ゴールデンサークル理論から考える営業話法

ゴールデンサークル理論から考える営業話法

ゴールデンサークル理論から考える営業話法

みなさんはゴールデンサークルという言葉をご存知でしょうか?

宇宙人の作ったミステリーサークルではありませんし、謎の勧誘サークルでもありませんよ笑。 ゴールデンサークル理論とは、サイモン・シネック氏が提唱した理論で、他人に納得してもらい行動を促すためには、どういう構成で伝えるべきかを示したフレームワークです。

マーケティングコンサルタントのサイモン・シネック氏が、TED TALKでこの理論を披露して日本でも有名になりました。

こちらの動画をお時間あるときにぜひご覧ください。
https://youtu.be/qp0HIF3SfI4

ゴールデンサークル理論とは


ゴールデンサークルのフレームワークでは「why→how→what」の順番で説明をしていきます。

why:なぜ
how:どうやって
what:何を

内側から外側に向かってwhy→how→whatの順番で物事を説明していきます。

効果(数字)や機能性、利便性などの説明も大切ですが、人の心を動かすのは感情であり、直感だと言われています。

人の心が動く=「理念や目的といった根底にある想いに共感することで、人は行動に移す」という状態になるのです。

「why」の部分こそ、他人の心を惹き寄せる核と言えるでしょう。

しかし、一般的に多くのプレゼンや営業トークでは、ゴールデンサークルとは逆の「WHAT」→「HOW」→「WHY」の順番で説明されることが多いのです。

WHAT:「何を」=私たちのプリンターは今よりも印刷コストの削減ができるプリンター
HOW:「どうやって」=インクが他社のものよりも減りが遅く長持ちするのです
WHY:「なぜ」=印刷コストを安くさせるお手伝いをしたいからです

このような順番で説明されることが多いのです。

企業は自社商品の機能や品質に自信を持っていますよね?その点から商品自体の魅力を伝えることに夢中になってしまい、なぜその商品を作ろうと思ったかや、それによって世の中のどのような課題を解決したいと思っているかを語られることが少ないのです。

ゴールデンサークル理論の事例として、 サイモン・シネックはMacBookやiPhoneで有名なAppleの例を紹介しています。

Apple社のプレゼン

WHY:なぜ
我々には「我々のすることが世界を変える」という信念があります。Appleは違う考え方 (Think Different) に価値があると信じています。

HOW:どうやって
我々は、美しくデザインされ、カンタンに使え、親しみやすい製品で、世界を変えます。

WHAT:何を
こうして素晴らしいコンピュータができあがりました。

人々の共感を得るためにはwhyの部分がとても大切なのです。

whyの順番が最後でも人には伝わるのではないか?という疑問点

よく出てくる例として、アップルが仮にwhat→how→whyの順番で説明をしたらというものが出てきます。

WHAT:何を
素晴らしいコンピュータを作りました。

HOW:どうやって
美しくデザインされ、カンタンに使え、親しみやすい製品です。

WHY:なぜ
なしor1つどうですか?

こういった例では購買意欲がくすぐられないのは確かにわかります。いわゆるwhyの欠如です。

ではApple社のゴールデンサークルと逆の順番であてはめるとどうでしょうか?

WHAT:何を
素晴らしいコンピュータができあがりました。

HOW:どうやって
美しくデザインされ、カンタンに使え、親しみやすい製品なのです。

WHY:なぜ
我々には「我々のすることが世界を変える」という信念があり、世界中の人々がこのコンピュータを使うことで便利になり、さらに良い世界に変えることができると信じています。


(少し変えてみてはいますが、このような感じでしょうか)

最後にwhyをしっかり伝えることができれば相手に伝わり、共感してもらえるのではないかと感じます。

あらためて、どちらの方が効果的なのでしょうか?

これに関連してサイモン・シネック氏は「優れたリーダーはどうやって行動を促すのか」のプレゼンの中で、ゴールデンサークル理論と人間の脳の関係についても触れ、説明しています。

人間の脳の基本的な構造と役割について説明すると、 人間の脳には、感性や知性などの本能的な部分を司る「大脳辺縁系」と「大脳新皮質」と呼ばれる場所があります。

大脳辺縁系は、人間の脳の中で最初に育つ部分です。 人間の脳で情動の表出、食欲、性欲、睡眠欲、意欲、などの本能、喜怒哀楽、情緒、神秘的な感覚、睡眠や夢などをつかさどっており、そして記憶や自律神経活動に関与しています。 

続いて、大脳辺縁系の外側に知識や知性などを司る「大脳新皮質」と呼ばれる部分があります。 大脳新皮質は、大脳の部位のうち、表面を占める皮質構造のうち進化的に新しい部分です。ものを知覚したり、運動を制御したり、未来の予想、論理的思考、言語、計算、推理を司っている器官です。

大脳新皮質は、大脳辺縁系の後に成長する部位であり、脳の中でも新しい場所なのです。

ゴールデンサークル理論で、なぜwhyからスタートさせるべきだと言っているのかというと、最初に「why」 から伝えることにより、大脳辺縁系が司る人間の感性や感情に訴えることができ、相手に行動を促しやすくなるからだそうです。

そういった理由からwhyから伝えるべきなのですね。

最後に当社のビジネスゲーム研修について練習で考えてみました。(自社満な気もしますが申し訳ありませんm(_ _)m)

why:なぜ
多くの経営者や担当者が企業研修や社内勉強会をただのやらされごとではなく、自発的に社員が受けたいと思ってくれるようなものにしたいと考えています。しかし、なかなか変えることができません。

how:どうやって
情熱Factoryは働く社員の意識や思考、ビジネススキルが1つのあるキッカケで、大きく成長してくれることを知っています。

what:何を
それは研修がただの座学だけではなく、経験学習をもとにした内容で腹落ち感を感じさせるキッカケが必要なのです。経験学習で仕事を模擬体験できるビジネスゲームを提供することで私たちは一人ひとりの成長を促していきます。

このようなイメージでしょうか?


プレゼンで大切なのは相手に共感してもらい、納得してもらうことです。 そのためにもゴールデンサークル理論の考え方は役立つフレームワークだと思います。まずはぜひ一度自社の商品やサービスで練習してみてください。

自社商品の魅力を伝えるキッカケになっていくはずです。


【執筆者情報】

ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃

研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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