSに職場関係が持ち込まれてトラブルやストレスを引き起こすことです。 上司が部下に友達申請を強要したり、「いいね!」を強要したり、部下の投稿を常に監視し、不快な言動を与える行為がソーハラと言われます。

㉔スメルハラスメント(スメハラ)

体臭や口臭、強すぎる香水や柔軟剤などのにおいによって他人を不快にさせる行為がスメルハラスメントです。自分のにおいは自分自身で気付きにくく、無意識に行ってしまう可能性が高いハラスメントと言えるでしょう。

㉕ハラスメントハラスメント(ハラハラ)

ハラスメントハラスメントとは、自分が少しでも不快になると「それハラスメントです」と過剰に主張する嫌がらせのことです。 例えば、少し部下を注意しただけで、「パワハラで訴えます」と言われてしまう、部下に対して、「お子さん元気?」と言っただけで、ハラスメントで相談窓口に相談されたなど。ハラスメントに過敏になりすぎているこのご時世だから生まれたものでしょう。

ハラスメントの種類はどんどん増えているため、これからも増え続ける可能性はあります。 全てを覚える必要はありませんが、なぜハラスメントが増えてしまうかの理由、背景を知っておくと、冷静な職場環境づくりがしやすくなると思いますので、ここからはその点をご紹介していきます。

ハラスメントが増加してきている背景

ここ10数年、いろいろなハラスメントが派生してきましたが、ハラスメントが増えてきた背景として、考えられるのは、大きく3つの変化だと言われています。
『パワーハラスメント』の言葉を初めて使用したクオレ・シー・キューブ社の記事を参照:https://www.cuorec3.co.jp/taisaku/why.html

仕事環境の変化


ここ30年、パソコンの発達、インターネットの発達によって、仕事環境はすっかりアナログからデジタルに変容してきました。新しいサービスや新しいプロダクトを開発するためにも、世界中から様々な情報がリアルタイムに発信され、旬な情報をいち早くキャッチし、仕事に取り入れる必要性が出てきたのです。仕事環境が変化したことによって、仕事の進め方や仕事への価値観も変わってきました。

昔はよかったものが、今はダメになったようなことも多いのです。

昔(昭和~平成前期)であれば、「上司が部下にアルミの灰皿を投げつけて、叱責をする」ことや「資料を丸めて、頭をパンっとたたいて、注意をする」といった、今であれば、許されないようなことが、そこまでは問題にならなかったということもあるでしょう。おそらく昔からハラスメントとなり得る問題は存在していたのですが、それが問題視されることがなかっただけでしょう。仕事環境の変化によって、ハラスメントが顕在化してきて、増加してきたのでしょう。

コミュニケーションの変化


電話やメール、インターネット、SNSなど、私たちのコミュニケーションツールが進化した分、コミュニケーションの取り方にも変化が生じてきました。便利で楽しい反面、深い関わりや顔を合わせてのコミュニケーションが薄くなり、お互いの感情や思考にしっかりと向き合う機会が、これまで以上に減少しています。とくにメールやSNSなどの文面だけでは、感情が伝わり切らず、冷たい印象に伝わってしまったり、勘違いをされたり、ハラスメントの問題に発展することが多くなっているようです。

価値観の多様化


アンガーマネジメントの観点からも、怒りの感情によって、引き起こされる行動が結果的にハラスメント、とくにパワーハラスメントに繋がっていると考えられます。

ここでアンガーマネジメントについて、補足でお伝えします。
前回のコラム:今、話題のアンガーマネジメント-「怒り」をうまくコントロールする方法

アンガーマネジメントとは?
1970年代にアメリカで生まれたとされている怒りの感情と上手に付き合うための心理教育、心理トレーニングです。 私たちが怒る理由は自分が信じている「〜するべき」が目の前で裏切られた時です。マナーは守るべきと思っている人がマナー違反を見ればイラッとします。仕事はこうするべきと思っているのに他の人がそうしていなければ腹が立ちます。

会社はこうあるべき、夫婦はこうあるべき、子育てはこうするべき、家事は分担するべき、なんでも正直に話すべき、コーヒーはブラックで飲むべき、ダイエットするべき、整理整頓するべき等々、実に多くの「〜するべき」を私たちは持っています。その「〜するべき」が裏切られると、怒りを感じています。
日本アンガーマネジメント協会HP出展

日本アンガーマネジメント協会の記事のように、人がイライラしたり、怒りで八つ当たりしてしたりしてしまう背景には、価値観の多様化によって、自分の価値観である「べき」、「当たり前」、「当然」という基準と他者の「べき」の基準と違ってくることで、「なんでそうなるの?」「なんで?おかしくない?」と、感じることが多くなってきていることにあります。

さまざまな価値観が持つ人が増えることで、当然ながら、異なる価値観を持つ者同士の関わりが増加し、自分の「べき」と自分以外の「べき」がぶつかり合う機会が増えます。その結果、他者へのいら立ち、怒りを募らせ、人間関係におけるトラブルを生んでいるのです。

ハラスメントー価値観


今回は、25種類のハラスメントとハラスメントが増加してきた背景をご紹介していきました。

ハラスメントは、誰しもが被害者になる可能性がありますし、誰しもが加害者になる可能性があるのです。

ハラスメントの加害者にならないために、重要な視点が「客観的な視点」を身につけることです。
時代が変わり、考え方が変わってきました。今と10年後も考え方がさらに変わってくると思います。

みなさんの価値観・常識が、相手の価値観・常識とは限りませんので、
自分の価値観・考え方を相手に押し付けないように意識して行動しましょう。
それだけで、きっとお互いのことを思いやられるようになっていくはずです。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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