ここ最近、「プロジェクトマネジメントを体験できる鉄塔ゲームを導入したい」とお問い合わせしていただく企業様が増えてきました。
鉄塔ゲームは、PM(プロジェクトマネジメント)についての知識だけでなく、
PDCAサイクルの重要性やコスト意識などについても醸成させることができるので、
新人研修や若手研修にも導入することができます。
今回は鉄塔ゲームの魅力と導入するときの注意点についてご紹介したいと思います。
鉄塔ゲームの魅力
鉄塔ゲームの魅力は大きく3点挙げられます。
①ゲームで体験したことを学びに変えやすい
1つ目は、ゲームで体験したことを学びに変えやすいのが鉄塔ゲームの魅力と言えるでしょう。
ゲームを通じて、学べる内容は下記のようなものが得られるはずです。
(1)お客様視点で考え、何が要件定義として必要なのか?を体験することができること。
鉄塔ゲームでは、「要件定義とは何をすることなのか?」という言葉を学ぶだけでなく、ゲームを通じ、体験してもらいます。世の中にあるPM研修では、そういったことを体験する機会はなかなかないと思われます(あるかもしれませんが・・・)。 いろいろ書き方がありますが、要件定義とは、「顧客が要求する内容をまとめて、解決策を提示すること」と言えます。 ゲームではお客様から情報をヒアリングして、ニーズをしっかりと把握した上で試作品の提供を行わなければいけません。そういった点から要件定義の重要性を理解していただくことができるのです。
(2)リスクマネジメントなどのネガティブ要素に対応する視点が醸成できること。
ほかにも鉄塔ゲームでは、リスクマネジメントなどのネガティブ要素に対応する視点が必要で、成果を出すためのポイントとなっています。 例えば、作ってもらう鉄塔の試作品は、強度に問題がないかどうかが試されます。台風が起きたと設定して、風をうちわなどで発生させます。それで倒れないような強度が必要となってきます。 起こり得るリスクを想定して、業務をしていかなければいけない点を体感することができます。
(3)QCDの視点の意識が醸成できること
鉄塔ゲームでは、QCD、いわゆるQuality:品質、Cost:原価・コスト、Delivery:納期を意識させることができます。お客様が求める品質、そして、コストや納期を把握して進めなければ、お客様から選ばれることができません。実際の仕事も一緒でしょう。 お客様が求めるものを提供できるようにしていくことの重要性を理解してもらうことができます。
(4)目標達成に向けて真剣に取り組めるということ
鉄塔ゲームでは、コンペに勝ち、お客様から選ばれることの大切さを学んでいただきます。 目標=お客様のニーズを満たし、選ばれることです。その目標の達成に向けて、チームで盛り上がって行動できるのが鉄塔ゲームの面白さと思います。
(5)改善サイクル(PDCA)が実際に体感できること
鉄塔ゲームは、1回だけではなく、2回目、3回目と繰り返し行うことで、改善サイクルを回すことができます。1回やって終わりでは改善の意味を学ぶことができません。繰り返し行い、1回目でうまくいかなかった点の原因をしっかりと把握し、改善につなげていきます。
上記の5つは、ゲームから学べる内容、つまり得られる研修効果ですが、その他にも仕事を進める上での大切な段取りやコミュニケーションの取り方などもゲームを通じ、学ぶことができるのです。
※テキストイメージ(サンプル)
②チームワークの重要性を理解できる
2つ目の魅力は、協働して鉄塔を作り上げるので、チームワークの重要性や役割分担の大切さを理解することができるという点です。 チームで連携して取り組むことによって、個人では出てこなかったアイデア、着眼点が出てきて、成果を上げやすくなります。また役割分担を決めることで、業務の効率化を図ることもできます。 鉄塔ゲームを通じて、チームワークを持って業務に取り組むことの重要性を再認識させることができるのです。
③プロジェクトマネジメント研修への参加ハードルを下げることができる
3つ目の魅力は、研修への参加ハードルを下げることができるという点です。 「プロジェクトマネジメントの研修を受けてくれ!」と会社から指示されたとして、だいたいの人が「プロジェクトマネジメントって、難しそう」と思うはずです。私もそうでした。 鉄塔ゲームを手始めに受けてもらうことで、プロジェクトマネジメントに対する拒絶感を減らし、楽しくプロジェクトマネジメントを知ってもらうことで、さらなる探究に繋げられるのです。
以上
鉄塔ゲームの魅力について、ご紹介してまいりました。次に導入するときの注意点についてご紹介いたします。
導入するときの注意点
①ゲーム後の学びのポイントをしっかり決めておくこと
プロジェクトマネジメントの内容は幅広く多岐にわたります。 ビジネスゲームを活用されたい企業様は、たいてい時間的制約があると思います。 そういった場合に備え、伝えたい内容・メッセージを絞っておいた方が良いかもしれません。
②オンラインでの実施が難しいということ
この鉄塔ゲームは玩具のブロックを使用して行うのと、 個人ではなくチームを組んで実施するため、オンラインでの実施が現状できません。 そのため、オンラインで実施されたい場合は難しいのが現状です。
③レベルが低いアウトプットが出てきた場合の対応方法には気を付ける
鉄塔ゲームを実施していて、正直、レベルが低いものがチームによっては、出てくることがあります。お客様のニーズや期待に応えられていない試作品(鉄塔)です。こういったチームが全チーム出てきてしまう可能性も無きにしも非ずです。そうなった場合は、コンペだからといって、優勝チームを決めることはせず、お客様の視点で、全チームが失注になることをしっかりと伝えた方が学びに変わります。質の低いものは、仮に他チーム(他社)より点数が高くても、お客様から選ばれる可能性が低いということを理解してもらいましょう。
今回は鉄塔ゲームの魅力と導入時の注意点についてご紹介いたしました。
業務上、プロジェクト化しているものが社内には多々あると思います。そういった点からもプロジェクトマネジメントについて学ぶことは極めて大切です。
本格的に学んでもらう入り口、題材としても役に立つと思いますので、ぜひ鉄塔ゲームを参考にしてみてください。
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。