ビジネスマナー研修を社内で行うにあたり、気を付けるべき3つのポイント

ビジネスマナー研修を社内で行うにあたり、気を付けるべき3つのポイント

ビジネスマナー研修を社内で行うにあたり、気を付けるべき3つのポイント

前回のコラムでは、ビジネスマナー研修の必要性について考察していきましたが、
今回もビジネスマナー研修について考察していきます。

今回は、ビジネスマナー研修を社内で行うにあたり、気を付けるべき3つのポイントについて、見ていきます

①ビジネスマナーは、何のために存在しているのか?を理解させる

新入社員たちに、ぜひ考えさせてほしいのは、「そもそも、ビジネスマナーは、何のために存在しているのか?」という点です。
ビジネスマナーと呼ばれ始める、はるか昔から、日本では、礼儀作法が重んじられてきました。武家社会しかり、貴族社会しかり。こういった礼儀作法が考えられた背景は、神様にお供え物をする儀式から始まったとされています。神様に対する感謝の気持ちを示すことが礼儀作法だった訳です。そこから、礼儀作法は、【相手】を敬う、重んじる気持ちを伝える方法として、進化を遂げていきました。

つまり、日本におけるビジネスマナーは、何のために存在しているのかと言えば、相手ありきのもので、相手が不快に感じないように、相手を敬う気持ちの言動を表現するために存在しているのです。ただ、どんな方法で相手に敬意を示せば良いか、人それぞれ違って、バラバラでは、わかりにくいため、基本的な「型」が300年、400年と続く武家社会や茶道の中から生まれ、そこから発展していったのです。

「型」だけを覚えさせても、忘れてしまう可能性がありますし、手法だけに頭が行ってしまい、「相手のために」という視点が飛んでしまう可能性もあります。 世界史、日本史などの出来事が起こった年をただ覚えるより、なぜその事件や出来事が起こったのかの背景や流れを知った上で、年を覚えた方が、理解度が増すのと同じように、ビジネスマナーの存在している理由や背景を理解してもらった方が、基礎理解が高まり、応用も効きやすくなるはずです。

ビジネスマナーの気遣い

②ビジネスマナーの「守・破・離」を意識して研修内容を構築する

みなさんは、「守・破・離」という言葉をご存知でしょうか?
剣道や茶道などで、修業における段階を示したもので、茶道における江戸千家流の開祖、川上不白が提唱したとされる考え方です。
【「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。】とされています。

ビジネスマナーの習得にこの守・破・離を意識して、研修をつくっていきます。
守破離の守は、型を覚え、身に付けさせることです。型というのは、ビジネスマナーのさまざまな作法のルールです。例えば、名刺交換の両手交換、片手交換の仕方や目上の人に対する敬語の使い方というような作法です。


・身だしなみの型
・敬語、言葉遣いの型
・挨拶、お辞儀の型
・電話応対の型
・メール対応の型
・席次の型
・来客、訪問の型

上記の型の「やり方」、「意味」をまずはしっかり知識として教え、次にお手本通りにやってみせ、今度はロールプレイング形式で、新入社員たちに実践的にやってもらうということです。それを1回ではなく、2回、3回と、繰り返し練習していき、身につけさせていくことが大切です。

そして、「守」ができるようになったら、次に「破・離」です。一口にビジネスマナーといっても、すべての業種や職種に共通するものもあれば、業種や職種によって、「慣例」も変わってくるものもあります私が教わったのは、ビジネスマナーの必須ではありませんが、「アポ訪問先への御礼メールは、当日、もしくは翌日の朝までに入れる」 「お客様へのレスポンスは必ず2時間以内に入れる」などを心掛けるようにと言われたこともあります。企業独特の、独自の文化というものもありますので、自社の業種、職種特有のオリジナリティな慣例や、企業独自に暗黙のルール化されているマナーを実践できるように昇華させていきましょう。

その際、有効なのが現場の先輩社員に協力してもらい、先輩社員たちが経験したビジネスマナーの失敗談を話してもらったり、インタビュー記事にまとめ、共有したりするのが有効です。そうすることで、ビジネスマナーの型からレベルを昇華させられるはずです。

③ビジネスマナーを反復練習させる場を設ける

人は習慣の生き物です。ビジネスマナーを毎日のように必要性とする現場では、身に付けるまで時間が短くて済みますが、あまり社外の人と接しない人たちですと、忘れていきやすいです。

そこで重要なのが、人事⇄現場の連携を強化し、定期的にチェック体制を作っていくということです。2~3ヶ月おきに実践形式で、先輩社員とロールプレイングを行い、評価・フィードバックをしてあげる時間を設けることがオススメです。

よく現場から聞かれるのが「振り返させる時間がないし、必要ないだろ!」というご意見です。確かに忙しく、わざわざ時間が取れないのは、わかります。わざわざ1時間、2時間を取る必要はないので、10~15分だけで良いのです。短時間で構いませんので、ロールプレイングを一緒に行ってあげて、良い点、改善点をあげ、新入社員たちにさらにブラッシュアップさせていくのです。



新卒社員の不安を解消するためにも、現場の社員たちの不安や不満を減らしていくためにも、
ビジネスマナー研修や新卒社員の入社時研修を考えられる際は、3つのポイントを意識して、作り込んでいただけると効果が高まっていきます。
ぜひ参考にしてみてください。


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「マナーの達人」

【執筆者情報】
ビジネスゲーム研究所 米澤徳晃
研修会社に入社後、研修営業、研修講師業に従事。その後、社会保険労務士法人で人事評価制度の構築やキャリアコンサルティング活動に従事。その後、独立。講師登壇は年間50登壇を超え、講師としてのモットーは、「仕事に情熱を持って、楽しめる人たちを増やし続けたい」という想いで、企業研修を行っている。

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