従業員数20名未満の経営者でも『経営計画書』を作る意義は、果たしてあるのか?

従業員数20名未満の経営者でも『経営計画書』を作る意義は、果たしてあるのか?

従業員数20名未満の経営者でも『経営計画書』を作る意義は、果たしてあるのか?


皆さんは、期初に聞いた『経営計画』をきちんと思い出せますか?
また、経営者の方々は、期初に、従業員に対して、ご説明した『経営計画』がどれだけ浸透しているか気になったことはありませんか?

今回は、「経営計画を作る意義」について書いてみたいと思います。

そもそも、経営計画とは・・・

企業が将来にわたって、策定した経営ビジョンや掲げた数値目標を実現するために、現在の自社の経営状況、経営実態を正確に分析し、いつ何をどのようにすべきか、経営資源(従業員、資金、情報、資産)をいかに活用するかを考えた計画のことです。

経営計画を作る意味があるのかどうかを聞くと、
「将来の目標を立てるのであれば、経営計画を作った方が良いに決まっている!!」
という声が聞こえてきそうですが、

経営計画を作るメリット、デメリットについて、整理して考えてみたいと思います。


経営計画書を作るデメリット


まずは、デメリットから見ていきましょう。

●デメリットその1「工数がかかる」

何かを考えて作るということは、やはり時間や人手、ときにはお金もかかる場合があります。
※中小企業診断士の先生や経営コンサルタントの方に経営計画のサポートをお願いする場合など。
特に創業したての場合や、実績や経験がない新規事業を計画に含める場合などは、市場調査、分析にかなりの時間を要することかと思います。

●デメリットその2「計画にこだわりすぎて、臨機応変に動けなくなる」

計画通りに事を進めているのに、結果が結びついていないときに、「まだまだ結果がついてきていないだけ、後から成果は出始める」と、計画で立てた戦略を実直に進めてしまうなんてこともあります。
我慢して続け、最終的にはやはり結果が出なかった場合が1番恐ろしいので、例えば、目安となる見直し時期を設定して、いつまでに目標の〇%の成果が出ていなければ、計画や戦略を見直すということを、事前に考えておくと良いでしょう。

●デメリットその3「計画立てたら、お腹いっぱい(達成感)になってしまう」

経営計画を立てるには、少なからず時間と労力が必要になります。将来の計画を一生懸命立てると達成感が出て、満足してしまうケースも少なくないようです。
よく「目標の立て方」でも話に上がりますが、「絵に書いた餅」にしないためには、計画を立てて、終わりではなく、実行(Do)まで細かな行動計画を立てる必要があります。
※上記に上げるデメリットは人によっては、きちんと対処されているので、問題ない場合もありますが、例として記載しています。

やはり、多くの経営者の方々が感じるデメリットは、工数が掛かるということでしょうか。

私の知り合いの経営者様で、輸出輸入代行をされている方がいらっしゃるのですが、「経営計画を作ったことがない」とおっしゃっていました。ここ5年で、順調に売上も伸ばしており、経営計画が無くても、問題ないとのことでしたが、突然、業界がどうなるのか?日本、世界の情勢によって状況は変わる可能性もあるから不安とはおっしゃっていましたが、そんな未知数なことを考える工数より目先の売上を追っていたいということだそうです。そこは、経営者の経営判断の腕の見せどころでしょうか。

経営計画書を作るメリット

それでは、次にメリットを見ていきたいと思います。

●メリットその1「判断基準を作れる」

経営計画を作るということは、自社の全体的な方向性・目標を決めて、具体的にどういったことを行うのか、半期ベース、四半期ベース、毎月、毎週、日ごとと具体的に何をやっていくのかの行動計画を作っていく必要があります。
また財務計画を立てることで、売上、原価、その他経費、粗利率、利益などの経営数字がどれだけ見込めるのかを検討していけます。
その事業が成り立つのかどうかを事前にシミュレーションすることもできるので、事業の実行有無の判断基準となります。また期中であれば、目標値よりも未達であれば、追加の戦略や行動計画の見直しを考える基準にもなりますし、最悪、撤退のための判断基準としても考えることができます。

●メリットその2「仮説検証できる」

計画は「これを行えば、これぐらいの売上になるのではないか」という仮説を立てることでもあります。仮説を立てて行動していけば、振り返り・検証も行え、うまくいった成功要因、うまくいかなかった失敗要因の分析をすることができます。
その検証をきちんと行うことで、次年以降の経営計画、アクションプランへブラッシュアップ(改善)することが可能となります。

●メリットその3「信用度が高まる」

無計画な人は信用しにくいですよね?経営計画があるかないかで、金融機関は融資の判断を行っています。経営計画書(事業計画書)は、融資を行う側の金融機関が求める「貸した資金を回収できる可能性」や、「利息の元になる収益性」を確認するための資料となるのです。

●メリットその4「経営を実行する上での時短になる」

経営計画を初めて作るときは、時間をかなり要すると思いますが、次年度以降は前年計画を元に進めることができます。 また、経営計画があれば、全従業員が「会社はどこを向いて、どのぐらいの速さ(スピード)で向かおうとしているのか」がわかり、ビジョンが共有されやすくなり、動きやすくなります。
さらに定期的な進捗確認や仮説・検証を行うことで、ノウハウが蓄積されていきますので、何か新しいことをやるときでも、そのプロセスやノウハウを利用して進めていくことができ、結果、経営を実行していく上で、かなりの時間短縮につながります。

ここまでメリット、デメリットを見ていきましたが、規模(従業員数、売上数)が大きくなっていけばなっていくほど、経営計画を作るメリットが大きいようです。

せっかくなので、最後に経営計画を作るポイントを4つご紹介します。 ※独立行政法人中小企業基盤整備機構様の経営計画つくるくんを参考にみていきましょう。 https://tsukurukun.smrj.go.jp/management-plan/



①自社の分析
②周囲(環境)の分析
③将来の目標を定める
④目標達成のための行動計画を決める

①自社の分析

経営計画を策定するには、自社のことを理解する必要があります。自社の現在の姿を客観的に眺め、強みは何か?弱みは何か?どのような経営資源を持っているのか?足りないものは何か?などをしっかり把握し、自社分析を行いましょう。
フレームワークとして、3C分析などをおすすめします。

②周囲(環境)の分析

次に、自社を取り巻く環境についての情報を整理しておきましょう。企業は、顧客のニーズ、競合の動向、社会情勢の変化など、様々な環境の変化に常にさらされています。経営計画をつくるためには、そのような変化を予測し、自ら適応していかなければなりません。外部環境には様々な要素がありますが、まず注目するのは市場動向と競合の状況です。
フレームワークとして、SWOT分析などをおすすめします。

③将来の目標を定める

将来の目標を設定します。経営計画は一般的に5年を単位としてつくる場合が多いですが、まずは3年後の目標を立てるところからはじめましょう。目標は売上高や店舗数、従業員数など、具体的なものにすると良いでしょう。期限を設けることも大切です。

④目標を達成するための行動計画を決める

最後に、目標を達成するための計画を定めましょう。そのためには、将来の目標で決めた成長の方向性を、より具体的に設定することが必要です。事業の領域は、以下の3つの要素で定義することができます。それぞれの要素について、具体的なイメージを描いてみましょう。

【誰に】
皆さんの事業のターゲットは、どんな人(あるいは会社)でしょうか。 ターゲットを定めるときは、年齢・性別・居住地域・家族構成等の統計的な情報と、趣味・ライフスタイル・価値観といった内面的な要素も考慮するようにしましょう。

【何を】
皆さんの会社は、ターゲットに対してどんな商品やサービスを提供しますか? また、ターゲットはその商品・サービスの機能を通じて、どんな価値を受け取るでしょうか? ターゲットは商品やサービスから受け取る価値が大きいほど、あなたの会社を強く支持してくれるでしょう。

【どのように】
皆さんの会社はどんな設備や技術を使って、その「価値」を生み出していきますか? これは、あなたの会社の経営資源と密接に関係しています。他の会社には真似のできない特徴があれば理想的です。

他にもいくつか抑えていただきポイントはいくつかありますが、まずは、経営計画を策定する際に、上記4点をぜひ活用してみてください。

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