以前のコラムで、人事になった方が覚えておきたい人事部用語集あ行をアップさせていただいたところ、お客様から続きをどんどんアップしてほしいとお言葉をいただきました。
今回も人事部用語集「か行」編ということで、ご紹介していきます。
前回のコラムの抜粋↓↓
=====================================
人事部の方になりたての方にお伺いすると、悩みはもちろんいくつかあると思いますが、
その一つが「人事部の専門用語」だと思います。
人事部の用語は、調べればネットで出てきますが、実は調べるまでに「ワード」が分からない、用語がわからない、 というものが多く存在します。
そこで、今回は、人事部になったばかりの人に向けて、人事部用語集をご紹介していきたいと思います。
※人事部用語も個数は多いので、コラムをいくつかに分けて、ご紹介していきます。
※新しい用語やここに掲載できていない用語は、都度、更新してアップしていきたいと思います。
=====================================
人事部用語集「か行」
解雇
介護休業
介護離職
管理監督者
解雇予告
解雇予告手当
解雇制限
改正労働契約法
科学的管理法
学習する組織
過労死
看護休暇
希望退職
家族手当
カーブアウト
カウンターオファー
完全失業率
感情労働
ガクチカ
キャリア・アンカー
キャリア・コンサルタント
キャリア教育
休日労働
休職
給与カット
慶弔見舞金
月額変更届
健康経営
健康診断
健康保険
厳選採用
源泉徴収票
源泉徴収簿
コア・コンピタンス
コーチング
厚生年金保険
雇用契約書
雇用保険
コンピテンシー
コンプライアンス
人事部用語集 か行
会社から社員に対して、一方的に雇用契約を解除することです。 |
要介護状態にある家族を介護する社員が取得できる休業です。家族一人につき、93日取得できます。 |
務めている会社を、家族など身近な人間の介護を理由に退職することを言います。高齢化社会の中で、親の介護に直面するビジネスパーソンが急増しており、企業側としても深刻な経営リスクと捉え職場環境と支援制度の充実に向けて乗り出す動きが広がっています。 |
管理監督者とは、労働基準法41条に規定されている、監督もしくは管理の地位にある者を指します。管理監督者は労働基準法の労働時間、休憩及び休日に関する規定が適用されず、規制の適用除外対象者となっている。このことを起因とし、十分な権限や最良を与えずに管理監督者とすることで、時間外手当を不支給にしたり、休日出勤を無給で強制するケースが起こり「名ばかり管理職」として問題となっている。 |
会社が社員を解雇する場合の事前予告(通知)です。 会社は少なくとも30日前に社員に解雇予告をしなければなりません。 |
解雇予告が30日に満たない場合、その満たない日数に応じて支給が義務付けられている手当です。 |
解雇制限とは、労働基準法に定められた、労働者を解雇する際の規定のことを言います。この期間として「業務上負傷し、または疾病にかかり療養のために休業する期間およびその後30日間」ならびに「産前産後休業期間およびその後30日間」は解雇できません。この制限の除外として、①打切補償を支払う場合、②天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合かつ所轄の労働基準監督署の認定を受ければ解雇することができます。 |
改正労働契約法とは、有期契約労働者の中でも、長年にわたり反復更新している労働者の期間満了による雇止めの不安を解消するための法律です。 |
科学的管理法とは、20世紀初頭にテイラーが提唱した管理手法の一つです。
テイラーの主張した科学的管理法の原理は、 ① 課業管理、 ②作業の標準化、 ③作業管理のために最適な組織形態 の3つからなります。作業に関する基準作業量と、基本的な手順を合理的・科学的な方法で定め、管理者の下で計画的に遂行されることによって、生産性を最大化し、能率的に作業をすることによって、コストの削減に繋がります |
学習する組織とは、システム思考を基盤としながら、個人とチームが効果的に変化をつくりだす力を継続的に開発する組織のことで、クリス・アージリスとドナルド・シェーンが最初に提唱した「学習する組織」という理論をSoL(Society for organization Learning)の創設者であるピーター・センゲが世に広めました。 |
過重労働や仕事のストレスが原因で社員が突然死してしまうことです。 過労死に該当するかどうかは労働基準監督署が判断します。 |
怪我、疾病により子供の世話を行う労働者に対して与えられる休暇を意味します。小学校就学前の子供がいる場合、年次有給休暇とは別に年5日間休むことができます。 |
経営状況の悪化などを理由に会社が人員整理をする場合の一つの手法です。 割増退職金を支給するなど、会社は通常退職より優位な条件で希望退職者を募り、雇用契約を解除する方法です。 |
配偶者、子供のいる従業員に対して、基本給とは別支給される手当になります。企業によって金額は異なりますが、配偶者に約1万円、子供(1名)には約5千円が支給されるケースが多いです。欧米企業では基本給がメインで、家族手当にあたる支給はないようです。 |
カーブアウト(carve out)」とは、「切り出す」という意味の英語です。 企業が事業の一部を外部に切り出し、ベンチャー企業として独立させる経営手法がカーブアウトと呼ばれます。 |
カウンターオファーとは、もともとは貿易などでの契約交渉の場面で使われていた言葉で、
売り手側から提示された価格や納期などの条件に買い手側が満足しない場合、条件を修正して買いたいと申し込みを行うことを意味しています。
これが人事用語として転じ、社員が転職・退職の申し出をした場合に、企業側から昇給や昇格、あるいは本人が希望する部署に異動させるといった条件を提示し、引き止めを行うことを指すようになりました。 |
完全失業率とは、労働力人口に占める完全失業者の割合をいいます。総務省統計局の「労働力調査」が、全国の約4万世帯を標本調査して、毎月発表される統計の指標です。
この場合の労働力人口とは、15歳以上の人口のうち、働いている人と働く意思のある人を合わせた数で、完全失業者とは、15歳以上で、仕事がなくて調査期間中に少しも仕事をしなかった(就業者ではない)、仕事があればすぐ就くことができる、調査期間中に,仕事を探す活動や事業を始める準備をしていた(過去の求職活動の結果を待っている場合を含む)という人をいいます。 |
感情労働とは、感情を商品として提供する労働形態、「感情労働」です。
体力を使って従事する「肉体労働」、知力を使って従事する「頭脳労働」に対して、近年、増加しているといわれるのが、感情労働です。
もともとはアメリカの社会学者A.R.ホックシールドが提唱した働き方の概念で、「相手に感謝や安心の気持ちを喚起させるような、公的に観察可能な表情や身体的表現をつくるために行う感情の管理が必要な労働」が感情労働であると定義されています |
ガクチカとは「学生時代に力を入れたこと」を略した若者言葉であり、就活用語です。合同企業説明会を略した「ゴウセツ」と並び、定着化した言葉です。 |
キャリア・アンカーとは、MITのエドガー・H.シャイン教授(組織心理学者)が提唱しているキャリア形成の概念です。キャリアにおけるアンカー(錨=不動点)を指しています。 個人が自らのキャリアを形成する際に最も大切で、他に譲ることのできない価値観や欲求のこと、また、周囲が変化しても、自己の内面で不動なもののことをいいます |
キャリア・コンサルタントとは、就職を希望する人に対して、助言やアドバイスなど、さまざまな相談支援を行う専門職です。主な業務は、就職希望者が自らの適性、能力、経験などに応じて職業生活を設計して効果的に職業選択や職業能力開発を行うことを目的とし、個別に相談、キャリア形成支援を行うこと |
キャリア教育とは、若者が社会的・職業的自立のために必要な能力や態度を育成し、キャリア発達を促す教育のことです。具体的には個人が自分らしく生きるために、学習・就労の意欲を高め、自らのキャリアを実現していけるように定められた教育方針です |
労働基準法で定められた週1日の法定休日に労働することです。 会社には、休日割増手当の支給義務が発生します。 |
社員がなんらかの理由により就業が困難になった場合に、会社に在籍のまま復職を前提として、一定期間、労働義務を免除することです。 |
経営状況の悪化などを理由に、会社が社員の給与を一時的に減額することです。 社員にとって、不利益変更となるため、個々の社員の同意が必要となります。 |
従業員やその家族の慶弔に対して、支給される祝金や見舞金です。 法律上の支給義務はありません。支給する会社の多くは、慶弔見舞金規程で 支給事由や支給額を定めています。 |
昇給や降給により固定的給与に大幅な変更があった場合に、算定基礎届を 待たずに臨時的に標準報酬月額を見直すための届出です。 |
健康経営とは、企業において従業員が健康で気持ちよく働くことが企業の生産性の向上につながるという観点から、従業員の健康維持増進を経営課題と捉えて、戦略的に取り組むことです。 |
病気の予防や早期発見のために医師に身体の状態を診断してもらうためのものです。 労働安全衛生法は、会社に対して、入社時健診や定期健診などの実施を義務付けています。 |
健康保険法にもとづき加入者が「業務外の病気」「出産」した場合などに保険給付を行う制度です。年金事務所や健康保険組合が事務を取り扱っています。 |
厳選採用とは、採用枠は決めるものの、自社の採用基準を満たす候補者が少ない場合は、採用枠に満たなくても採用しないというものです。 |
給与や退職金を支払った会社がその支給額や源泉徴収した所得税額などを証明した書面です。 |
会社が従業員に支給した給与や賞与、控除した源泉所得税などを1年間記録しておく帳簿です。この源泉徴収簿をもとに年末調整が行われる。 |
コア・コンピタンスとは、企業の中核となる強みのことです。 ゲイリー・ハメルとプラハラードが「顧客に対して、他社には真似のできない自社ならではの価値を提供する、企業の中核的な力」として定義しました。 |
コーチングとは人材開発の技法の1つで、質問型のコミュニケーションを使い、目標に対して相手が取るべき行動を自ら選択することを促す手法です |
厚生年金保険法にもとづき、加入者が「老齢」「障害」「死亡」した場合に 年金給付を行う制度です。年金事務所が事務を取り扱っています。 |
会社が社員を採用する場合に、労働時間・休日・休暇・給与などの大切な労働条件を明示するための書面です。 |
雇用保険法にもとづき、加入者が「失業」「育児休業」「介護休業」する場合などに 給付を行う保険制度です。ハローワークが事務を行っています。 |
コンピテンシーとは、ハイパフォーマーに共通して見られる行動特性のことで、髙業績者の行動特性、実践能力、発現能力などが使われています。 |
コンプライアンス(Compliance、直訳すると「法令遵守」を意味する)」とは、法令や規則、社会的規範や倫理などを遵守することをいいます |
今回は、人事部になったばかりの人に向けて、人事部用語集「か行」をご紹介していきました。
今後も、新しい用語やここに掲載できていない用語は、都度、更新してアップしていきたいと思いますので、辞書代わりにぜひ参考にしてみてください。
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。